1年前の札幌、そして4年前の川崎、今度は横浜で生活困窮者の住宅「簡易宿泊所」にて火災事故の被害が絶えません。生活困窮者の住宅政策が進まず、寄せ集められた簡易宿泊所にておこる火災事故は止めようがありません。国や行政の抜本的政策なくしては毎年悲劇は繰り返すでしょう。
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今日の潮流
しんぶん赤旗2019.1.8
 かつてそこは日雇い労働者の街でした。東京の山谷や大阪のあいりん地区と並び「日本の三大寄せ場」といわれた横浜・寿町。今は65歳以上が住民の6割近くを占める街に様変わりしています▼大勢の労働者を受け入れるため高度成長期に次々とつくられた簡易宿泊所。年明け早々の4日、その宿が立ち並ぶ一角を惨事が襲いました。介護が必要な高齢者や障害者ら140人ほどが身を寄せる「扇荘別館」が炎に包まれたのです▼2人が亡くなり、8人が重軽傷。車いすを使っていた宿泊者も多く、迫りくる死を背に煙火のなかを逃げ惑いました。現場の証言からは、助けようにも自分のことで精いっぱいだった様子がうかがえます▼1年前に札幌で起きた火災を思い出します。生活に困った人たちが住む共同住宅が全焼し、入居者11人が犠牲となりました。4年前にも川崎の簡宿が燃えて11人が死亡。身寄りのない低所得の高齢者らが生活拠点とする施設で、毎年のように火災が発生しています▼札幌や川崎の場合は古い木造で、建物の構造や防災・避難体制の弱さが問題になりました。今回はバリアフリー化された比較的新しい施設だったといいますが、スプリンクラーは設置されていませんでした▼安全が危うい住宅や施設が生活困窮者の受け皿にされている現状は置き去りのまま、高齢者や障害者が集まるよりどころを守るための対策も立ち遅れています。住まいは、人が生きる場所。悲劇をくり返さないことが社会の安心にもつながります。