最近看護師さんとの面談の機会が多いのですが、亀田森の里病院佐藤克美看護部長の言われていることを実感しています。医療の形が急性期から慢性期、そして地域包括ケアへと変化していることに看護師の方々の意識が追い付いていないのではないかと気になります。患者の多くが高齢者となり、医療と介護が切っても切り離せない環境になり、医療と介護のシームレス化が進む中、佐藤看護部長が言われるように看護師と介護福祉士の業務領域をきちんと分けるべきではないという意識改革をどのように進めるかが大変重要になってきているように思います。
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現場好きの看護部長が考える働きやすい環境づくり-亀田森の里病院佐藤克美看護部長に聞く ◆Vol.2
m3.com2019.2.6
 主業務はスタッフが働きやすい環境づくりです。例えば、当院は2018年6月から、これまで62床を1病棟として運用していたものを32床(一般病床)と30床の2病棟に分け、30床は地域包括ケア病棟として運用することになりました。こうした病院の変化についていけるのか、これまで通りに医療と看護、介護を提供できるか、不安がっているスタッフもいる。その不安を取り除けるよう、話を聞き支援しています。

 また、高齢化が進む今、「看護」の業務における「介護」の要素が高まっており、スタッフの負担が増えています。採血など医療従事者しかできない業務の量は変わらない一方で、身体介護に類する業務など、高齢の患者さんが増えたことで看護師がやらなければならないことが増えました。こうしたことに不安を抱くスタッフもいます。

 ただ、看護師と介護福祉士の業務領域をきっちり分けるべきだとは思いません。相互に理解し合うことが大切なのです。私が患者さんをベッドから起こすときなんて「ずっと寝ていたら床ずれになっちゃうわよ」みたいな、患者さんの危機感を利用する言い方をしてしまう。でも介護士さんは「今日は空がきれいよ」と起こす。こういうところは、看護師が見習わなければいけないですね。介護士さんに対しても、吸引など看護師しかできない業務以外で、我々が伝えられることはあります。高齢化の時代だからこそ、両者がしっかり連携できる環境、スタッフが働きやすい環境をつくる必要があります