介護業界唯一の国家資格である介護福祉士の過酷な労働実態が報告されています。医療現場ではヒエラルキーの底辺に位置づけられ、介護現場では逆に国家資格でありながらヒエラルキーの頂点に立てない中途半端な位置づけが介護福祉士を苦しめます。介護福祉士の地位向上を医療介護業界全体の問題として取り組む必要があります。
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「医療現場ヒエラルキーの底辺」と嘆く介護福祉士の苛酷な労働実態
ダイヤモンド・オンライン2019.2.6
 重労働であるにもかかわらず、賃金が低いことなどが問題視されている介護職だが、その中でも特に過酷さが際立つのが国家資格の「介護福祉士」だ。病院やクリニックでは、介護福祉士はヒエラルキーの最底辺に位置しているという。介護施設・病院で15年勤務し、現在は介護保険外サービスを展開する「ライフケアサポート」の代表・中村英樹氏が、業界の闇を暴露する。(清談社 角南丈)

介護現場に人材が定着しない最大の理由は、業界全体が低賃金・重労働の“ブラック化”していることだろう。その最たる例が、業界唯一の国家資格である介護福祉士だ。日本介護福祉士養成施設協会の発表によれば、介護福祉士として登録されている人の総数は、全国で150万人3574人(2017年3月時点)に上る。

「一概にはいえませんが、介護福祉士の平均基本月給は、手取りで15万円程度。そこに資格手当1万5000円、夜勤手当がついて17~18万円といったところでしょうか。ボーナスは施設によって異なり、出るところでもせいぜい年2回(各月給1ヵ月分)となっています。もちろん早出や残業がある場合もあります」(中村氏、以下同)

中村氏によれば、医療・介護施設にはヒエラルキーが存在するという。本記事では話をわかりやすくするために、介護施設ではなく病院を例に説明しよう。

「序列的にはトップが医師、続いて看護師、介護職員となっています。特に看護師と介護職員の確執は有名です。たとえば、オムツ交換は看護師の仕事でもありますが、看護師の中には『オムツ交換ぐらい介護職員がやれ。介護職員は医療について無知なんだから、私たちに医療(補助)以外の仕事をさせるな。悔しかったら看護学校出てみろ』と、介護職員を見下す人がいるのも残念ながら事実です」

特に看護師の攻撃対象にされやすいのが、現場の介護職員を束ねる介護福祉士(介護主任)なのだという。介護福祉士は、看護師と介護職員の板挟みにあう哀れな中間管理職、という位置づけなのだ。

 そこまでの手間と時間をかけてやっとの思いで取得しても、介護福祉士に待っているのが職場ヒエラルキーの最底辺という現実だとすれば、なんとも救いようのない話だ。