2012年末に自民党が政権に復帰した際、安倍晋三首相は生活保護費10%削減を公約として掲げていました。その生活保護費引き下げ根拠として使われた統計が不正であったという報道が相次いでいます。今回は統計学者の鳥越規央氏が2013年の引き下げ根拠に不正があったと指摘しておられます。その根拠になったのが2008年から2011年の間に物価が4.78%下がったとの厚生労働省データなのです。しかしこの下落率があまりにも不自然であると疑念を持った当時の中日新聞記者、白井康彦氏が取材を開始。この物価の大幅な下落が偽装であるとの根拠を揃えました。そのポイントは次の3つです。
生活保護統計偽装














①基準年次の変更
生活扶助費の改定は直近で2004年に行われていたため、普通なら比較対象は2004年にすべきところ、なぜか2008年を比較対象年としています。実は2008年は原油価格や穀物価格の高騰により物価が局所的に高くなった年でした。より下落率を大きくしたいための操作と捉えられても仕方のない基準の取り方でしょう。
②計算方式の変更
もちろん総務省統計局の諸費者物価指数もラスパイレス方式で算出しています。しかし、厚生労働省はなぜか2008年の2010年基準生活扶助相当消費者物価指数をパーシェ方式で計算しているのです
生活保護世帯の実情とかけ離れた計算
「生活扶助」のための消費者物価指数であれば、その計算対象となる品目は生活必需品の支出割合が大きく、嗜好品の割合を縮小して計算しているものと思われるでしょう。ところが厚生労働省が計算のために使用した支出割合は一般家庭平均のものと同じだったというのです。

この「物価下落偽装」による生活保護の引き下げが不当であるとした訴訟が各地の地方裁判所で行われています。また、この件を改めて社会に問うとして、研究者160名超による共同声明が出されました。
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毎月勤労統計だけではない、生活保護費引き下げに使われた「消費者物価指数」をめぐるもうひとつの統計疑惑
wezzy2019.3.13
 今年に入ってから、政府統計の信頼性に疑義がかけられる事態が相次いでいます。事の発端は2018年9月、厚生労働省が発表する毎月勤労統計調査において、統計上の所得が高めに出ているのではと西日本新聞が報じたこと。

さて、これらの不正統計報道に隠れて大きく報じられない統計疑惑があることをご存じでしょうか。

 2013年に厚生労働省は生活保護費の削減を行いました。折しも2012年は生活保護の不正受給者数が4万人を超えるとのデータが発表されたり、芸能人の親族に生活保護の受給があることが問題視されたりするなど、生活保護制度に対するバッシングが横行していました。

 2012年末に自民党が政権に復帰した際、安倍晋三首相は生活保護費10%削減を公約として掲げていました。

 生活保護費削減の根拠となったのが物価指数の下落。2008年から2011年の間に物価が4.78%下がったとのデータを厚生労働省が公表したのです。