健康寿命と平均寿命の短縮は簡単ではない、という言葉に実感がこもります。両寿命の間には10年のギャップがありますが、この10年を縮めるのは容易ではありません。人生のラスト10年間の過ごし方を考えます。通常は5~6種類の病気を抱えながら死んでいくことが多いと言われます。健康寿命が延びれば、その分、平均寿命も延びるということになり、10年間を縮めることはできません。永遠の課題でしょうか。
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人生のラスト10年は病気や障害とともに生きる
読売新聞2019.4.12
 多くの人にとって、病気になること、障害をもつこと、そして死を迎えることは、できることなら向き合いたくないテーマだと思います。しかし、人間が生き物である以上、これらは避けられない私たちの宿命でもあります。身体機能は20歳くらいでピークを迎え、それを超えると少しずつ体力は低下していきます。そして病気を重ね、衰弱が進行し、最終的には死を迎えます。誰もが最期まで健康に暮らしたいと願っています。しかし、突然死でもしない限り、私たちは人生のラスト10年間、病気や障害とともに、そして医療や介護とともに生きていくことになるのです。

健康寿命と平均寿命の短縮は簡単ではない
 日本は世界でも有数の長寿国です。日本人の平均寿命は、男性は81歳、女性は87歳を超えています。しかし、男性の健康寿命は71歳、女性の健康寿命は76歳。男女ともに平均寿命と健康寿命には約10年のギャップがあります。どうせ長生きするのであれば、平均寿命よりも健康寿命を延ばしたい。誰もがそう思うはずです。日本では、この健康寿命を延ばすために国をあげて取り組んできました。その結果、日本人の健康寿命は2001年からの12年間で男女ともになんと2年も延びました。

 しかし、健康寿命と平均寿命の約10年間のギャップは短縮することはできませんでした。健康寿命が2年延びたら、平均寿命も2年延びたのです。健康寿命が延びた分だけ、平均寿命も延びる。人生の最後の10年のギャップを短縮するのは簡単ではない、ということもわかってきました。