日本では長生きすればするほど年金だけでは生活ができず、資産不足のリスクが高まります。アメリカでは高齢期に幸福度が高まるに対して、日本では加齢に比例して幸福度が下がるという不幸な結果です。制度設計が誤っていると言わざるを得ません。人生最後の幸せを得るためのマネジメント設計は決して容易ではありません。
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人生100年時代のライフデザインを考える──長寿時代のライフマネジメント
Forbes JAPAN2019.4.27
 日本は超高齢社会を迎えている。それは長寿社会、すなわち長生きできる時代の到来を意味するものだ。2017年の日本人の平均寿命は、男性81.09歳、女性87.26歳になった。これだけ寿命が長くなると、退職後に過ごす高齢期を単なる「余生」などと言うわけにはいかない。

内閣府「平成20年版国民生活白書」には、日米を比較した「年齢による幸福度の推移」グラフが掲載されている。アメリカでは高齢期に幸福度が大きく上昇する一方、日本では加齢とともに幸福度が下がっている。

その理由は明らかではないが、日本の高齢者には年金をはじめとした社会保障制度に対する不安やひとり暮らしによる社会的孤立のおそれなどがあるのかもしれない。いずれにしても、日本には長寿高齢化によりこれまで想定もしなかった社会的課題が生じている。

そのためわれわれはあらたな人生のリスクを抱えるようになり、長寿時代のリスクマネジメントが必要になっている。人生100年時代に幸せな人生を送るためには、定年後に過ごす想像以上に長い時間をどのように生きるのかが、きわめて重要な課題なのである。