たった一つの町の調査ですので全国の数字を推測するのは無理があると思いますが、ひきこもりの比率が半端ではありません。内閣府調査は64歳までを対象に「ひきこもり状態になって6カ月以上」の人数を推計していますが、青森県藤里町社協が調べたのはシルバーバンク(高齢者就労支援事業)の対象にならない55歳未満で、なおかつ「2年以上」働いていない町民なのです。 内閣府調査ではひきこもり人口100万人と推測されましたが、藤里町のデータから推測されるのは500万人となります。全国調査でも、アンケートではなく訪問調査で対象世帯の実態を調べれば驚くような数字が出てくる可能性があるのです。
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ひきこもりは100万人ではなく500万人?
Yahoo!ニュース2019.4.29
 秋田県藤里町は人口3200人、65歳以上が43.6%と全国平均(26.6%)を大きく上回る「高齢化した地方」の典型です。そんな町で2010年2月、ひきこもりと長期不就労者の実態調査が行なわれました。

藤里町社協の調査の特徴は、ひきこもり状態か否かにかかわらず、「18歳以上55歳未満で、(学生や専業主婦などを除いて)定職をもたずに2年以上経過したひとすべて」を把握しようとしたことと、地域からの情報提供を受けてソーシャルワーカーが「あなたのお宅に、ひきこもっているお子さんがいらっしゃいますよね?」と一軒一軒確認したことです。

一人暮らしの老女の家に音信不通だった息子が帰ってくる、認知症になった親の介護のために娘が仕事を辞めたが再就職できない……こうした話はよく聞くものの、調査を率いた社協の事務局長は、その人数を20人か、多くても30人と見込んでいました。ところが1年半におよぶ調査の結果、高齢化が進んだこの小さな町になんと113人もの「ひきこもり(長期無業者)」がいたのです。

対象年齢に占める「ひきこもり」比率は8.74%、男性が女性の約2倍で、40歳以上が半数ちかくにのぼることも明らかになりました。