特養で常勤医が不在の時に心停止で救急搬送された場合、搬送された病院では死亡届を書いて頂けないということを初めて知りました。結局、ご遺体は警察署の届けられたとのこと。こんな案件が増えているようです。結果として不審死の数が増加しているという現状です。特養でもこのようなことが起きるのですから、巷の不審死の数がどれだけ多いかが推測されます。
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特養で心停止、医師不在時に救急搬送で「不審死」扱い 誰が責任を持つのか
読売新聞2019.5.10
 心停止で救急搬送 患者を知らぬ医師は死亡診断書を書けず

 結局、おじいさんのご遺体は警察署に預けられました。ホームに帰り着いた私は、ホームの係長と一緒に警察へ行きました。私はおじいさんの病歴と現在の病状を知っています。そのうえ、今朝もお会いして、現場にいた職員の状況もよく分かっているので、責任を持って死亡診断書が書けました。

 対応した警部補が「こちらの立場では、先生が診断書を書かないと不審死扱いとせざるを得ません。最近は、こんな案件が管内で年間800件以上あります。本当に助かります」と言いました。

 私は感謝されましたが、複雑な気持ちです。誰が責任を持つか、当たり前のことは当たり前に行われるべきです。それが今、日本に求められています。このケースでは、私はおじいさんと日頃から話をしており、おじいさんのお気持ちも息子さんのお気持ちも分かっているので、快くお見送りできたのです。