川崎・登戸殺傷事件の背後に容疑者の8050問題が浮上しています。事件をどう防ぐかも重要ですが、背後に横たわる8050問題の不気味さが見え隠れします。家族関係が崩れ、地域社会が機能しなくなる、その土壌の中で突破的に起きた事件とすれば、今後同様の事件が起きる可能性があります。頼りにされなくなった、孤立した環境の中でその疎外感が増長すれば、どのような事件が起きても不思議ではありません。お互いを頼りにする信頼関係をどう再構築するか方策を考えねばなりません。
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「頼りにする」ということ。川崎殺傷事件で改めてクローズアップされた8050問題と中高年ひきこもり
Yahoo!ニュース2019.5.31

川崎での殺傷事件について、その様子が明らかになると同時に取材依頼が来るようになった。それは容疑者が80代の高齢者と同居している50代であり、ひきこもり傾向があったということがわかったからだ。

同居者の家庭が80代と50代で構成されていたことから「8050問題」に改めて注目が集まっている。

精神科医の齋藤環氏は、かなり早い段階から高齢ひきこもり問題に警鐘を鳴らし、「2030年問題」を指摘している。

「私が案じるのは、そもそもひきこもりの半数以上は、年金や生活保護の受給申請をしないかもしれないということです。役所で手続きをする生活能力の問題もあるし、何より恥だと感じて申請しない人も多いのではないか。その場合、あとは孤独死しかありません。やがて“孤独死大量発生時代”がやってくるでしょう」

出典:文春オンライン 「中高年ひきこもりは自己責任か?」精神科医・斎藤環が予測する「孤独死大量発生」時代