日本の住宅政策が遅れています。空き家が全国で840万戸にもなろうかというのに、抜本的な対策も打てず、
需要が高まる低所得者住宅への転換もままならず。高齢者や低所得者の住宅難民が急増する事態に全く手がつけられていません。カナダには一般賃貸住宅に入れないレベルの人は低所得者住宅(Social Housing)という選択肢があると言います。日本は住宅政策について大幅な見直しをする時期に来ています。
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個人の不動産運用からみる問題の本質
BLOGOS2019.8.1
 先週の日経に「迫真 不動産加熱の代償」が連載されていました。サラリーマン大家が銀行からの借り入れが難しくなった話、スルガショックで土地仕入れを止める業者の話、家賃保証の言葉に踊った大家の話が連載でカバーされていました。

ところでカナダでは一般賃貸住宅に入れないレベルの人は低所得者住宅(Social Housing)という選択肢があります。空きは少ないですが、新たな供給もどんどん増えています。これは地方政府がデベロッパーからの開発許可見返りの拠出金等で開発、提供しているもので低廉家賃で入居できる仕組みです。

日本は古い民間アパートが実態としては低所得者住宅としての機能を果たしているのだろうと思いますが、このあたりの日本の仕組みは世界水準に比べるとかなり遅れている感じはします。

日本もそろそろ住宅政策について大幅な見直しをする時期に来たのでしょう。相続税対策でボコボコアパートが建つとか、金利が安いから1軒目のキャッシュフローで二軒目の借り入れをするといった無謀な不動産運用を放置するのではなく、都市政策を見直し、もっと緑を増やし、安全で豊かなライフができるような50年計画の都市や地方の活性化の策定をしてもらいたいものです。政府の明確な指針がないから皆好き勝手やる、というのが私の見立てた日本の不動産事情のように感じます。