残念なことに、「女性の活躍・輝く女性」というキャッチフレーズが飛び交う中で、最初の職が非正規という女性の割合は依然として上がり続けているのが現実だ。

1992年から1997年に初めて仕事に就いた女性の約25%は非正規だった。それが20年後の2012年から2017年に初めて仕事についた女性の非正規比率は、筆者が試算してみると約44%になっている。

その後、彼女たちは安定した正規雇用に変われただろうか。これでどうして女性が安心して結婚し、子どもを産み育てることができるだろうか。 

女性を安い労働力として扱い続けることが、さらに未婚化を進め、少子化を加速させ、「無子高齢化」社会を招いている。こうやってますます私たちの社会の存続可能性が脅かされているのだ。
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非正規・無職の女性たちをずっと無視してきた「日本社会の罪」
現代ビジネス2019.8.5

2025年からさらに15年後の2040年、いよいよ高齢化社会の第2幕が始まる。団塊ジュニアが全員高齢者の仲間入りをするのだ。そのとき、高齢化率は35%となり、現役人口(20〜64歳)1.4人で1人の高齢者を支えなければならない。では、なぜ2025年より2040年の方が「さらに深刻」なのだろうか。

人間は同じように年を取って高齢者になるわけだが、親である団塊の世代とその子に当たる団塊ジュニア世代には、大きく異なっている点が2つある。第1は未婚率、第2は安定した雇用につけたかどうか、である。

男性の40〜44歳時点で、団塊世代の未婚率はわずか11.8%だが、団塊ジュニアは30%である。これは女性も同じで、40〜44歳時点の未婚率は団塊世代の5.8%に対し、団塊ジュニアでは19.3%になっている。

団塊ジュニアは、親世代に比べて単身で高齢者になる人が多いということだ。

次に大きな違いが雇用状況である。団塊ジュニアの大学卒業時はバブル崩壊後の就職氷河期であり、その後失われた20年、いや30年の中で職業人生を送ってきた。非正規雇用の人も多い上に、正規雇用であっても他の世代に比べて収入が低い。

つまり、団塊ジュニアが高齢者になる2040年には、単身で年金も不十分な高齢者が増えるということである。そして、その後はロスジェネといわれる世代が続々と高齢期を迎えることになる。

非正規だった場合の老後の保障は国民年金だが、40年間保険料を納め続けても、もらえる額は月約65000円である(2019年時点)。