認知症患者によるカフェレストランとパン工場、本当に素晴らしい取り組みです。認知症カフェやレストランは聞いていましたが、パン工場までセットとは驚きです。本当にこのようなモデルが出来たことに賞賛を送りたいと思います。認知症患者による農業+レストラン+パン工房と生産という分野も取り入れたいですね。このようなモデルが全国に波及することを期待したいと思います。我々もやりたいです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
働くのは認知症患者 カフェレストランとパン工場を訪ねて
日刊ゲンダイ2019.8.7

 認知症だからという理由で居場所をなくしてしまう人は多いが、ここでは違う。お客さんのために料理をして、接客をこなし、給料をもらう。時折見せる笑顔は自信に満ちている。認知症患者が働く異色のカフェレストラン「かめキッチン」(神奈川県藤沢市鵠沼海岸、運営=NPO法人・シニアライフセラピー研究所)を訪ねてみた。

昨年6月にオープンし、認知症患者たちが毎日、調理(仕入れ担当は健常者)から接客まで行う特異なレストランだ。自分の生年月日が思い出せない軽度から、徘徊や介護なしで生活が営めない重度に近い患者たちがリハビリを兼ねて働いている。

「登録者数は約30人。60代から最高年齢が90歳を越える人もおります。開店から1年が経過しましたが、大きなトラブルはまだ起きておりません」

 こう語るのは、主宰者であるNPO法人の木村由香・広報開発部部長だ。

「かめキッチン」に隣接してパン工場「パン遊房亀吉」もあり、ここでは認知症患者10人ほどが毎日、700個のパンを焼いていた。素材にこだわり、国産小麦粉(北海道の江別製粉)、アンは北海道十勝地区の小倉アン、パンを焼く窯は「溶岩石窯」という本格的なパン工場だ。