人間にとって人の役に立っているということがどれだけ脳を活性化させることになるのでしょうか?朝日大(岐阜県瑞穂市)の中村広隆助教(37)らのグループが実施したボランティア活動に熱心な高齢者を対象に調査を実施しました。高齢者の社会活動は要介護や認知症のリスクを軽減させる可能性があるのは間違いなさそうです。
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特技生かし「幸福感」アップ 大府市で高齢者対象に調査
中日新聞2019.8.21
 自分の特技や得意なことを人に教える活動をしている高齢者は、幸福感が高い-。ボランティア活動が盛んな愛知県大府市の高齢者を対象に、朝日大(岐阜県瑞穂市)の中村広隆助教(37)らのグループが実施した調査で、そんなシニア像が浮かび上がった。どんな社会活動が高齢者の幸福感につながるのかを分析した研究は珍しく、幸せなシニアライフを送るヒントになりそうだ。

「特技や経験を他者に伝える活動」をしている人は、いずれの活動にも参加していない人に比べ、六十五~七十四歳では一・一九倍、七十五歳以上は一・二二倍、幸福感が高かった。

 「特技や経験」の具体的な中身は、日本舞踊や琴の発表会、地域の祭りの準備で電気配線を設置するなど、スキルを生かした「利他的な活動」だった。

近年の研究で、高齢者の社会活動は要介護や認知症のリスクを軽減させる可能性があり、幸福感は生活の質に影響していることが分かっている。

 中村さんは「他人のために自分の能力を発揮することに、脳が幸せと感じるのではないか。その幸福感は、高齢者の健康や生活の質の維持につながると考えられる」と話している。