終末期医療の意思決定の難しさを示す調査が行われました。家族がいるか、いないかで医師の判断に差が生じるという内容です。独居老人が増加するなかで、病院での治療に差が生じるのは避けて通れそうにありません。であるならば、確実に自らの意向を達成したいときには、第三者あるいは担当医以外のスタッフに意向を明確に伝えておく必要があるという指摘は正しいと思います。自らの命は自らで守るしかありません。
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家族がいない患者には治療が手抜きになる 独居老人に潜む現実
Forbes JAPAN2019.8.31
 社会は患者中心の医療を求めるが、現場はそんなに単純ではない。患者が亡くなれば、医師が相手をするのは遺族だ。患者にとってベストでないと思っても、家族の意向は無視できない。この医師の対応は、私にとっても納得できる。NPO法人医療ガバナンス研究所の研究チームは、株式会社メディウェルの協力を得て、ウェブ上でアンケート調査を実施した。

最初のケースでは、家族がいた場合には56%の医師が人工呼吸管理を行うと回答したが、いなかった場合には39%だった。人工透析については、家族がいる場合には49%で、いない場合は34%だった。いずれも統計的に有意な差だ。

家族の存在が、人工呼吸管理、人工透析ののいずれの実施率も30%程度減らしたことになる。

終末期医療の意思決定は難しい。医師は様々な要因に影響されながら、治療方針を決定しているからだ。我々の研究は家族の存在が患者の治療方針に大きく影響していることを示した。今後、独居老人が増加するわが国で示唆に富む所見だ。

どうすればいいのか。軽々に結論を下すことはできない。ただ、独居高齢者の皆さんには、担当する医師に治療方針を希望するだけでは、その意向が考慮されないことがあることを認識しておいていただきたい。確実に自らの意向を達成したいときには、第三者あるいは担当医以外のスタッフに意向を明確に伝えておく必要がありそうだ。