ついに生活困窮者が空き家に目をつけ始めました。国や行政が救済の為に使うのではなく、家賃補助がない為に、一般賃貸住宅に入れない生活困窮者が違法な空き家占拠を始めたのです。法律を犯してまでも、住むところを確保せざるを得ないこの国の社会福祉の在り方はおかしい。社会福祉士の藤田孝典氏の次の言葉が重くのしかかります。
「公営住宅が住宅全体の3%にとどまり、低所得者への家賃補助もないのがこの国の実情です。社会的な構造が貧困を生み出しているのは否めません。セーフティネットが著しく弱い社会にもかかわらず、転落のきっかけが無限に存在するのです」
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空き家に不法侵入して暮らす40代の貧困「ネットカフェにも泊まれなくて…」
ニコニコニュース2019.10.13
 ますます広がる日本社会の格差。その日暮らしを強いられる年収100万円程度の人たちは、過酷な環境下でどのように過ごしているのか。今回は年齢とともに過酷さが増す中高年に注目。社会から見捨てられた漂流者たちのリアルを取材した。

◆息を潜めて眠る……やむにやまれず空き家に住む人たち

「NPOに届くSOSの中には、空き家から発せられたものも少なくありません。彼らは家賃も税金もかかないからと、勝手に住みついてしまうんです」

 と、社会福祉士の藤田孝典氏が話すように、実際に半年前から神奈川県東部のとある空き家に住みついているのは太田龍二さん(仮名・48歳)。飲食店の経営失敗による借金で首が回らなくなり、知人宅を転々とした後に、空き家に住むことを思いついたという。

住居侵入罪ではあることは、重々承知している。ただ、家を借りるお金はなく、ネットカフェに泊まるのすら厳しい。逮捕されるのは怖いので、寝袋とリュック一つの『素泊まり』程度に滞在し、1か月住んだら次の空き家に移動しています。