中国で急速に高まる介護ニーズに対して、日本はそのノウハウを適切に提供することができるであろうか?日本の介護の押し付けでは失敗をするでしょう。中国の実情にあった介護と日本の介護事業運営にノウハウをいかに融合させるかが問われています。介護保険制度が徐々に広まりつつある中国で、日中の介護連携はこれからです。我々もまずは上海に注目です。
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高齢化社会の中国で急拡大する介護ニーズ 日本は「強み」を再確認すべし!
J-CASTニュース2019.10.15
 人口超大国の中国は急速に高齢化が進んでおり、介護のニーズや関連市場もまた急速に膨らんでいる。

   現状(2019年)、中国の人口約14億人のうち、65歳以上が約2億人、要介護状態の人が4300万人という。10%台の高齢化率はこの先も右肩上がりで上昇し、大きな介護ニーズが発生することは確実。中央政府は2016年、介護保険を試験的に導入して上海、青島など15都市を先行地域に定めて対応を急いでいる。

   高齢化や介護先進国である日本の事業者、企業との提携を望む声も高まっているが、現場では、日中間の考え方のミスマッチも少なくない。巨大な中国の介護市場にうまく参入するには何が必要か――。介護分野の日中交流を16年間続け、中国の事情に詳しい日中福祉プランニング(東京・世田谷)の王青代表に聞いた。

上海で根付き始めた介護保険

   2019年8月、王青さんは中国でも高齢化が最も進んでいる上海を訪れ、在宅介護の現場やケア施設を視察した。「介護保険は確実に根付いている印象でしたね。保険の仕組みは実施都市によって少しずつ異なります。上海の場合、原資は公的医療保険料の一部で賄われ、税金は投入されていません。対象サービスは、在宅介護のヘルパーと施設での介護費のみ。要介護度は5段階で、日本の『要支援』(日常生活を営むのに支障があると見込まれる、要介護前の2段階)はありません。段階は上海が独自に作った認定システムで決められます」と、説明する。