生活保護を利用する資格がある人のうち、実際に利用している人の割合(捕捉率)を、厚生労働省は昨年5月、所得が生活保護の基準を下回る世帯のうち保護を利用している世帯は22・9%と推計結果を発表しています。生活保護対象者の2割しか受給者になれない現状で、その生活保護受給者に対して家計相談支援員を設けて、更なる抑制を図ろうとする。家計改善に向けたアドバイスとは表面上のことであり、その根底には生活保護者には自由にお金を使わせないぞという暗黙のプレッシャーにように見えます。その前にやるべきことがあるでしょう。
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保護費の抑制? 生活への介入? 「家計相談支援員」のお仕事とは
SankeiBiz2019.10.21
 家計相談支援員をご存じだろうか。自治体が設置する生活困窮者の相談窓口で、家計改善に向けたアドバイスを行う人たちのこと。ファイナンシャルプランナーや社会福祉士らがその任に当たり、昨年10月からは支援事業の実施が自治体の努力義務になっている。生活保護をはじめとする社会保障費の抑制策の一つと位置付けられるが、家計への間接的な介入だとして「余計なお世話」との声も上がる。(井上浩平)

相談窓口の設置は、平成27年に施行された生活困窮者自立支援法に基づく。背景には生活保護費の増加がある。厚生労働省によると、30年10月時点の生活保護受給者は約210万人で、およそ60人に1人が受給。現行制度で最多だった27年3月から約8万人減ったものの、高止まりが続く。保護費の総額は30年度の当初予算ベースで約3.8兆円に達している。

 生活困窮者を支援するNPO法人「ほっとプラス」の藤田孝典代表理事は「困窮者のために最初にやるべきことが、家計管理ではない」と疑問を呈する。

 そもそも低すぎる所得が貧困を招いており、「やらないよりはやった方がいいが、根本的には収入が上がり、支出を下げる施策を優先すべきだ」と話す。