'14年、世界的な医学雑誌『BMJ』にこんな論文が掲載された。カナダの研究グループが8980人を対象に調査したところ、「BZ系の睡眠薬を3ヵ月以上使用した人は、そうでない人と比べ、1.5倍アルツハイマー型認知症になる確率が高かった」という結果が出て、世界に大きな衝撃を与えた。
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「睡眠薬を飲みすぎると認知症になる」は本当か? その実例
現代ビジネス2020.1.3
 眠れないからと、ついつい軽い気持ちで睡眠薬に手を出したばかりに、認知症を発症する――。

実際、本誌が、医師や薬剤師、介護施設のヘルパー、認知症の親を介護する家族などに取材をしたところ、「睡眠薬を飲んでから認知症になった」という実例が次々と出てきて、その数は優に50を超えた。

詳しい事例を紹介する前に、まずは睡眠薬にどのような種類があるのか確認しよう。
病院で処方される睡眠薬は、大きく2種類に分類される。

一つは、冒頭にも紹介したハルシオン、ドラールサイレースなどのベンゾジアゼピン系=「BZ系」。もう一つが、マイスリールネスタなどの「非BZ系」だ。BZ系のほうが、効果が強い反面、副作用も強く出やすい。

BZ系の抗不安薬・デパスソラナックスなどを睡眠薬として、処方されている人もいる。

睡眠薬の使用率は高齢になるほど上昇し、60代では12%、70代で19.2%、80歳以上で24.8%となる。

意外にも女性のほうが使用率が高く、70歳以上の女性では4人に一人が服用している(データは'04年、国立保健医療科学院より。現在はさらに増加している可能性が高い)。