貧困は弱者を襲う。総務省の集計では、未婚だったり、配偶者と離婚や死別したりした35~44歳の単身女性のうち、非正規労働者は67万人(2019年)に上る。ひとり親家庭の相対的貧困率は2018年には51.4%と、2世帯に1世帯が相対的な貧困の生活水準となり、内、ディープ・プアが13.3%と言われる。直近の30年間で母子世帯数は1.5倍に増え、その80%以上が就業しているにもかかわらず、非正規の場合平均年間就労収入は約133万円とされる。この問題は自己責任では決して片づけられる問題ではない。親の貧困は子供の貧困に連鎖する。今日、日本の子供の貧困は7人に1人で約280万人いるという。未来のない社会が広がっている。
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ハラスメント被害も…就職氷河期、非正規シングルマザーの困窮「どうしようもない」
西日本新聞2020.2.12
 バブル崩壊を受けた「就職氷河期」に社会に出た非正規雇用のシングルマザーの多くが、生活に苦しみながら子育てを続けている。新卒当時は就職難で、出産後は育児との兼ね合いで職種が限られ、正規雇用がかなわなかった。国が就労支援を打ち出す30代後半~40代の就職氷河期世代の中でも、仕事や子育て、老後の不安を強く感じている。

 総務省の集計では、未婚だったり、配偶者と離婚や死別したりした35~44歳の単身女性のうち、非正規労働者は67万人(2019年)に上る。統計がある13~18年は70万~80万人。シングルマザーも含まれ、正規雇用の難しさが浮かぶ。

背景には就職氷河期の採用控えに加え、同じ時期に進んだ労働政策の規制緩和がある。1990年代以降の労働者派遣法改正で派遣労働の対象業務が増え、企業は有期雇用も拡大。非正規雇用が増えていった。
出産による退職で途切れるキャリア。結婚している間、収入を抑えて働いた方が税金や社会保障の負担が軽くなる制度。シングルマザーの困窮は、女性が十分な職歴を積みにくい社会環境も大きな要因だ。

母子家庭を支援するNPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ・福岡」(同市)の大戸はるみ理事長は「事業主は雇用と収入を安定させ、行政は子どもが病気になった際の病児保育や看護休暇などの支援を手厚くすることが必要になる。何より子どもが病気の時、心置きなく看病できることが理想。シングルマザーが生計を立てる難しさを理解してほしい」と語る。