新型コロナは日本の地域医療体制の脆弱さを露わにした。これまで地域医療は中核病院を中心とし、地域病院との連携のもとエリア診療圏を形成してきたが、今回のように新型感染症が出た場合に、その中核病院がやられてしまうと全体が医療崩壊を起こす可能性が大きいことが顕著であることが分かった。これまでの少子高齢化に対応するためだけの医療再編ではこのような事態に対処できないことが明らかになってきた。災害しかり、感染症しかり、いざというときの為のリスクヘッジを考えねばならない。検査体制どうするか、発熱外来の設置をどうするか、一時的な病床不足を何でカバーするのか。我々は突然の災害に対してシミュレーションを日ごろから行いリスク管理を行わねばならない。全国には医療再編で廃止になった病床が山ほどあるのである。新型コロナは改めて地域医療の在り方を問うている。
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『地域医療の危機』新型コロナで“中核病院”閉鎖…近隣病院「看護師増員・ほぼ満床」
毎日放送2020.3.19
 北播磨総合医療センターが救急の受け入れを中止して以降、地域病院での患者が急増しています。西脇市の市立西脇病院では、夜間に救急の受け入れが増えたため、看護師を増員するなどの対応を取っていて、現在、病室はほぼ満床の状態だといいます。

 「病床としてはほぼ満床に近い状態になっています。小野方面からの受け入れ数は増えています。患者さんのケガの程度、病気の程度にもよるが、どうしてもここじゃないといけない患者についてはベッドをやりくりして入院して頂きます。」(市立西脇病院 長谷川広幸総務課長)

 中核病院の中止でバランスが崩れる「地域医療」。北播磨総合医療センターは3月26日に再開される見込みです。