年間の自殺者の数が約2万人に対して高齢者の孤独死は3万5千人~4万人、全死亡者数の約3%を占めると言う。後20年後には高齢者単身世帯は現在の700万世帯から900万世帯に増加し、内約320万人が自分の家を持たない状況が予測される。高齢者の孤独死は高齢者の住宅問題と併せて、重大な社会問題である。しかし、その対応は何と遅れていることか。
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孤独死時代へまっしぐら? ”予備軍”の高齢単身世帯は2040年には900万へ
Yahoo!ニュース2020.3.28
 内閣府の「平成30年版高齢社会白書」によると、平成28年(2016年)の東京23区内の65歳以上一人暮らし死亡者のうち、自宅での死亡者数は3,179人となり、過去最高を記録しました。平成15年が1,451人だったので、13年間で2倍超に増加したことになります。

この東京23区内の孤独死データを基にすると、全国では3万5千人~4万人の高齢者が孤独死で亡くなっていると推察されます。平成30年(2018年)の全国における自殺者(全世代)が約2万600人であることを考えると、孤独死の多さが理解できましょう。誰にも看取られることなく亡くなる人は、決してめずらしくない時代になったのです。

ちなみに、平成28年の全死亡者数は約130万人だったので、高齢者による孤独死の割合は3%前後と推測されます。恐らく、直近では3%を大きく超えている可能性が高いと考えられます。

2040年の高齢単身世帯数は約900万へ増加

さて、前述した「日本の世帯数の将来推計」によれば、65歳以上の単身世帯数は、

 ・2015年実績:625万世帯(32.6%)
 ・2020年推計:703万世帯(34.0%)
 ・2030年推計:796万世帯(37.4%)
 ・2040年推計:896万世帯(40.0%)
と予測されています。

老後の住居は民間賃貸頼み?

そこで問題になるのが、孤独死を迎える自宅が持家なのかどうかということです。現在、日本の持家比率は約61%(全世代平均)ですが、過去の推移から見ても今後の大幅上昇は期待し難い状況にあります。仮に、前提条件を甘くして、この持家比率が65%まで上昇したとしても、2040年には約320万人の高齢者が自分の家を持たない状況になります。

賃貸住宅では“孤独死リスク”が大きな壁に

しかし、一人暮らしの高齢者に貸すことを躊躇(ちゅうちょ)する家主は多いでしょう。仮に連帯保証人がいたとしても、いわゆる“孤独死リスク”があるからです。