新型コロナ対策マスクは市場に出回り始めたが、今度は消毒用エタノールの医療機関への優先供給制度で問題が発生。契約していないのに代金引き換えで高額な消毒薬が届くと言うトラブルが各地で発生している。必要量調査がいつの間にか発注書に、しかも製造元や商品名、価格、配布時期が示されていないというずさんなもの。不良品が相次いだ布マスク配布と同様、政府のずさんな対応に医療機関の怒り当然である。
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<新型コロナ>マスクの次は消毒液 政府、医療機関にずさん供給
東京新聞2020.5.23
 新型コロナウイルスの影響で政府が始めた消毒用エタノールの医療機関への優先供給制度で、契約していないのに代金引換で消毒液が届くトラブルが各地で多発している。普段、使用する消毒液の数倍の価格を請求された例もあり、購入を拒否する医療機関も。厚生労働省は「急ピッチでやる中で、連絡ミスなどが起きた可能性がある」と認め、現場からは「不良品が相次いだ布マスク配布と同じで、ずさんだ」という声が上がる。 (三輪喜人)

政府は三月中旬、医療機関や高齢者施設などに消毒液を優先供給する枠組みをつくった。都道府県から各地の保健所、医師会を通じて必要量を調べ、政府の要請で、メーカーが各医療機関に直接配送する仕組みだ。

 しかし、厚労省から都道府県、各保健所、医師会、医療機関へ伝達をするうち、注文や契約を確認しないミスが各地で発生した。厚労省の担当者は「発注などは都道府県の裁量で行うため、行き違いがあったかもしれない」と話した。

 都の担当者は「要望調査がすなわち発注のつもりだった。市区町村には発注の確認を依頼していた」。世田谷区医師会の担当者は「要望と注文確認の計二回、区内の医療機関にファクスを送った」と説明した。

 しかし、ファクスに「発注」などの表記はなく、注文確認は曖昧で、契約とはいえないものだった。区医師会には、高額な消毒液が突然届いたといった問い合わせや苦情が何十件もきているという。