今まであっても不思議ではない介護人材の新しい就労システムが注目を浴びている。資格はあるが現在は働いてない。こういった人を対象にした介護人材のシェアリングサービスが登場した。今年1月に始まった「カイスケ」である。仕事探しから給与の受け取りまで、スマホ画面で完結するのが特長で、登録できるのは、介護職員初任者研修をはじめ何らかの介護資格を持っている人に限られるが、1日だけ、数時間だけという単発の求人が多い。気軽に働けることもあり登録者が増えている。少しでも長い時間働いて欲しい介護現場ではあるが、例え単発でもニーズはあるであろう。今後このモデルが拡大するか注目である。もしかして介護の在り方が変わるかもしれない。
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介護業界で話題!勤務スタイルが自由に選べるシェアリングサービスとは?
ダイヤモンドオンライン2020.5.28
 資格はあるが働いてない
介護業界に未就労者が多い理由

 今、介護業界の人材不足が大きな問題になっている。

 厚生労働省の調査によれば、日本国内における65歳以上の高齢者は5年後には3677万人(現在3619万人)、75歳以上の後期高齢者は2180万人(現在1872万人)にまで増加すると予想されている。

 そのため、2025年度末までに新たに約55万人の介護人材を確保することが急務になっている。確保できない場合は、介護崩壊も免れない状態だ。

 世界に類を見ない超高齢社会の日本にとって介護の担い手不足は、いまや最大の問題と言ってもいい。

 人材不足とはいえ、介護の資格を持つ人は多い。国家資格である介護福祉士の登録者は全国で169万4630人(2020年3月末、公益財団法人社会福祉振興・試験センター)。これに介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)や介護職員実務者研修の資格保有者を足せば相当な数になる。

 にもかかわらず、なぜ人材不足になっているのか?

 そこには2つの理由がある。介護職は体力的にきつい仕事だが、それに見合った報酬が支払われていないのが、第一の理由だ。介護職には女性が多く、家庭の事情でフルタイムで働けない人も多い。訪問介護ならば短時間勤務もできるが、1人で作業をする場合が多く重責を背負わされる。勤務スタイルの柔軟性が低いこと、これが第二の理由である。これらの理由で、未就労者が多いのだ。

 資格はあるが現在は働いてない。こういった人を対象にした介護人材のシェアリングサービスが登場した。今年1月に始まった「カイスケ」である。

 これは介護業界初のワークシェアサービスである。仕事探しから給与の受け取りまで、スマホ画面で完結するのが特長だ。登録できるのは、介護職員初任者研修をはじめ何らかの介護資格を持っている人に限られるが、1日だけ、数時間だけという単発の求人が多い。気軽に働けることもあり登録者が増えている。