緊急事態宣言解除で気が緩むなか、介護関係においてもこのまま新型コロナは終息するのではないかとの甘い見方があるが、決して油断ができない。日本では新型コロナ感染死者の14%が高齢者施設と言われているが、世界ではノルウェーが64%、カナダが57%、ベルギーとフランスが49%、アメリカで42%と半数超を占めている。ミネソタ州では81%が介護施設の入居者とのこと。日本でも札幌市老健「茨戸アカシアハイツ」にみられるように一歩間違えば、ほぼ全員が感染してしまう危険をはらんでいる。まだ安心はできない。
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新型コロナによる死者、半数超を介護施設の入居者が占める国も
Forbes JAPAN2020.5.28
 新型コロナウイルスの感染拡大が世界中に及ぼした影響、なかでも各国の介護施設にもたらした影響は、まさに恐ろしいという以外の何ものでもない。

ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの研究チームは4月中旬、各国の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による死者のうち、介護施設の入居が占める割合についての調査結果を発表した。

その報告書によれば、COVID-19に感染し、死亡した人のうち介護施設で暮らしていた人が占める割合は、ノルウェーが64%、カナダが57%、ベルギーとフランスが49%だった。

米カイザーファミリー財団(KFF)が新型コロナウイルスの感染状況について公開しているデータは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が、米国内の最も被害を受けやすいコミュニティーにどれほど壊滅的な影響を及ぼしたかを示している。

5月21日の時点で、米国では43州にある7732カ所の介護施設で、感染者が確認されている。その数は合わせて17万4381人。これらの介護施設での死者数は3万5118人で、米国全体のCOVID-19による死者数の42%を占めていた。

この数だけでも、衝撃的かもしれない。だが、国内の一部の地域では、死者数はさらにこの2倍近くにのぼっている。KFFによれば、ミネソタ州でCOVID-19により死亡した人のうち、81%が介護施設の入居者だった。