日本共産党が6月4日に発表した感染抑止と経済・社会活動の再開を一体的にすすめるための提言に賛成です。他の政党もこれくらいの提言をしっかりと国民と政府に向けて提言すべきだと思います。主な3つの提案についてご紹介をしておきます。
(1)積極的な検査戦略に転換し、経済・社会活動再開のもとでの感染拡大を抑止する
(2)医療崩壊を起こさない……医療、介護・福祉施設への財政支援を抜本的に強化する
(3)削減されてきた保健所、地方衛生研、国立感染研の体制強化に踏み出す。感染症対策を総合的に取り組む疾病予防管理センター(日本版CDC)を構築する
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医療・検査の抜本強化、くらしと営業を守り抜くために――
感染抑止と経済・社会活動の再開を一体にすすめるための提言

2020年6月4日 日本共産党
(1)積極的な検査戦略に転換し、経済・社会活動再開のもとでの感染拡大を抑止する
 安心して経済・社会活動を再開していくうえで、感染者を早期に発見し、症状に応じた医療と隔離を行う必要があります。そのためには検査のあり方を根本から見直し、大規模に行える体制を整えることが必要です。

 日本の人口当たりPCR検査数は、諸外国に比べてけた違いの少なさです。(韓国は日本の8倍、米国は14倍、欧州諸国は20~30倍)
 広島、岩手、愛知など18道県の知事が、感染拡大を防止しながら経済・社会活動を正常化する「緊急提言」を発表し、これまでの「受動的な検査」から「感染者の早期発見・調査・入院等による積極的感染拡大防止戦略への転換」を提言しています。「ごく軽症も含むすべての有症者やすべての接触者への速やかな検査を行う」とともに、症状の有無にかかわらず医療・介護・福祉施設の従事者および入院者・入所者などに対して優先的に検査を行うことを求めています。これまでのように強い症状があらわれた有症者に限定して受動的に検査を行うのではなく、無症状者も含めて検査対象者を適切かつ大規模に拡大し、先手を打って感染拡大を防止しようというものです。そのためにPCR検査の検査能力を現在の2万件から10万~20万件に引き上げるとしています。

(2)医療崩壊を起こさない……医療、介護・福祉施設への財政支援を抜本的に強化する
日本病院会など3団体の調査によれば、コロナ患者を受け入れた病院は、4月は平均1億円の赤字です。大学病院の調査でも全国の80病院で年間5000億円もの赤字になります。直接コロナ患者に対応していない病院・診療所でも大規模な受診抑制によって経営危機が深刻化しています。東京保険医協会の調査では、4月、93%の診療所が収入減を訴え、そのうち30%を超える診療所が5割以上の減収です。

 病院・診療所の経営難による「医療崩壊」を起こしてはなりません。

 2次補正予算案で、コロナ対応の医療機関に1・2兆円規模の財政支援を行うとしていますが、速やかに現場に届けねばなりません。一方、非コロナ医療機関、地域医療の経営危機に対する財政支援はまったくありません。地域の診療所が倒産・閉鎖が相次ぐようなことがあれば国民の命と健康は守れません。コロナ対応の医療機関と非コロナ医療機関は、役割分担を行って日本の医療を支えているのであり、その全体の経営を守り抜くための財政支援を行うことを強く求めます。

(3)削減されてきた保健所、地方衛生研、国立感染研の体制強化に踏み出す。感染症対策を総合的に取り組む疾病予防管理センター(日本版CDC)を構築する
 この間、エボラ出血熱、エイズ、SARS、MERS、新型コロナウイルスなど毎年のように新興感染症が発見されています。感染症への取り組みの強化は人類的な課題です。

 ところが自民党政治のもとで、医療費削減・社会保障費抑制が続けられ、わが国の保健・公衆衛生の体制は、大きく弱体化してしまいました。保健所は、この30年間で約半分に減り、職員定員は7000人も減らされました。地方衛生研究所の予算・人員も、国立感染症研究所の予算・人員も、連続的に削減されました。

 新型インフルエンザを総括した2010年の政府報告書では、「国立感染症研究所や検疫所、地方自治体の保健所や地方衛生研究所を含めた感染症対策に関わる危機管理を専門に担う組織や人員体制の大幅な強化」が提言されましたが、実際には、公務員削減を優先し、正反対のことをやってしまったのです。

 ――保健所の予算を増やし、人員・体制を緊急に補強するとともに、定員増に踏み出します。

 ――地方衛生研究所、国立感染症研究所の予算・体制を抜本的に拡充します。地方衛生研究所の法的位置づけを明確にし、設置基準をつくります。

 ――感染症発生に対応する専門的機関として疾病予防管理センター(日本版CDC)を構築します