介護現場は介護分野の知識を駆使しながら、介護ロボットという道具を操り、蓄積したビッグデータを分析し、利用者に適した介助を効率的に提供する専門職といったDXを担う職業に変化し始めている。近い将来は「スマートな介護士」が活躍する時代が間違いなく来るだろう・・・確かにそうであろう。しかし、それに見合うだけのコストを国は負担ができるのか?20年経って漸く動き始めた我が国の介護のICT化、いまのままでは間違いなく中国に先行されることになるであろう。とにかく遅い。
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「3K労働」の典型、介護現場で密かに進むDX
Yahoo!ニュース2020.6.30
皆さんは「介護」や「介護士」という言葉を聞いて、どのようなイメージを思い浮かべるだろうか。大変な肉体労働で、給料も高くない──といったネガティブなイメージを持つ方も少なくないだろう。だが、介護の現場ではデジタルトランスフォーメーション(DX)が起きつつある。その主役が介護ロボットの普及だ。

厚生労働省が従来の機械系の介護ロボットだけでなく、見守りシステムや介護記録支援システムなどのICTソリューションについても介護ロボットの定義に追加したことで、国が進める介護ロボット導入促進のための補助金も活用できるようになり、現在は介護施設のICT化が急速に進みつつある。今後は、ICTを活用して効率化を実現した施設に加算をつけるような施策も出てくる可能性もある。

介護現場のICT化が進むことにより、今後は様々な情報が蓄積できると考えられる。国は「科学的エビデンスに基づく介護」を目指しており、厚生労働省が進める有識者会議「科学的裏付けに基づく介護に係る検討会」では、今後蓄積すべき項目などについても議論が進められている。それらを推奨した「介護に関するサービス・状態等を収集するデータベース(CHASE)」と呼ばれるデータセットも取りまとめられ、2020年度より本格運用が開始される予定である。 

介護は「誰でもできる職業」というイメージもあるようだが、介護福祉士は専門技術と知識を持って介護に携わる国家資格であり、介護分野のプロフェッショナルである。また、介護士は相手の状態や気持ちに寄り添いサービスを提供する必要があることから、AIで代替できない職業と言われている。高度な知識とコミュニケーションを組み合わせた技術が要求される仕事のため、自動化、無人化は不可能と言えよう。