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新型コロナ感染、重症化しなくても長く辛い後遺症 医療費膨張のリスクも
Newsweekjapan2020.8.12
各国で「ポストコロナ症候群」
COVID-19に関する研究が続く中、り患した患者に新たな合併症が次々に見つかっている。回復した患者が数カ月、場合によっては数年にも及ぶ長い期間、辛い後遺症に悩み続けるケースもある。そういうエビデンスは相次いでおり、その治療にどれほどの費用が必要になるのか、長期的なコストの研究も医療関係者の間で広がってきた。
ニューヨーク市立大学(CUNY)パブリック・スクール・オブ・ヘルスのブルース・リー氏は、米国の人口の20%が新型コロナウイルスに感染した場合、退院から1年後までに生じる医療費が少なくとも500億ドル(約5兆3000億円)に達すると試算している。ワクチンがなく、人口の80%が感染する場合、そのコストは2040億ドルにまで膨れあがる、という。
米国・イタリアの複数の病院では、後遺症患者専用の治療センターを創設し、フォローアップ治療の標準化を進めている。
こうしたコストが生じるのは、COVID-19が心臓、肺、腎臓など複数の臓器にダメージを及ぼし、定期的なスキャンや超音波検査など高額な医療措置が必要になる可能性が高いこと、さらには、まだ十分に理解されていない神経学的な問題が生じることによるものだ。「JAMAカーディオロジー」誌が行った調査によれば、ドイツにおける45─53歳のCOVID-19患者のグループでは75%以上に心臓の炎症が見られ、将来の心不全の可能性が高くなっていることが分かった。
また「キドニー・インターナショナル」誌による調査では、ニューヨークのある医療法人が対応したCOVID-19患者の3分の1以上で急性腎障害が見られ、15%近くで人工透析が必要になったとされている。
パンデミックの初期の中心地であったイタリア・ベルガモのマルコ・リッツィ医師によれば、ジョバンニ23世病院では600人近いCOVID-19患者の予後について、肺機能の障害が約30%、神経学的な問題が10%、心臓の問題が10%、慢性的な運動能力障害が約9%に見られるという。
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