免疫のできた感染者が壁になり新たな感染を防ぐ集団免疫の獲得を主導してきたスウェーデン方式。しかし、その代償は大きく、多くの高齢者の犠牲が出た。
政府の疫学者アンデシュ・テグネル氏は地元メディアに対し「第2フェーズは検査と感染者と濃厚接触した人の追跡を徹底してクラスター(集団感染)の発生を抑える」と強調する。同国の対策が実は日本より厳格で、テグネル氏自らが検査・接触追跡・クラスター対策の強化を掲げていることからみても分かるように第二波の発生を警戒している。スウェーデンを始め欧州では第1波の死者が高齢者施設から出たことから徹底した高齢者施設対策を強化している。日本は痛い目に遭わなければわからないのか。
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スウェーデンは本当に「集団免疫」を獲得したのか 第二波におびえる日本の対策はそれより緩い
Yahoo!ニュース2020.8.11
<最悪期に115人に達した1日の死者はゼロに>
[ロンドン発]新型コロナウイルスのワクチンや治療薬の開発は長期戦になると踏み、ひたすら「集団免疫」の獲得を目指して緩い対策をとってきた北欧スウェーデン。最悪期に115人に達した1日の死者数がゼロになる日もあり、光明が見えてきた。【木村正人・在英国際ジャーナリスト】

100万人当たりの死者数を欧州の主要国や北欧諸国、日本と比べると次の通りだ。第一波を乗り越えた段階でスウェーデンは隣接する北欧諸国や日本に比べ、一桁も二桁も多い犠牲を出してしまった。

【北欧諸国や日本との比較】スウェーデン 570人デンマーク 106人フィンランド 60人ノルウェー 47人アイスランド 29人日本 8人

免疫のできた感染者が壁になり新たな感染を防ぐ集団免疫の獲得を主導してきたスウェーデン政府の疫学者アンデシュ・テグネル氏は地元メディアに対し「第2フェーズは検査と感染者と濃厚接触した人の追跡を徹底してクラスター(集団感染)の発生を抑える」と強調する。<いつの間にか対策を強化していたスウェーデン>異端の「集団免疫」戦略で欧米メディアに激しくたたかれたスウェーデンより日本の方が緩い社会的距離政策をとっていたとは恥ずかしながら知らなかった。

スウェーデンと日本のパンデミック対策の厳格さは下のグラフが示す通り、緊急事態宣言の解除後は日本の方が緩くなっている。

<カギを握る高齢者介護施設対策>スウェーデンの死者は5763人。内訳は90歳以上1501人、80~89歳2392人、70~79歳1241人と70歳以上が死者全体の89%を占める。欧州で被害が拡大した理由の一つに介護施設での対策が不十分だったことが明らかになっている。英ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの調査ではコロナ死者全体に占める介護施設入所者の死者はベルギー64%、フランス49%、スウェーデン47%、英イングランド・ウェールズ41%。介護施設での死者で見た場合、スペイン68%、ノルウェー59%、フィンランド45%となる。

日本では共同通信が5月に実施した自治体調査で介護施設での死者はコロナ死者全体の約14%だったことが分かっている。介護施設でのクラスター発生を防げていたら欧州の死者数は大幅に抑えられていた可能性が高く、欧州各国とも介護施設対策を強化している。