何か違和感を感じて仕方なかった。厚労省がコロナ禍でも介護保険サービスの続行を全国の自治体に伝えたことである。どこの施設もコロナ感染を防ぐために外出規制や面会制限を行っている。それは厚労省も求めていたことである、しかし、今回、不当な制限は設けるべきではないとする通達を出したのである。この二律背反する通達は何か、福祉ジャーナリストの浅川氏の報告でその背景が分かった。サ高住最大大手のSOMPOケアが打ち出した感染防止の為の「外出制限」に端を発しているということである。サ高住や住宅型有料が外部利用サービスのデイやリハビリ等についてコロナ禍を利用して囲い込みをすることを牽制しての通達とみられる。外付けサービスの「囲い込み」問題というサ高住や住宅型有料の根本的な問題を曖昧にし、このような通達は出す。姑息としか言いようがない。
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厚労省がコロナ禍でも介護保険サービスの続行を要請する理由
浅川澄一:福祉ジャーナリスト(元・日本経済新聞社編集委員)
ダイヤモンド・オンライン2020.9.17
新型コロナウイルス感染症の流行で外出自粛が求められている中、厚労省は介護保険サービスでの外出には「不当な制限」は設けないように全国の自治体に伝えた。日常生活の維持や心身の向上を目指す高齢者には、介護保険サービスは必要との判断からだ。

 高齢者の住まいとして急拡大している住宅型有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の事業者の中には、入居者に在宅サービスの利用を制限し、外出を妨げているケースがある。

そうした動きに対して厚労省は9月4日、「有料老人ホーム等における入居者の 医療・介護サービス等の利用について」とする地方自治体向け通知で、「新型コロナウイルス感染の懸念を理由に介護保険サービスの利用を制限することは不適切である」と指摘した。この通知では、続けて「(介護保険サービスなどを)不当に制限することのないよう、改めて管内の有料老人ホーム等に対して周知をお願いします」と記し、管轄の自治体に指導を要請。記された「有料老人ホーム等」の「等」には、サ高住を含む。

この通知は、コロナ禍への政府の対策として大いに注目される。感染者は減少しつつあるが、高齢者が感染すると重症化しやすいと言われる中で、介護保険制度の利用は「続けるべきである」という判断を下したからだ。自粛、締め付け一辺倒のコロナ対策からの重要な政策転換のひとつともいえるだろう。

その「外出制限」を行っている事業者のひとつに業界大手のSOMPOケアが挙げられるだろう。保険事業を中核にしたSOMPOホールディングスグループの一員だ。北海道から九州まで全国にサ高住を132棟、7678室運営する。居室数では全国第一位の事業者である。

認知症のケアには、家族や知人、友人との談笑など交流をはじめ、散歩や仲間との体操などで運動量を増やしたり、趣味サークルでの活動などは欠かせない。いずれも外出が出来てこそ実現される。

 外出規制は、特養や有料老人ホーム、グループホームなどにも及んでいる。家族や知人の面会禁止も続いている。移動の自由という憲法で謳う基本的人権が奪われている状況からの早期の「離脱」が望まれる。