自然死














訪問医療を推進し、これまで2000件を超える看取りを行ってきたホームオン・クリニックつくば院長の平野国美先生の「生き尽くした末の自然な死は苦しくない」というお話に納得です。それでも最後は何らかの医療や看護、介護のお世話にならねばならない。本日も東京で生まれ故郷の北海道で介護から医療まで含めた高齢者施設
を作りたいと言う企業オーナーのお話を医療関係者と一緒に聞くことができた。オーナーの母親と奥様を最後まで看取ることのできる施設を希望されている。平野先生が言われるように精一杯生きた方々の最後を医師と看護、介護で看取ることのできる理想的な施設をオーナーと一緒に作ってみたい。
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看取りの専門家「生き尽くした末の自然な死は苦しくない」
auone.jp2020.12.14
 老親がそう遠くない未来に迎える最期のとき。家族にとっては寂しいことだが、必ず訪れる人生のゴールで、親が有終の美を飾る瞬間だ。恐れや悲しみに暮れることなく、心穏やかに見守りたい。
そのためにも、人の死がどのように訪れるか、どんな準備が必要か、知っておくことが大切だ。訪問医療を推進し、これまで2000件を超える看取りを行ってきたホームオン・クリニックつくば院長の平野国美さんに聞いた。

生き尽くした末の自然な死は苦しくない
「実は、自然な死の間際には苦痛はほとんどなく、むしろ夢見心地のようになります。それは死に向かうときに現れる3つの現象によるものといわれています」

まず寿命が近づいてくると食べなくなる。体内に炎症性の物質が増えて食欲もなくなり、消化のためのエネルギーも乏しくなる。すると体内にケトン体と呼ばれる物質がたまる。ケトン体には多幸感が得られる作用があるのだ。また、呼吸が浅くなるため二酸化炭素がたまり、意識障害を起こす。いわば天然の“麻酔”状態だ。

 そして極めつきは「エンドルフィン」。苦痛から解放するために生理的に分泌されるもので、ランナーズハイと同じ状態。幻覚作用があり、亡くなった人がお迎えに来たり、花畑や三途の川を見たりするというのも、この脳内麻薬のせいだといわれている。

「これは、命を生き尽くした末に訪れるもの。がんや心・肺疾患、認知症などきっかけになる病気があっても、それらにより生体が衰弱して、最期は同じ境地に至ります」

「いずれにしても高齢の親をもつご家族は、ある段階で健康の維持・向上から、『看取り』を見据えた医療と向き合う必要があります」