地域包括ケアシステムはどこまで有効なのか?地域包括ケアシステムのモデル事業「柏プロジェクト」(千葉県柏市)に関わっておられる辻哲夫氏が「地域包括ケアシステムは低所得の高齢者こと有効な仕組みとなり得る」と語っている。地域包括ケアシステムの根幹について「みんなの介護」さんと議論をしている。そのポイントは人的ネットワークの構築であるとする意見は大変重要である。更にもう一つ付け加えるとその人的ネットワークを構築するプロの職業「ライフプロデューサー」の存在が極めて重要なのである。我々はその「ライフプロデューサー」を目指している。
ライフプロデューサー
















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地域包括ケアシステムは低所得の高齢者にこそ有用な仕組みとなり得る -
「賢人論。」132回(中編)辻哲夫氏
BLOGOS2021.2.18 
厚労省の官僚時代、37年にわたって老人福祉や医療の問題に取り組んできた辻哲夫氏。現在は東京大学高齢社会総合研究機構の客員研究員として、地域包括ケアシステムのモデル事業「柏プロジェクト」(千葉県柏市)に携わっている。柏プロジェクトとはどのような事業なのか。近年問題になりつつある高齢者の貧困と併せて話を伺った。  

地域包括ケアシステムの構築は、市町村行政にとって新しく難しい事業であることも実感しています。この仕事は、高齢者施設という箱をつくって終わり、ではありません。それぞれの地域において、行政はもとより、医療・介護・福祉関係者・地元事業者・地域住民など多様で多彩な人々と、信頼をベースにしたネットワークを築き上げていかなければなりません。  

構築すべきは、地域包括ケアシステムという「システム」です。システムは「仕組み」ですから、標準化が必要。その都市型の標準モデルの一つが「柏プロジェクト」です。システム構築までのプロセスを書籍『地域包括ケアのまちづくり』ですべて公開しています。   

地域のサービスで貧困状態にある高齢者を支える   
みんなの介護 2040年には、わが国の85歳以上の高齢者数が1,000万人に達すると試算されています。さらに、貧困状態にある高齢者も増加の一途を辿っています。2016年度から2018年度の2年間を切り取ってみても、生活保護を受給している高齢者世帯が約2万世帯以上増えたそうです。この現状を踏まえて、どのような施策が有効だとお考えですか。 

はじめに言っておきたいことがあります。それは、「日本の年金制度は国がつぶれない限り破綻しない」ということ。厚生年金や共済年金といった被用者年金は、それなりの水準の年金が出ます。問題は、低年金・無年金の高齢者が存在していることです。この点についてはこれまで随分議論されてきましたが、年金制度だけで答えを出すのには限界があるといえます。生活保護制度が必要な場合は、しっかりとそちらで対応する必要がありますが、それだけでは無理です。

みんなの介護 状況はやはり厳しそうですね。  

低年金・無年金の高齢者にとっての最大の問題は、居場所がなくなるということです。都市部は有料介護施設の利用料が高く、低所得者も入居できる特別養護老人ホームの新設は抑制傾向にあります。  

在宅医療・看護・介護のシステムが地域全体にきちんと構築され、生活支援のネットワークができている地域であれば、低年金・無年金の人であっても、賃料の安いアパートなどに住み続けながら、各種サービスや地域の生活支援を受けることができます。例えば、先ほど例に挙げた柏プロジェクトで誘致されたような拠点的な在宅サービスがあれば、賃料の安い団地やアパートで暮らしつつ、24時間対応の在宅ケアサービスを受けながら住み慣れた地域で過ごすことが可能になります。  

また、地域の見守り等の生活支援も活用できます。これまでずっと論じてきた地域包括ケアシステムは、むしろ所得の低い高齢者にとって有用なシステムと言えるかもしれません。  

みんなの介護 逆の言い方をすると、人的ネットワークさえうまく構築できれば、地域包括ケアは自然とうまくいくのかもしれませんね。  

そう思います。最終的には、若い人や高齢者、あるいは障がいのある・なしにかかわらず、お互いに人としての尊厳を尊重し合える地域共生社会を目指しているのです。その結果として、みんなにとって暮らしやすい空間ができるはずです。特に重要なのは、高齢者や障害者など困りごとを持った人を孤立させないこと。  

そして、何らかの形で社会との接点をキープし続けることは、介護予防、認知症予防にもつながる。そのような視点からあえて言えば、それぞれの地域に有用な地域包括ケアシステムを構築することは、日本という国の形をデザインし直すことにつながると考えています。

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コンサルとしては、長年にわたる経験から、時代を先取りした”未来”をお届けするものです。介護報酬の改定やいろいろなリスクを勘案し、行政申請から内部監査、予算の見直しまで含めた総合的なものスポット的なものを取り揃えております。
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