精神科病床 認知症













コロナは日本の医療体制の問題点を次々に明らかにした。精神科病院でもクラスター発生も転院先なく、孤立化が深刻と報道されているが、その背後に精神科病院に収容されている高齢者と認知症患者の深刻な状況が伺える。

 日本精神科病院協会(日精協)の調査では、精神科病院に入院中に感染が確認された約1000人のうち約6割がコロナ治療のための転院ができなかったことが判明している。又、1月に日精協会員1192病院にアンケートを実施し、524病院が回答。114病院で1012人のコロナ患者が出たが、631人が転院できなかったといわれる。相当の規模で精神科病院でクラスターが起きていることが伺える。

 この問題を掘り下げてみると更に深刻な状況が見えてくる。行き所のない認知症高齢者が精神科病院でコロナに感染し、転院できずに病棟に閉じ込められている姿が浮かんでくるのである。精神科病院では高齢化が進み、入院患者全体の約6割が高齢者で、全体の4割弱が後期高齢者(15年前と比べて1.4倍)となっている。

 更に、統合失調症による入院患者数は薬の開発により徐々に減少傾向にあり、平成14年から平成29年の間に約5万人減少して、15.1万人となっているが、認知症(アルツハイマー病)が約 5 万人となり 15 年前と比べ約 2.6 倍に増加している。2020年段階では既に8万人となっており、厚労省は2026年には9万2000人に達するとの将来推計を出している。

 現在の精神科病棟の入院患者は約28万人、このままでは精神科病床の3分の1は認知症患者で占められることになる。精神科病院は今や、高齢者の長期入院施設となっており、更に、認知症高齢者が増加が顕著なのである。

 日精協は“認知症860万人時代の到来を睨んで、その5%は精神科病院への入院が必要な症状が出るから、認知症高齢者で精神科病床を埋めていこう”と言っている。空いた精神科病床を認知症高齢者で埋めようとする動きが顕著なのである。この流れは果たして国民に受け入れられる内容なのか?

精神科病院に入院している認知症患者の半数は在宅でも生活できる人という説もある。グループホームや認知症を専門的に受け入れる介護施設が不足しているのである。医療制度見直しの際に国民的議論が必要な内容と考えられる。
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クラスター発生も転院先なく…精神科病院が孤立
産経ニュース2021.4.4  
新型コロナウイルスの感染拡大は、精神疾患や認知症など、感染対策に困難さを伴う患者に対する医療提供にも課題を突き付けた。精神科病院ではクラスター(感染者集団)が起きても患者の転院先が見つからず、孤立を余儀なくされた。「支援態勢が構築されなければ、何もできずに患者を看取る状況が生まれかねない」。リバウンド(感染再拡大)の脅威が漂う中、関係者には危機感がにじむ。(三宅陽子)   

 重症化リスクのある高齢の感染患者が多かったが、同病院に内科の常勤医は2人しかおらず、人工呼吸器など容体急変に対応できる設備もない。治療設備の整う病院に転院させようにも受け入れ先が見つからず、死亡する患者も出た。第3波で県内の医療機関も逼迫(ひっぱく)したことに加え、精神科の患者は「手がかかる」と先入観を抱かれがちなこともネックとなった。  

患者6割が転院できず  
日本精神科病院協会(日精協)の調査では、精神科病院に入院中に感染が確認された約1000人のうち約6割がコロナ治療のための転院ができなかったことが判明。精神疾患が理由との回答が複数あり、死亡事例も報告された。日精協の会員病院30以上でクラスターが発生、受け入れ先の病院も対応に苦慮したという。   

日精協は1月に会員1192病院にアンケートを実施し、524病院が回答。114病院で1012人のコロナ患者が出たが、631人が転院できなかった。内訳は軽症499人、中等症92人、重症1人。無症状も39人いた。「(転院できず)3人が亡くなった」などの報告も寄せられた。  

精神科の医療体制が脆弱(ぜいじゃく)な地方はより深刻で、東北地方の精神科医は「公立病院の受け入れ強化を求めてきたが、思うようにいかない」と打ち明けた。

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