生活保護の親族照会問題が又、一歩前進した。皆が一斉に扶養照会の問題を指摘し、声をあげたのが大きい。
厚労省は4月1日付で扶養照会を拒む申請者の意向を尊重するよう求める通知を自治体に出した。
これまで申請する当事者の意向は確認の対象になっていなかったということから、あえて厚労省が申請者の意向意を尊重するように求める通知を出したことは評価できる。今後は申請当たって、申請者の意向を確認するステップが求めらることになる。一定の歯止めにはなるかもしれない。その上で関係者は「申請者が事前に承諾した場合に限ることを要望しており、このレベルまで行ってほしい」と、一層の改善を厚労省に求めている。これが当面のゴールである。
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生活保護、「親族照会」は申請者の意向尊重を 厚労省が新通知、支援団体「大きな前進」
東京新聞2021.4.9  
 生活保護を申請すると、自治体の福祉事務所が申請者の親族に援助ができないかどうか確認する「扶養照会」について、厚生労働省は照会を拒む申請者の意向を尊重するよう求める通知を自治体に出した。通知は1日付。新型コロナウイルスによる困窮者の増加に対し、扶養照会のため「家族に知られたくない」と生活保護の申請をためらう人が多く、批判が出ていた。支援団体は新通知を「満点とは言えないが大きな前進」と評価している。

  福祉事務所の職員が実務で参照する生活保護手帳別冊問答集に「要保護者が扶養照会を拒んでいる」場合には「その理由について特に丁寧に聞き取り」を行って、親族が「扶養義務履行が果たせない者」に該当するか否かという観点から検討するよう求めた。  

弁護士や有識者らでつくる生活保護問題対策全国会議の小久保哲郎事務局長は「これまで申請する当事者の意思は確認の対象になっていなかった。不要な扶養照会を相当減らせる」と指摘。その上で「われわれは申請者が事前に承諾した場合に限ることを要望しており、このレベルまで行ってほしい」と、一層の改善を厚労省に求めた。