身元引受事業を巡るトラブルが絶えないという。その問題点と、今後の対策について検証してみたい。
  
「おひとり高齢者の身元保証、サービス続々 トラブルも」 - 日本経済新聞 (nikkei.com)  より 

総務省の調査によれば、特に近年、身寄りのない高齢者の増加に伴い、多くの事業者がこの分野に参入している。ここ5年以内が過半数を超える盛況ぶりである。   

但し、零細、中小事業者が多いために経験不足から様々なトラブルが発生していると指摘されている。主な問題点を列挙すれば次のようになる。 総務省調査概要から課題を引用する。  

1.契約した本人が認知症などになり、判断能力が不十分になった時に財産をどうするのかの規定がない事業者が4割を超えている。ある事業者は「認知症になっても、適切な手続きを取らないで財産を使う事業者もいる」といわれる。
…本人の判断能力が不十分になれば後見契約契約への移行が必要と言われるが、制度の問題点も検証しなければんらない。任意後見から判断能力が不十分となった際に求められる任意後見監督人の選任に及ぶのは僅か5%程度に過ぎないのは何故かを考えねばならない。そこには成年後見人制度が普及しないのと同じ問題点が内在する。この問題点を検証せずに任意後見契約へと誘導しても実効性は期待できない。

問題提起預託金、判断能力が不十分




















2.契約者が亡くなった後、契約したサービスがしっかり実行されたかの担保に関する規定がない事業者は2割を超す。契約の解約時の返金に関する規定も2割超の事業者が設けていない。
…特定商取引に関する法律に定める特定継続的役務提供契約に該当しないが、消費者保護の観点からクーリングオフ類似条項(契約日を含む8日間以内であれば、書面により契約申し込みの撤回を行うことが可能)をもりこむかどうかは要検討。

 契約解約と返金ルール

















 


3.適切な費用がわかりにくい面もある。身元保証、日常生活支援、死後事務を組み合わせて提供する事業者が多いが、そのサービス内容や料金体系はバラバラである。総務省の報告書によれば少なくとも100万円以上かかる事業者も多いという。
…サービス内容とその対価が明確に定められていないのは論外であろう。  

4.契約手続きでの課題も残る。契約に関する重要事項説明書を作成していない事業者が8割を近い。契約を結ぶ際にも、家族やケアマネ、弁護士など第三者の立ち合いが必要な事業者は7割にとどまる。
契約内容に詳細に書かれていれば、重要事項説明書が別途必要とは思わないが、詳細が不明な契約書が多いということであろう。契約を担保するための一つの方法はやはり第三者の立ち合いである。これは避けて通れない。ケアマネ、地域包括、行政、施設管理者等々の立ち合いは重要である。

  契約手続き、重説有り無し



















5.本人が納得していても、親族が「聞いていない」と怒鳴り込んでくることも多いという。確かにこの問題は最近多くなっている。特に相続財産を巡る問題として口出ししてくるケースが増えている。ただ、この場合は相続財産目当てである場合が多い。事業者にとってもリスクが高いのである。
…この分野は相続問題とからんだ争議となる可能性が高い為、弁護士等を入れたリスクヘッジ対策を手厚く対策する必要がある。