成年後見人制度の見直し














法制審に諮問して成年後見制度で検討する項目として、日経新聞によれば次の3点が挙げられている。  
1.利用期間…現行の終身制を改め、期間限定の利用を可能に   
2.利用範囲…現在は財産管理から日常の買い物まで包括的。後見人の同意などによって範囲を 
        絞る
3.交代…支援を必要とする状況に応じて成年後見人の交代を可能に
特に気になる点は次の部分である。   
 「後見人が支援する行為の範囲を限定することも論点となる。いまは日常的な買い物や旅行から財産管理まで包括的な活動が対象となる。必要とする支援の範囲を事前に定めたり、状況によって後見人を交代できたりする制度を導入する案がある。」 「例えば、日常的な行為は本人の決定に任せつつ、財産管理のときは弁護士、福祉施設へ入居する際は社会福祉士に依頼するといった形だ。」
イメージとしては、日常生活支援は社会福祉士等の福祉担当者にさせ、財産や金銭管理は弁護士にさあせる、施設に入院すれば介護士に任せるといったところか?   

よくよく考えれば、従来は全て家族が行ってきたことである。それをを機能別に分割して複数のチームで一人の人のお世話をするとなれば、一体どれだけの人材とコストがかかるというのか? それを誰が負担するというのか?  

その問題を飛ばして、終身制を改める、成年後見人業務は決して日常の買い物までの包括的なものではなないのに、後見人の同意によって範囲を絞るとか、交渉によって交代をさせるようにするといった制度的な部分がテーマになっているようだが、中身が伴わない的外れの感はぬぐえない。   

終身制を外して、必要に応じて必要な期間の後見をすることは可、交代も有り(選択も有り)も可であろう。問題は、「身元保証」「金銭管理」「死後事務委任」をどのように家族に代わり、包括的に、ローコストで行うのか。その包括的サービスをどのような機関、組織にリスクヘッジをさせながら負わせるのか?といった議論がなされなければ意味がない。   

どうも検討が必要だということは皆さんがお分かりであるが、いずれも自分たちがこれまで包括的な支援をしたことがないだけに、象の耳や足を触って全体像をつかもうとしているようにしか見えない。
現在の成年後見制度だけの議論では極めて部分的であり、本質的な解決にはつながらないのではないかと危惧する。 
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成年後見人の一時利用可能に、法制審に諮問 現在は終身
日経新聞2024.2.13  
小泉龍司法相は13日の記者会見で、認知症などの人に代わって財産管理を担う成年後見制度の見直しを15日の法制審議会(法相の諮問機関)総会へ諮問すると表明した。