無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

カテゴリ: 認知症ケア

ドイツで認知症緩和法として「メモリールーム」が注目をされています。日本にも認知症緩和の方法として「回想法」というのがありますが、この回想法を部屋丸ごと使って行おうとするものです。これは良いかもですね。きっと効果があると思います。参考にさせて頂きます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「画期的な認知症緩和法」に注目、ドイツの高齢者介護施設「アレクサ」
東亜日報2019.8.31
 6月末に訪れたドイツ東部ドレスデンの高齢者介護施設「アレクサ」。「メモリールーム」と呼ばれる部屋には、旧東ドイツの誇りだった白い陶磁器の食器やロシアのマトリョーシカ人形などが飾られていた。午前8時頃、高齢の入所者8人がこの部屋に「出勤」した。彼らは、部屋の中央の四角の食卓を囲んで座ったが、話はしていなかった。彼らは重症の認知症を患っていた。ビンテージのラジオから1960年代の放送が流れた。

高齢者約250人が暮らす高齢者介護施設「アレクサ」は、治療のための「メモリールーム」3部屋を作った。この部屋には、入所者が青春時代だった1960、70年代の旧東ドイツ時代の物でいっぱいだ。ウルフラムさんは、「昔、自分がよく使った物に接し、昔を思い出すことができる」と説明した。それらは骨董品市場で購入したり、ドレスデンの東ドイツ博物館から一定期間レンタルしている。「昔の火鉢を持って来ました。入所者たちが若い職員に火鉢の使い方を説明してくれました」。

メモリールームは現地メディアで、「画期的な認知症緩和法」と注目された。ハンブルグなど他の都市だけでなく英国など海外にも同様の施設ができた。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

6月18日に政府が発表した認知症施策推進大綱に疑問を持つのは私だけではありません。相馬中央病院内科医森田 知宏先生が次のように述べています。ご意見に共感します。
当初「認知症患者の6%の減少」と数値目標までついていました。この数値は、5月16日似開催された「認知症施策推進のための有識者会議」で示された数値が根拠となっており、10年間で認知症の発症年齢を1歳遅らせることを目標としている。10年間で有病率が1割低下する計算となるため、6年間で6%の減少、という目算となる。しかし、認知症の予防方法が分かってもいない現在、認知症の発症年齢をどのように遅らせることができるのか不明であり、このように予防方法が確立していない中であえて認知症の予防を政府が掲げることで生まれる懸念が2つある。1つ目は、政府の後押しによってできる利権と競争の歪みである。2つ目は、 予防を煽ることで生まれるコミュニティの断絶だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
政府の認知症予防は危険だらけ
むしろ認知症を進行させ、コミュニティを分断させる恐れも

JBpress2019.8.15(木) 森田 知宏

6月18日、政府は認知症施策推進大綱を発表した。「予防」と「共生」を2本柱の目的として掲げ、高齢社会のなかで認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指すことを目標としているものだ。

ニュースで報道されていたこともあり、私が普段訪問している長屋の高齢者も、「やっぱり認知症に気をつけないと」と語っていた。 しかし、このような感想を聞くたびに、私は高齢者が安心に暮らせる社会から離れていくと感じる。今回の大綱も、本当に認知症患者の希望につながるかは疑問だ。

そもそも認知症の予防方法が確立していない。確かに認知症の予防は世界中で注目されており、2017年には世界保健機関(WHO)が、認知症グローバル・アクションプランを策定し、認知症のリスクを軽減するために生活習慣への介入を推奨している。

 しかし、どのような介入がよいかはエビデンスが確立していない。この大綱でも、認知症の予防に関しては「運動不足の改善」「社会的孤立の解消」「生活習慣病」が挙げられているが、いずれもこの大綱がターゲットと定めている団塊の世代に対して介入することで認知症が予防できるかどうかはまだ結論が出ていない。

まとめると、現在の政府が行っている認知症対策は、将来の成長分野の健全な競争を阻害し、さらに高齢社会の分断を招く危険がある。

 需要のある認知症の予防分野は民間部門の競争に任せ、民間部門では支援できないような高齢者が幸福な生活を送ってもらえるように環境を整備する――。 これが高齢社会での国のあり方ではないだろうか。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

金融機関が時代の要請に漸く追いついてきました。これまで認知症と判断されれば貯金を下ろすくこともできませんでした。意思表示が難しい顧客の資産を管理する信託商品や代理人の使い込みを防ぐため、引き出す金額のレシートを家族が確認できる専用アプリの開発や毎月定額を生活費として受け取ったり、本人の死亡後すぐに、指定した受取人が残余資産を受け取ったりできる金融商品が開発され始めました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
金融サービス、認知症に備え=介護の負担軽減狙う
時事通信2019.8.16
 金融各社が認知症に備えた商品を相次ぎ発売している。意思表示が難しい顧客の資産を管理する信託商品や、事故を起こした際の賠償金を賄う保険などさまざま。介護する家族の金銭的負担を和らげる狙いがある。

第一生命経済研究所によると、認知症患者が保有する金融資産は、2030年に家計の金融資産全体の10%を超える見込み。金融商品の多くは発症すると契約できず、資金も引き出せない。金融各社は「認知症はいつ発症するか分からないので、早めに備えてほしい」(信託銀行)と呼び掛けている。

こうした中、信託銀行では本人の判断で解約できない商品の契約が伸びている。高齢者を狙った詐欺被害を防ぐのが狙いで、お金が必要な場合は親族や弁護士ら代理人が引き出せる。
 三菱UFJ信託銀行は代理人の使い込みを防ぐため、引き出す金額のレシートを家族が確認できる専用アプリを開発。みずほ信託銀行の商品では毎月定額を生活費として受け取ったり、本人の死亡後すぐに、指定した受取人が残余資産を受け取ったりできる。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

認知症患者によるカフェレストランとパン工場、本当に素晴らしい取り組みです。認知症カフェやレストランは聞いていましたが、パン工場までセットとは驚きです。本当にこのようなモデルが出来たことに賞賛を送りたいと思います。認知症患者による農業+レストラン+パン工房と生産という分野も取り入れたいですね。このようなモデルが全国に波及することを期待したいと思います。我々もやりたいです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
働くのは認知症患者 カフェレストランとパン工場を訪ねて
日刊ゲンダイ2019.8.7

 認知症だからという理由で居場所をなくしてしまう人は多いが、ここでは違う。お客さんのために料理をして、接客をこなし、給料をもらう。時折見せる笑顔は自信に満ちている。認知症患者が働く異色のカフェレストラン「かめキッチン」(神奈川県藤沢市鵠沼海岸、運営=NPO法人・シニアライフセラピー研究所)を訪ねてみた。

昨年6月にオープンし、認知症患者たちが毎日、調理(仕入れ担当は健常者)から接客まで行う特異なレストランだ。自分の生年月日が思い出せない軽度から、徘徊や介護なしで生活が営めない重度に近い患者たちがリハビリを兼ねて働いている。

「登録者数は約30人。60代から最高年齢が90歳を越える人もおります。開店から1年が経過しましたが、大きなトラブルはまだ起きておりません」

 こう語るのは、主宰者であるNPO法人の木村由香・広報開発部部長だ。

「かめキッチン」に隣接してパン工場「パン遊房亀吉」もあり、ここでは認知症患者10人ほどが毎日、700個のパンを焼いていた。素材にこだわり、国産小麦粉(北海道の江別製粉)、アンは北海道十勝地区の小倉アン、パンを焼く窯は「溶岩石窯」という本格的なパン工場だ。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

案の定です。政府が認知症対策の新大綱に認知症削減の数値目標を盛り込もうとして、取下げたようです。非科学的な数値目標は官邸が主導する作業の中で立てられたそうですが、緻密な科学的根拠に乏しい目標を掲げることは現場を混乱させるだけです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
政府の認知症対策 緻密な議論が必要だ
佐賀新聞2019.6.15
 70代の発症を10年間で1歳遅らせる。政府は認知症対策の新大綱にそんな「数値目標」を盛り込もうとして、取り下げた。新たな偏見につながるとする反対意見に配慮してのことだという。

 もっとも「参考値」としては残す。運動など発症を遅らせる可能性が示唆される取り組みを推進し、その結果として70代の発症を10年間で1歳遅らせることを目指す、ということだそうだ。

 取り下げた理由も参考値として残す意味合いも、実に不可解だ。偏見を避けたいなら誤解を解けばいいだけだ。根本的な誤りを認めようとしない旧態依然とした姿勢に、改めて危うさを覚える。

 科学的事実はこうだ。認知症を防ぐ方法も進行を止める方法も今のところ、ない。数値目標を立てても達成するすべがないのだ。参考値としてであれ、SFじみた数字を政策に掲げる国は果たして文明国なのか。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ