無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

カテゴリ: 認知症ケア

今年7月下旬、厚労省は認知症の人向けのデイサービスなどに通う人が、利用時間内に地域で有償ボランティアに参加することが可能だとする通知を全国の自治体に出したそうですが、全く気づきませんでした。画期的なことではないでしょうか。東京都町田市のNPO法人「町田市つながりの開(かい)」理事長の前田隆行さんが厚労省等に働きかけ運営するデイサービス「DAYS BLG!(デイズビーエルジー)」(略称BLG)で実践をされておられます。BLGの取り組みに共鳴した人が八王子、青森でも「働く」デイサービスを立ち上げているといわれます。今後全国で広がるのではないでしょうか。
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要介護でも働き続ける 厚労省との交渉で実現した有償ボランティア
アエラドット 朝日新聞出版  2018.11.11
 ある平日の午前11時。自動車販売店「ホンダカーズ東京中央・町田東店」(東京都町田市)に、ワゴン車が到着し、赤いジャンパーを着た男性5人が次々と降りてきた。慣れた手つきでホースから水を6台の展示車にかけると、布で丁寧に拭き上げていく──。

 作業をするのは同市のデイサービス「DAYS BLG!(デイズビーエルジー)」(略称BLG)に通う認知症の当事者たち。月曜から土曜まで入れ替わりで洗車を担当する。

一般的なデイサービスは、食事や入浴などの介護や機能訓練など介護保険のサービスを日帰りで受け、塗り絵や合唱などレクリエーションも楽しめる。自己負担は1~3割で、利用範囲は要介護度によって異なる。

 一方、BLGが提供するのはそうした介護ではなく、「働く機会」だ。働き手でもあるのでここでは「利用者」ではなく「メンバー」と呼ぶ。ほかにも、フリーペーパーのポスティング、野菜の配達、花壇の手入れ、学童保育での紙芝居、子ども会で配るお菓子の袋詰めなど、有償、無償問わず地域からの仕事依頼が増え続けているという。

一般的なデイサービスは、食事や入浴などの介護や機能訓練など介護保険のサービスを日帰りで受け、塗り絵や合唱などレクリエーションも楽しめる。自己負担は1~3割で、利用範囲は要介護度によって異なる。

 一方、BLGが提供するのはそうした介護ではなく、「働く機会」だ。働き手でもあるのでここでは「利用者」ではなく「メンバー」と呼ぶ。ほかにも、フリーペーパーのポスティング、野菜の配達、花壇の手入れ、学童保育での紙芝居、子ども会で配るお菓子の袋詰めなど、有償、無償問わず地域からの仕事依頼が増え続けているという。

介護施設は国の介護保険制度の給付を受けながら運営しているので、要介護(支援)者である人が、報酬を得ることは疑問視されていた。前田さんは、「社会の一員として働きたい」というメンバーたちの声を届けるために、厚生労働省と交渉を重ねて、制度の改善を訴えてきた。

11年から介護保険制度改正で、介護サービスを利用する人でも仕事ができ、対価を受け取ることが認められた。それが、BLG開設のきっかけとなった。

今年7月、厚生労働省は認知症の人の有償ボランティア参加を後押しする通知を出した。背景には「働く」ことが大切なケアの一つだという社会の意識の変化がある。どんな人が「役に立ちたい」思いをかなえているのだろう。
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【老夫婦の詩に心打たれます】妻はトーストを焼く数を毎朝間違え、午前二時に夜道を徘徊(はいかい)する。それでも夫は、心に宝石を宿すと信じて向き合う。「りんごをひとつ/買い物かごに入れる(中略)居住している一室で/皮を剥(む)き八つに切り分け芯を取るその主婦らしさが/嬉(うれ)しくて」

老夫婦の詩
中日新聞2018.10.20

 連れ添った夫婦の時間が行間から染み出すようだった。

 新田泰久さん(87)は認知症の妻と、高齢者住宅の別室でそれぞれ暮らす。その入居前後の日々を「新田泰久詩集 夢の祈り」にまとめ、金沢市の市民文学賞に選ばれた。

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認知症患者の病気やけがの入院では3割が身体拘束を受けていたという調査結果が発表されました。案の定というか、大変残念な結果です。施設でも病院に入院するたびに認知症が重くなったり、ADLが低下して帰ってくるケースが殆どでした。入院中の事故防止という名目で必要以上の拘束がまかり通っています。
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認知症、3割が身体拘束…病気・けがで入院時に
読売新聞2018.10.21

 認知症の人が様々な病気やけがの治療で病院に入院した際、ほぼ3割が身体を縛られるなどの拘束を受けていたとする全国調査結果を、東京都医学総合研究所と国立がん研究センターの研究チームがまとめた。拘束の主な理由は入院中の事故防止だった。

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認知症治療について、その答えはグーグルにはない、認知症本人に訊くべきとのこと。その通りでしょう。認知症は根本的な治療法はなく、薬で進行を遅らせるしかありません。しかし、その進行スピードには人によって千差万別。認知症を機能障害と捉え、それをカバーできる環境があれば決して恐れることはないと言われます。認知症の方々にとってどのような環境が望ましいのか、どのようにコミュニケーションを取るべきかの学習があまりに遅れているのです。介護現場の認知症ケアの暗黙知がいつまでも形式知化していないところに問題の本質があるのではないでしょうか。
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認知症の人達が教えてくれた「障がいがあっても幸せに暮らせる介護」
現代ビジネス2018.10.22

 グーグルに答えはない

認知症は、脳の神経細胞がなんらかの原因によって減少したり、壊れてしまう進行性の病気です。根本的な治療法はありませんが薬で進行を遅らせることはできます。認知症になっても、突然「なにもできなくなる」わけではなく、徐々に認知能力がなくなっていく病気なのです。それならば逆に、進行を遅らせる介護の仕方もあるはずです。

「介護は想像以上に大変」とよく聞きます。それぞれ事情があると思いますが、しかしそれは、認知症に対する誤解から間違った介護をすることで、介護する人とされる人の間に壁を作り、両者の関係を悪化させていることが一つです。

では、これほど情報があふれているのに、なぜ間違った介護をするのでしょうか。

先に結論を申し上げますと、認知症の人の介護は認知症本人に訊くべきなのに、はなから訊いても無駄だと思っているからです。

ドクター・グーグルという言葉があります。

親を介護することになった人のほとんどが、介護経験のない人たちです。それがいきなり介護することになり、はたと困ってしまいます。そこで問題の解決を、グーグルに託して検索するのですが、それでうまくいったという話はほとんど聞きません。

まずネット情報は、それが正しいかどうかは判然としないことがあります。そしてもう一つは、介護のことを知らない当人が、自分に都合の良い情報だけをチョイスして、手当たり次第に実行して、かえって親との関係を悪化させてしまうことです。

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日本の認知症治療はどうして遅れてしまったのでしょうか?昨日もNHKでフランスの「ユマニチュード」よるアイコンタクトの取り組みが紹介されましたが、オランダでも政府主導で新しい認知症の取り組みがなされています。日本では認知症患者が病院に入院するときには30%が拘束されるといいます。2000年介護保険制度が始まった時には全国で認知症研究が盛んに行われていましたが、いつのまにか世界に遅れてしまっています。何故なんでしょう。
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認知症治療 これがオランダ流の新方式だ
ニューヨークタイムズ 世界の話題2018.10.24

認知症は脳機能の急速な衰退に関連した症候群で、記憶や自我が失われる。愛する家族を奪い、忍耐力や資力なども搾り取る。

認知症を患っているオランダ人は27万人――64歳以上の人口320万人の約8.4%――に達しており、政府は今後25年以内にその数が2倍に増えるとみている。

近年、オランダ政府が進めている政策は、認知症の人たちを認可施設に入れるより各家庭で介護することだ。施設は公的資金で民間が運営しており、一般的に重度の認知症状の人たちが入居している。

この国は1990年代以降、医薬治療アプローチとは別の方式による治療法を模索してきた。

「80年代は、病院に入院している患者のように扱われていた」とイルザ・アフターベルクは言う。元作業療法士で、明かりや香り、マッサージ、音などを使って治療をする「スヌーズレン(snoezelen)」の空間を開発した一人だ。そこは、ストレスがかかる診療所の環境から解放され、緊張をほぐし、感情を刺激する。

これは今日、オランダの介護施設の多くで採用されている治療技術の先駆けとなった。

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