無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

カテゴリ: 認知症ケア

認知症相談ナビがノバルティス ファーマ株式会社によって開設されました。より多くの認知症患者を抱える家族の相談窓口になることを期待します。今後は介護の現場において認知症高齢者の問題行動に対処するケアノウハウのプラットホーム作りが求められています。何とか作りたいものです。
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患者の目線に立った情報サイト 「認知症相談ナビ」を開設―ノバルティス ファーマ

ケアマネジメントオンライン2017/08/17

ノバルティス ファーマ株式会社は、8月8日、アルツハイマー型認知症患者と家族を対象に認知症に関する情報を提供するWeb サイト「認知症相談ナビ」(URL: http://www.d-sodan-navi.com/ )を開設した。

同社は、2011年にアルツハイマー型認知症の治療薬として、経皮吸収型製剤「イクセロン®パッチ」(一般名リバスチグミン)を発売したのを機に、2012年に「認知症の生活障害ナビ」を開設。認知症の症状の中でも日常生活を営む上でさまざまな困難が伴う「生活障害」を中心に、おもに患者を支える家族にとって有用な情報を提供してきた。

近年、認知症患者の目線に立った情報提供などの重要性に焦点が当たり、2014年には、認知症の当事者団体「日本認知症ワーキンググループ」が発足。そうした背景の中、同社では、認知症患者が必要とする疾患や治療に関する情報をより充実させることを目的とし、今回、「認知症相談ナビ」の開設に至った。

「認知症相談ナビ」では、受診に役立つ診療科の説明や家族会の情報、認知症の症状の生活への影響や対応策、 本人と家族にあった薬選びや、主治医とのコミュニケーションなどについての情報を提供。認知症介護のための情報誌「ゆいまーる」のダウンロードもできる。

認知症保険の契約急増。太陽生命・朝日生命2社が販売、他社の追随はあるか

太陽生命の「支払い手続き支援サービス」。専任スタッフが契約者を丁寧にサポート。認知症保険が高齢者に好評(イメージ)

 高齢化社会の進展による認知症患者の増加を背景に、生命保険2社が販売する「認知症保険」が契約数を伸ばしている。太陽生命保険の「ひまわり認知症治療保険」は発売から1年4カ月で契約が23万件を超えた。朝日生命保険の「あんしん介護認知症保険」も1年3カ月で契約数4万7000件を突破。今後も認知症患者は増加が見込まれており、認知症保険の重要性が増している。

年金で給付も
 太陽生命の認知症保険は、アルツハイマー型認知症など器質性の認知症を発症すると認知症治療給付金を支給する。7大生活習慣病や白内障、骨折など、高齢者がかかりやすい病気もカバーでき、特にシニア層に好評だ。「契約者の半分が70歳以上」(太陽生命)という。

朝日生命の認知症介護保険は、器質性認知症を発症した際に保険料を受け取れる。一時金としてまとめて受け取るほか、年金として分けて受け取ることもできる。

 また認知症を発症しなくても、要介護1以上に認定されれば保険料の払い込みが免除される。「加入者は50代が多く、女性の割合が多い」(朝日生命)。

加入後支援充実
 契約者が認知症になると、保険の契約自体を忘れる可能性もある。そのため両社は、契約者の家族に対しても契約内容の説明を徹底している。さらに加入後の診断書取得代行サービス(朝日生命)や、専任スタッフによる請求手続きの支援(太陽生命)も実施。認知症に関する情報提供も行っている。
また両社とも社員に「認知症サポーター」の資格取得を奨励。社会的な認知症に対する支援も目指している。

 太陽生命はスマートフォン向けに認知症予防アプリも提供。歩行速度の低下が認知症の発症リスクに関連があると言われるため、歩行速度の低下ペースが速くなると利用者に通知する。離れて暮らす家族が利用者を見守れるサービスもあり「アプリで歩行記録が途絶えたことで、親の入院が分かった」と感謝の声が挙がっている。
     

5人に1人発症
 認知症患者数は毎年増加しており、厚生労働省によると2012年に462万人だったが、15年に517万人に達した。25年には675万人、65歳以上の5人に1人が認知症を発症すると見込まれている。

認知症介護の場合、常時付き添いが必要になり、公的介護保険の利用限度額を超えたサービスが必要になるケースも多い。これらの出費に備える商品として認知症保険のニーズが高まっている。この好調が続いていけば、ほかの保険会社の追随もありそうだ。
(文=鳥羽田継之)

認知症の社会費用はインフォーマルコスト(家族で見る介護費用)を含めると1年間で14.5兆円というとんでもない費用となります。何とか予防、治療の方法を見出さねばなりません。
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認知症の社会的費用は14.5兆円!お金の準備を!

小川 千尋
       

社会的費用の内訳は医療1.9兆円、
介護費6.4兆円、インフォーマルコスト6.2兆円!

認知症にならずに人生を閉じられればいいけれど…。

世界最速で高齢化が進んでいる日本では、認知症患者の増加が社会問題になっています。ところが、社会的費用がいくらかかるかの推計は行われていませんでした。そこで、慶應義塾大学医学部と厚生労働科学研究の共同研究グループが推計を行い、2014年の1年間で約14.5兆円に上る可能性があることを示しました。

その内訳は下記の通りです。

●医療費=1.9兆円
入院医療費=約9703億円(1人あたり34万4300/月)、外来医療費=約9412億円(1人あたり3万9600円/月)

●介護費=6.4兆円
在宅介護費=約3兆5281億円(1人あたり219万円/年)、施設介護費約2兆9160億円(1人あたり353万円/年)

●インフォーマルケアコスト=約6.2兆円
1人あたり382万円/年

介護費用とインフォーマルケアコスト(家族などが無償でかかるケアにかかる費用)が同じくらいかかっています。認知症は医療費よりも、むしろ介護にお金がかかるのですね。
 

認知症にかかったときのお金の準備をしておこう!

医療費と介護費用は、公的保険(健康保険と介護保険)と税金が大部分を負担してくれているので、患者本人負担は一部ですみます。しかし、治療・介護期間が長くなれば、かかるお金の累計は膨らんでいきます。

インフォーマルケアコストは、認知症患者1人あたり年382万円かかっています。介護者が配偶者で生活費や医療・介護費用は公的年金と貯蓄で賄えればいいですが、子世代が介護するとなると深刻です。仕事をしながらの介護も大変ですが、仕事をやめざるを得なくなると子世代の収入が失われて、子世代の生活と老後に多大な影響を及ぼします。

この推計費用は2014年のものなので、今はもっと増えているでしょう。そして、高齢化に伴って認証患者も増え、その社会的費用は2060年には24兆2630億円になると推計されています。その費用は、誰がいくら、どう負担するかは、これから国民全体で考える必要がありますね。

それはさておき、高齢になったら必ず認知症にかかるわけではありませんが、かかったときの用心にお金の準備はしておきたいもの。そのために、老後資金をできるだけ増やすようにしましょう。認知症をピンポイントで保障する保険・特約が登場しているので、保険で備える手もあります。

宮古島では高齢者の10人に1人が認知症というニュースが流れましたが、全国の状況はもっと深刻です。認知症予防と併せて、地域で認知症高齢者と共に生活をする仕組みが求められます。

厚生労働省の2015年1月の発表によると、日本の認知症患者数は2012年時点で約462万人、65歳以上の高齢者の約7人に1人と推計されています。

認知症の前段階とされる「軽度認知障害(MCI: mild cognitive impairment)」と推計される約400万人を合わせると、高齢者の約4人に1人が認知症あるいはその予備群ということになります。

医療機関を受診して認知症と診断された人だけでもこの数字ですから、症状はすでに出ているのにまだ受診していない人も含めると、患者数はもっと増えていくと考えられます。

今後高齢化がさらに進んでいくにつれ、認知症の患者数がさらに膨らんでいくことは確実です。
厚労省が今回発表した推計によれば、団塊の世代が75歳以上となる2025年には、認知症患者数は700万人前後に達し、65歳以上の高齢者の約5人に1人を占める見込みです。
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宮古毎日新聞2017年8月6日

認知症高齢者10人に1人/宮古島市

「予備軍」含めさらに高く/市、サポーター養成など対策強化へ


 宮古島市の65歳以上の高齢者(1万3054人)に占める認知症の割合は、今年3月末現在で13・2%(1723人)となり、約10人に1人が認知症であることが市高齢者支援課のまとめで分かった。認知症になる可能性がある軽度認知障害(MCI)、いわゆる「予備軍」と呼ばれる人を含めると、認知症の割合はさらに高くなるとみられている。


 市はこういった背景から、認知症やその家族を支援する「認知症地域支援推進員」を配置したほか、今年度から、認知症サポーター養成講座の講師役「キャラバン・メイト」連絡会の組織を強化するなど、対策に向けた取り組みを本格化させた。


 高齢化社会の進展で、認知症は患者やその家族だけの問題ではなく、地域全体で支援することが求められている。


 このため市は①認知症についての相談支援②医療との連携を図るための支援③認知症を身近な病気と知ってもらうための活動-を展開する4人の推進員を配置。市の広報誌で、4人の顔写真とその役割を掲載し周知を図った。


 また、今年度から夏休み中の小学生を対象にした「認知症キッズサポーター」の養成講座を開催。認知症キャラバン・メイトが、市内4カ所の児童クラブで、認知症のことや認知症の人への接し方などを、紙芝居などで分かりやすく教えている。


 さらには、認知症の人が店舗などを訪れたことを想定した寸劇シナリオを作成。キャラバンメイトが事業所の幹部らを対象にして、窓口対応などについての講座も開いた。


 今月3日に行われたキャラバン・メイト連絡会では会員17人が参加し、会則や活動計画などを確認。役員体制も整えて、情報交換やスキルアップおよびまちづくりのネットワーク構築を目指して活動することを確認した。


 市高齢者支援課は、正常な状態と認知症の中間とみられるMCIの有病率などは把握できないとしながらも、将来的には認知症の人や、64歳以下の人が発症する「若年性認知症」の人は増える見通しであると指摘。その上で「認知症に関する正しい知識と、理解を深めてもらうための啓蒙(けいもう)活動が大事になってくる。認知症の人を温かい目で見守る認知症サポーターを一人でも増やして、安心して暮らせる街づくりにつなげていきたい」と話している。

<前回に続く>

4)ストレスの多い経験による認知症リスクの人種格差

AAIC 2017で報告された数件の研究によると、米国においてアルツハイマー病など認知症発症リスクに、人種的格差があることを確認したとしています。

ストレスの多い生活経験や地域の環境が認知症リスクの一因になり、アフリカ系米国人に偏って影響を与えていることを示す兆候が強まっていると指摘しています。

この人種的格差は、90歳以上で顕著であり、超高齢アフリカ系米国人と中南米系米国人は、アジア系米国人および白人と比較して極めて高い発症率になっていたとのことです。

5)アミロイドベータを検知する血液試験の有望な初期研究

血液検査のような、簡単かつ非侵襲、安価なアミロイドベータ検査が必要とされており、Washington University School ofMedicineの研究者が、少人数の研究グループと検証サンプルでアミロイドベータ検出のための血液バイオマーカーの調査を行い有望な発見を発表しました。

6)アルツハイマー病発症リスクに関わる遺伝子3つを発見

カーディフ大学の研究チームは、85,133人の遺伝子解析により、3つの同定可能なリスク遺伝子を絞り込みました。

様々な新しい研究成果が発表されたAAIC2017。米国版フィンガー研究の発表やランセット委員会の研究報告の聴力と認知症発症リスクの関係、ストレスの多い経験によるアルツハイマー病発症リスクの人種格差などの問題などが目を引きました。さらなる研究の進展が期待されます。

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