無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

カテゴリ: 認知症ケア

抗うつ剤の長期使用は認知症リスクの増加につながる可能性があると英国の医学誌で報告されています。はっきりとした因果関係の解明はまだのようですが、以前から指摘されているだけにそのデータ量の多さにその可能性が見いだされます。
・・・・・・・・・・・・・・
抗うつ剤、長期使用で認知症リスク増の可能性 英研究
時事通信2018.04.28

【パリAFP=時事】長期的な抗うつ剤の使用が認知症の発症と関連があるかもしれないと指摘する論文が、英医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルに掲載された。ただ、研究者らは抗うつ剤が認知症の原因であるとは結論付けられなかったという。

 研究者らが英国内で30万人以上を対象に調査を行った結果、過去4~20年の間にうつ病やある種のぼうこうの病気を治療するためにいわゆる抗コリン薬を処方されていた人は、そうでない人と比べて認知症と診断される割合が3割強ほど高かったという。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

認知症医療の第一人者で谷川式認知症スケールで有名な長谷川和夫先生が認知症とのこと、大変驚きました。認知症を熟知しておられるだけに、認知症になった時の生き方について先生の覚悟が伺えるお話です。先生が提唱してこられました認知症の人を尊重し、中心に置く介護「パーソン・センタード・ケア」のお考えを実践して参りたいと思います。
・・・・・・・・・・・・・・
産経west 2018.3.28 12:00
更新

認知症医療の第一人者が認知症に… 長谷川和夫医師「明るい気持ちで生きていく」

認知症医療の第一人者、長谷川和夫医師=東京都杉並区の認知症介護研究・研修東京センター(飯田英男撮影)
認知症医療の第一人者、長谷川和夫医師=東京都杉並区の認知症介護研究・研修東京センター(飯田英男撮影)

高齢化に伴い、認知症の人は7年後には700万人、高齢者の5人に1人が発症すると予測されている。そんな中、認知症医療の第一人者で、昭和49(1974)年に認知症を鑑別する「長谷川式簡易知能評価スケール(長谷川式認知症スケール)」を開発した医師の長谷川和夫さん(89)が昨年、自身が認知症であることを公表した。長谷川さんは今、どんな心境なのか。(加納裕子)

 認知症になって、どんな風に感じたのだろうか。長谷川さんは「認知症になった自分とそうじゃなかった自分には、そんなに大きな差がない。連続性があるという感じがする」と説明する。そして、認知症の人への接し方について、こう提唱した。「目線を同じ高さにした方がいい。認知症だからといって、特別な待遇はしない。軽蔑しない、敬遠しない。逆に『特別な気持ちで接しないと』と見上げるのも良くない」

 長谷川さんはこれまでも、認知症の人を尊重し、中心に置く介護「パーソン・センタード・ケア」を提唱してきた。そのことの大切さを、自身の体験を持って実感したという。

認知症と診断された今後の人生について、長谷川さんは「他の人からの支えを受けなければ、何もできない。そういう気持ちを持って、お願いしながらやっていく」と静かに話した。

 また、「非常に重要なのは、生きていることの尊さ。全世界の何十億人のなかで、僕と同じ人生を生きている人は誰もいない。自分自身のことを尊いというのはおこがましいけれど、それは皆さんにもいえる。1人1人が、みんな尊い存在であるということを、知らなくちゃいけない」と強調。

取材の最後には、「僕はこれからも明るい気持ちで、笑うことを大切にしていく」とおだやかにほほえんだ。

 

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

コラム

行ってきました! 全日本認知症ソフトボール大会

各地の仲間が集まり富士山麓で熱戦

 3月25日、静岡県富士宮市で全日本認知症ソフトボール大会(通称:Dシリーズ)が開かれ、私も出場しました。北は私の住む仙台から南は広島まで、各地の認知症の当事者や家族、医療・介護・福祉関係者などが富士山の麓の球場に集まりました。

 今回は、地域ごとに4チームに分かれて戦いました。仙台からはもう一人、私と同じ44歳の認知症当事者の鈴木理さんが出場し、名古屋や富士宮などの参加者と一緒にチームを結成しました。奈良や新潟などのチームと対戦し、私は5番打者で三塁を守りました。

 両チームとも無得点で迎えた三回表、二死満塁で私に打順が回ってきました。客席の声援を受けて打席に立ちましたが、結果はなんと空振り三振。次の打席でヒットを打ったものの得点にはつながらず、結局0対5で負けてしまいました。

 試合には敗れましたが、全国の当事者や関係者に会えて、本当に楽しい時間を過ごしました。天候にも恵まれて、球場から見える富士山の美しかったこと! 仙台で暮らしているとなかなか見られるものではないので、感動しました。

神奈川県から参加した認知症当事者の中村成信さん(左)と。今年もたくさんの仲間と再会を喜び合いました

三振しても間違えても大丈夫

 私は、中学から大学まで弓道部で、若い頃からボディーボードやスキーなどもよくやりましたが、球技にはあまり縁がありませんでした。この大会が2014年に初めて開かれた時にも誘われたのですが、バットを握るのは、高校の体育の授業以来です。他の当事者よりずっと若い私が、空振り三振したら格好悪いと思い、この時は断ってしまったのです。

 ところが開催当日のニュースを見たら、みんなそれほど上手なわけではなさそうなのです。それで気が楽になって、次の年に初めて出場しました。

 認知症ではない人も試合に出られますが、ポジションは捕手などに限られています。また、チーム内に7人以上の当事者がいなくてはいけません。その他にも、大会独自のルールを作り、認知症の人とそうでない人が、一緒に楽しめるように工夫しているのです。

 試合は、小さなハプニングの連続です。中には、打った後に三塁に向かって走ってしまう人もいます。そういう時も、周りの人が一塁を指さしながら「こっちこっち」と、声をかけて助けます。

 参加者がみんな「間違い」を恐れず、当たり前のこととして受け入れるので、当事者ものびのびとプレーができます。ファインプレーが出れば、対戦チームの応援席も一緒になって盛り上がります。

鈴木理さん(右)が、特別賞のトロフィーを受け取るところです。私も自分のことのようにうれしかった!

楽しい思い出伝え 参加者を増やしたい

 夢中でボールを打ち、追いかけていると、病気や障害の有無なんて関係なくなります。認知症の人とそうでない人が仲間になって、共に楽しむこの感じ。これこそが、私の望む認知症の当事者と周囲の人たちの関係なのです。

 いいことが一杯あった大会でしたが、私が何よりもうれしかったのは、仙台から一緒に参加した鈴木さんの笑顔をたくさん見られたことです。鈴木さんは、試合でもヒットを飛ばして活躍し、特別賞に選ばれました。

 この日のことを、仙台の他の仲間にも伝えたいです。私たちが楽しそうに話すのを聞いたら、来年はもっと参加者が増えるんじゃないかと期待しています。(丹野智文 おれんじドア実行委員会代表)

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

「ことばの力」を強く感じます。介護する側と、される側、ささいな言葉でも、される側は重く受け止める場合がある、と述べられています。特に認知症の方々にとって言葉によって大きく問題行動が改善される例を多く見てきました。希望を生む「ことばの力」を介護メンバーで共有する必要があります。

<ひとキラリ>希望生む「ことばの力」 「介護・認知症の家族と歩む会」世話人代表・柏の北川邦彦さん

東京新聞 2018年3月22日

東葛地域で活動するサークル「介護・認知症の家族と歩む会」の世話人代表を務める北川邦彦さん(77)は二十四日、柏市民交流センターで、言葉の持つ力について自身が実感した体験談を話す。「ちょっとしたひと言が、希望をもたらすことを知ってほしい」という。 (堀場達)

 同会と連携する住民グループ「笑顔の会・きらら」などが共催する「ことばの力講座」の中で、北川さんは「命を繋(つな)いだことばの力」と題して、体験談を披露する。

 北川さんは一昨年秋、脳出血で倒れた。失明と半身まひの症状があり、搬送先の救急病院で医師から、回復の見込みはないと、告げられる。「病室で失意のままボーッとしていた」という北川さんを救ったのが、病室に掃除に訪れた女性の一言だった。「寒いから窓とカーテンを閉めておきますね

 実は窓は開けてあり、病室に陽光が降り注いでいたことを後刻、見舞いに訪れた友人に知らされる。「女性は光を感じられない私を気遣って“うそ”をつき、励ましてくれた」と北川さんは言う。

 「たくさんの人が自分を心配してくれている」ことに気づき、発奮した北川さんは十日ほどで退院できたという。失明は結果的に短期間で済み、三カ月ほど車いすを手放せなかったが、介添え付きで外出できるくらい、視力も足腰も回復した。

 北川さんは「言葉は人を勇気づけることも失望させることもあると実感した」と振り返る。二〇一二年に「歩む会」を設立したきっかけは、認知症の母親を介護したことと、自分も心筋梗塞などを患い、介護を受けた体験だった。

 「介護する側と、される側の違いが分かった。ささいな言葉でも、される側は重く受け止める場合がある」と指摘する。

 講座では、このほか筋ジストロフィーに侵され、〇四年に十三歳で亡くなった米国の少年詩人マティ・ステパネクさんの作品朗読があり、ゴスペル歌手のNORIKOさんが「想いをことばに」のテーマで歌う。午後一~三時。無料。問い合わせは北川さん=電090(5509)5398=へ。

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

認知症には様々な問題行動がありますが、徘徊のケース一つを取ってみても、アルツハイマー型、レビー小体型、前頭側頭型では同じ徘徊でもその症状は異なります。共通して言えるのは本人を否定しないこと、一緒に歩いたり、話を聞いてあげることが大事と言われます。原因がわかればどのように対処すべきかもわかります。問題行動の背後には必ず原因があります。科学的な介護が求められます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
産経ウエスト 2018.3.11 07:00
更新

【脳を知る】
認知症 タイプによって違う徘徊の理由と対応

一般に「認知症になると困ってしまうのではないか」と思われている症状の一つに、徘徊(はいかい)があります。認知症になると徘徊の症状が必ず出ると誤解されていることが多いものの、症状が出る人もあれば、出ない人もあります。また、認知症のタイプによっても徘徊の理由は異なり、その対応方法も変わってきます。

 まず認知症の中で約50%を占めるといわれるアルツハイマー型認知症ですが、記憶障害のほかに人・場所・時間の認識が悪くなり、人の見分けがつかなくなったり、自分の居る場所が分からなくなったり、今の時間が分かりにくくなったりします。そういった障害を医学的に「見当識(けんとうしき)障害」といい、アルツハイマー型認知症の特徴的な症状の一つです。

 そのため、夜なのに昼だと思って寝ないで活動したり、自宅に居るのに「家へ帰る」と言って家から出ていこうとしたり、といった症状が出現することがあります。また、何かの用事で外出したのに目的を忘れ、徘徊してしまう場合もあります。家族の対応としてはまず本人を否定せず、一緒に歩いたりして話を聞いてあげてください。

 次に幻覚とパーキンソン症状が特徴的なレビー小体型認知症は、実際にないものが見える幻視が出現することが多く、存在しない人影を追いかけて徘徊につながる場合や、何かの妄想で屋外へ出てしまうことがあります。その場合も本人を否定せず、一緒に歩いて話を聞いてあげましょう。

また、前頭葉や側頭葉の萎縮がみられる前頭側頭型認知症は行動を抑制する前頭葉の働きが衰えるため、同じ行動を繰り返す症状(常同行動)が出ます。そのため、毎日同じ時間に同じ道を歩かないと気がすまないかのように散歩を繰り返したりしますので、これが徘徊ととらえられます。

 家族は「事故に遭うのではないか」「行方不明にならないだろうか」と不安になるでしょうが、前頭側頭型認知症の人の行動を抑制すると、よけいに混乱してパニックになったり、暴言や暴力につながったりします。命にかかわることがなく、他人にも迷惑をかけないようなら行動を止めず、見守ってあげる方がいいでしょう

 しかし、家族が24時間365日介護することは不可能なので、介護保険によって訪問や通所(デイサービスなど)のサービスも利用してください。また、認知症の人が一人で外出してしまう場合の備えとしては、連絡先を書いたものを携帯させたり、居場所が分かる携帯電話を持たせたりする方法が挙げられます。最近は、徘徊する高齢者を地域で見守る体制もできつつあります。

 (橋本市民病院 脳神経外科 部長 大饗(おわい)義仁)

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ