無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

カテゴリ: 中国の介護事業

日本でもなかなかうまく進まないリバースモーゲージ、果たして中国で成果が出るでしょうか?
中国の住宅保有率87%という数字に驚きです。特に都市部において期待がされます。
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リバースモーゲージの需要は大 市場規模2千億元超

Record China
配信日時:2017年9月29日(金)

自宅を担保にして借りたお金を老後の生活費に充てる「リバースモーゲージ」が、ここ数年、市場で高い注目を集めている。関連データをみると、中国の住宅保有率は87%と他国に比べて高く、米国の65.4%、英国の70%、日本の60%を大きく上回り、このことがリバースモーゲージの推進を支える基礎的条件(ファンダメンタルズ)になっている。「証券日報」が伝えた。
最近、中国養老金融50人フォーラムと社会科学文献出版社が共同で発表した「養老金融青書:中国の養老金融発展報告(2017年)」は、リバースモーゲージ商品自体の位置づけや設計は、海外でも国内でもまだ実践の模索という段階にあり、ニッチ商品のレベルにとどまっている。

適用対象は一般的には独立した不動産資産をもった子どものいない高齢者または子どもが独立した高齢者で、リバースモーゲージを利用して生活したいと考える人々だ。条件を満たした潜在的利用者のうち実際に利用する人の割合は、リバースモーゲージ事業が最も成熟した米国ですら3%前後にとどまり、英国も0.2%ほどしかない。

リバースモーゲージ事業はニッチ産業といえるが、潜在的ニーズは軽視できない。特に中国は目下、4-2-1の家族構成が一般的という厳しい現実に直面しており、不動産価値の固定化と養老介護ニーズの困難な局面との間で矛盾が露呈し、リバースモーゲージはこうした矛盾を解消する有効な手段の一つといえる。

同報告は、2016年末現在、中国の60歳以上の高齢人口は2億3100万人に上り、都市部と農村部の比率は44:56になる。ここから試算すると、中国の都市部には現在、約1億200万人の高齢者がいることになる、現在の都市部住民の一人あたり平均居住面積は33平方メートルを上回り、都市部高齢者の住宅保有率は75.7%、平均居住面積は約33.66平方メートル。

国家統計局がまとめた最新のデータでは、15年の分譲住宅の平均価格は1平方メートルあたり6473元(1元は約17.0円)で、ここから試算すると、中国都市部の高齢者の保有住宅の価値は22兆元に迫り、仮に高齢者の1%がリバースモーゲージを利用したとすると、市場規模は2200億元に達することになる。人口高齢化がさらに進行し伝統的な養老の観念が徐々に変化する中、リバースモーゲージ市場の発展の可能性がさらに拡大しているといえる。(編集KS)

中国でも高齢社会への突入により、本格的な高齢者問題に対処するためのモデルが模索されているようです。日本からの輸入モデルではなく、中国版の高齢者ビジネスモデルの開発が待たれます。我々の取り組みも一助になればと思います。
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遠く離れた親をどのように世話するか?高齢者ケアは中国でも課題―中国メディア

2017年9月28日 

どうすれば高齢者が安心した老後生活を送れるのかという問題が再び人々に注目されるようになっている。(Record China)

このほど、「一番困るのは、父親が急に倒れてしまっても、あなたが父親の側にいないとき」という「空の巣老人(子どもが巣立った後に残された高齢者)」についての報道が多くの人を涙で包んだ。

多くの人たちが空の巣老人のその無力さを感じており、自分の子供に迷惑をかけたくないという親心も分かる。どうすれば高齢者が安心した老後生活を送れるのかという問題が再び人々に注目されるようになった。

「哀哀たる父母、我を生みて劬労(くろう)す」(苦労して自分を生み育ててくれた父母の死を悼み、その恩に報いることができなかったことを嘆く)。親孝行をするのは当然だが、今は親のそばにいて親孝行をするのはますます難しくなっているようだ。

中国の社会学者の費孝通氏は、アメリカの「リレーパターン」と違って、中国の親孝行は「還元パターン」だと述べた。つまり、親は子供を育て、老後になったらまた子供に面倒を見てもらうことで、一言で言えば「子供を育てるのは老後のためだ」ということだ。

しかし、中国の都市化が進む中、親と子供の住む場所が離れているのはすでに普通になっている。他の都市で働いている子供にとっては、親の面倒を見るのはなかなか難しい。ましてや、「居にはすなわちその敬を致し、養にはすなわちその楽を致し、病にはすなわちその憂を致す」となおさらだ。いかにして遠く離れて暮らす親に幸せな老後生活を送らせるのかは社会の課題となった。

情報化の社会に暮らしている私たちは、視野をもっと広げ、老後生活の課題をより多元的な高齢者ケアモデルと組み合わせて考えるべきだ。

例えば、他人の力や技術の力、制度の力で老後生活の問題を解決させる。現在、多くの地域で、住宅をベースとしてコミュニティーに頼ることができ、機関がそれを補える高齢者ケアサービスモデルを積極的に打ち出している。

これが実現すれば、子供がそばにいなくても、何か困ったことがあれば、家の近くのコミュニティーや機関に助けを求められるようになる。

そのため、現在の中国では高齢者ケアモデルは費孝通氏が述べた「還元パターン」から「多元的なパターン」にすでに変わってきており、家庭でのケアとコミュニティーでのケアの組み合わせ、機関が補助を行うことを強調している。

新築の住宅団地には高齢者ケアサービス施設を整備しなければならない。一部の地域では補助金政策を調整し、補助金の効果をさらに追求している。失能老人(自分一人で身の回りのことができない高齢者)の増加、高齢者が病気にかかりやすくなる状況などを解決するために、「医療養護結合」というモデルを打ち出す機関もある。

「老後の拠り所から病気の治療まで、ケアから心の安らぎまで」。高齢者ケアモデルはますます健全になり、高齢者の老後生活の質がさらに保障される。

全世界を取り巻くスマート化ブームは高齢者ケアモデルにも結び付けられる。

一部の地域が打ち出した仮想老人ホームがその例だ。仮想老人ホームは「囲いのない老人ホーム」とも呼ばれ、スマート化と情報化を利用して、政府主導の下で企業が運営する。

具体的には、インターネットによって大きな仮想コミュニティーを構築し、スマートホーム・高齢者ケア情報化プラットフォームでサービスメカニズムを確立させ、より多くの高齢者ケアの情報をまとめて提供し、高齢者が家を出なくても便利で的確なサービスを受けられる。こうした「インターネットプラス」から派生した高齢者ケアモデルの改革により、高齢者は落ち着いた生活を送ることができ、子供たちも安心できる。

高齢者にとっての春を作り上げる」ことは社会全体の責任だ。老年期は、これまでの成果が現れ、進歩が見られ、人生を楽しむことができる重要な段階でもある。高齢者ケアモデルの多元化、社会保障の全面化に伴い、私たちは将来的にさらに多くの可能性があると信じ、「高齢者にとっての春」の実現を期待できるだろう。(提供/人民網日本語版・編集HQ)

これまで中国で介護事業を展開する際に、多くの企業が何か躊躇している理由が垣間見えます。あくまでも国策としての介護事業が前提で、民間企業が簡単に参入できない背景がわかります。これでは急拡大する中国の高齢化に対応できるのかが心配です。
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中国企業、「党の介入」明文化 上場288社が定款変更

今春から急増


2017/8/17 日本経済新聞 電子版

 【広州=中村裕】中国の上場企業で今春以降、共産党の経営介入が急速に進んでいる。

中国企業の定款変更を日本経済新聞社が調べたところ、党が経営判断に深く関わることを容認するなどの項目を盛り込んだ企業が4月以降で約200社にのぼった。

党の意向をくんだ経営が一段と強まれば、外資企業にとって合弁事業など中国投資のリスクが高まる可能性がある。世界規模の企業もあり、国際秩序と相いれず新たな摩擦を生む恐れもある。

<前回に続く>

人口13億人を抱え、一人っ子政策のツケが回ってくる中国はどうか。2002年に7%を上回り、2025年には14%に達すると見られている。この間、24年。やはり日本より短い。

欧州諸国と比べると、その短さが「異常」だと分かる。

英国は1930年から1976年まで46年かかった。ドイツも似たようなものでほぼ同時期に42年。ところが福祉先進国のスウェーデンでは1890年から1972年まで82年もかかり、フランスはなんと114年もかけて1979年にやっと14%を超えた。


 つまり、欧州諸国では、長い時間をかけて高齢化が進んだため、対応策もじっくり検討しながら手を打てた。しかも、経済成長を終えたり、終盤期になってから高齢社会を迎えた。成長の果実を社会保障に振り向けることがたやすい。

そうはいかないのがアジア諸国。経済の成長期と高齢者の増加が同じ時期で、しかも、かなりの短期間で高齢化率が高まる。対応を急がねばならない。


<前回に続く>

 楽齢が運営する同じような形態の高齢者ケア施設が石景山区内にあと3ヵ所ある。八角北路社区では、6人が入居していた。リンゴ園と奉寧の部屋数と定員はそれぞれ5室12人、3室8人である。

 各施設の入居者はほとんどが自立歩行できる軽度者。なかには食事介助を受けている高齢者もいたが、スタッフの手助けを得ながらゲームに興じたり、絵を描いていた。

 近くの高齢者宅への家事援助の訪問活動は、1時間で30元(480円)。4事業所で年間延べ61件とまだ少ない。長期の滞在料金は、自立者なら月2600~2800元(4万1600~4万4800円)、半分自立だと2800~3200元(4万4800~5万1200円)、寝たきりになると3800~4000元(6万800~6万4000円)になる。

 このうち900元のベッド代、900元の食費、400元の管理費はいずれも同じだが、介護費の違いで総額が変わる。

 先述の「万柳星林家園」で富裕層向けに取り組まれていた「通い」と「訪問」それに「宿泊」が、ここでも一般庶民向けに行われている。

 
居住環境が個室でないことや、生活感が欠落しているなど課題はまだまだ多いが、病院での長期入院を避けるサービスという点で大いに評価できそうだ。

 かつての日本では、自宅介護が難しい高齢者が行き場を失って、長期の入院を強いられていることが多かった。「社会的入院」と言われる。まだ、日本でも完全に消えているとは言えないが、病院が暮らしの場でないと言う認識は広がっている。

 中国でも、まだまだ同じような病院への依存意識が強いが、こうした先駆的な動きが確実に芽生えてきたのは住民には心強いことだ。大規模な病院や施設ではなく、こうした集合住宅などの住宅地の中で小さい規模の介護サービスが増えていくのはとてもいいことだと思う。


<次回に続く>

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