無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

カテゴリ: 介護3施設の問題点

岐阜高山の施設での入居者5人が相次いで死傷した件で、施設側が県警の結論を待たずに事故と断定したと報道がなされました。県警はまだ捜査を続けているようですが、しっかりとした検証を行う必要があるのではないでしょうか。ご家族が納得をしないのではないかと思います。介護の現場では今回の件は1施設の問題ではなく、どこの施設でもその可能性があるだけに関心を集めています。県警の捜査結果を待ちたいと思います。
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死傷4人は「事故」 高山の介護施設、検証終える
岐阜新聞2017年09月14日

 岐阜県高山市桐生町の介護老人保健施設「それいゆ」で7月末以降、入所者5人が相次いで死傷した問題で、施設は13日、問題を検証するリスクマネジメント委員会を開き、胸にあざが見つかり肺挫傷で入院していた女性(93)のけがについて、ベッドの柵やテーブルの角に体をぶつけたことによる事故との見方を示した。

 これで、施設側が病死と判断した男性(80)を除く4人全ての死傷した経緯の検証を終え、施設側はいずれも事故との見解を示した。

 施設を運営する医療法人の折茂謙一理事長は委員会後の記者会見で、この日検証した女性について、日常的にベッドの上で動きやすい状態にあったと説明した。ベッドの柵にカバーが付いていたが、委員会では、けがを防ぐ対策として「カバーの厚みを増す」といった意見が出たという。

 委員会には、第三者委員として県老人保健施設協会の事務局長・理事の加藤正治さん(56)が初めて出席。ベッド柵カバーの厚みを増すのは効果的とし、ストレスがたまっている職員には十分なケアを行う必要があると助言した。

 次回は来週以降に開き、これまでの検証結果を総括する。

 県警は死傷した5人について、事件と事故の両面から捜査を続けている。

特別養護老人ホームの3割が赤字との報道がなされています。その原因はどこにあるのでしょうか?原因が明確でないままに、それぞれの体制強化のために金がいるということは筋が通りません。特に食事などについては民間企業は工夫をこらし、ギリギリのコスト管理をしています。赤字の理由を明確にして頂きたいと思います。
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「3割が赤字、過去最悪」 老施協が介護報酬アップを要望

2017年0905 福祉新聞編集部

                                                               

 全国老人福祉施設協議会(石川憲会長)は8月23日、厚生労働省に2018年度の介護報酬改定と予算要求に対する意見書を提出した。

特別養護老人ホームの赤字施設は過去最悪の3割超となり、職員の労働環境改善や新たな設備投資を行うことが難しい状況にあるとして本体報酬の引き上げを求めた。

 

 特養の外部からの医療提供については慎重な議論が必要だとした上で、看取りを推進するため看取り介護加算のさらなる充実や配置医師の体制に対する評価などを求めた。

 

 人材関連では介護職員が行う医療行為の拡大とその報酬上の評価を要望した。また職員配置について専任の規定を創設して同じ拠点内であれば他の事業にも従事できるよう検討すべきだとした。

 

 介護職員処遇改善加算については、少なくとも生活相談員や看護職員など直接処遇を行う職員は対象とするよう求めた。

 

 また05年度に食費と居住費の利用者負担化に伴って設定された基準費用額の増額を要望。食費は利用者1人当たり1日平均1442円に設定されているが、特養の食費収入は1375円で差額の67円(定員80人だと年195万円)は事業者が負担し続けているとしている。

 

 日常生活継続支援加算の要件の整備、介護ロボット・ICT(情報通信技術)活用の財政的支援、地域包括拠点としての通所介護の評価なども求めた。

 

 なお、老施協は高品質サービスを言語化するため会員22事業所・利用者57人の事例を調査。ICF(国際生活機能分類)の「活動」「参加」と「心身機能」の関係を調べると、心身の改善は困難でも本人の望む生活に近づけるケアをした結果、「伴走型介護」の成果がみられたという。 

 

下記の議論が社保審・介護給付費分科会でなされています。町村会が特養に空床が出ているので、規制緩和をして元に戻せという意見が出ているようです。時代に逆行する意見であり、なぜそのような制度になったか、これからの高齢社会におけるビジョンの無さにがっかりしています。元に戻せ、とは言語道断です。
特養が地方政治家の利権となっている背景があるのではないでしょうか?
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「特養に空床が出ている」 町村会が対策を要請 「なんでこうなったか整理すべき」

 ケアマネジメントオンライ 2017/07/27  配信   | 行政ニュース


《 社保審・介護給付費分科会 19日 》

来年度の介護報酬改定に向けた協議を進めている審議会の19日の会合。特別養護老人ホームもテーマとなり、要介護度の重軽で入所に制限をかけている国への異論が自治体から噴出した。

第143回社会保障審議会介護給付費分科会資料

「小さな町などでは空きベッドが生じている。それにより施設運営が非常に窮屈になってしまった」。

こう問題を提起したのは、全国町村会の代表として参加している東京都奥多摩町の河村文夫町長。「23区では多くの待機者がいるようだが、私の町でも空きが出ている。前はこういう状態ではなかった。国は実態をちゃんと捉えているのか?」と疑問を投げかけた。

特養の空床の存在は、みずほ情報総研が昨年度に実施した調査の結果でも報告されている。開設後1年から10年の550施設のうち、26.0%の143施設で確認されたという。深刻な人手不足に加えて、2015年度から入所者を原則として要介護3以上の高齢者に限定したことや、軽度者を多く受け入れていると十分な報酬が得られないことも要因とみられている。貴重な介護資源が効率的に使われていないのではないか ー 。そう指摘する専門家もいる。

■「元に戻すのが妥当では?」

河村町長はこの日の審議会で、「施設の経営そのものがどうなのか、というところまできているケースもある。それが町村の実態。なんでこうなったのか、ということもきちんと整理して欲しい」と要請。「大きな問題を抱えている地域がある。施設も在宅もトータルで有機的に機能させる方策を、次の改定に向けてしっかり議論してもらいたい」と注文をつけた。

また、認知症の人と家族の会の田部井康夫理事は、「要介護1、2の特例入所は狭き門。要介護3以上とした制限は撤廃すべき」と主張。「特養をめぐる状況もだいぶ変わりつつある。これからは要介護度だけで選別するのではなく、必要な人に必要なサービスを提供するという形に戻すのが妥当ではないか」と意見した。特養をめぐってはこのほか、看取りも含めた医療ニーズに応える体制を強化する方策も議論されている。


提供元:介護のニュースサイト JOINT

<前回に続く>

ユニット型の推進だけでなく、多床室でのケアの質向上も重要課題

 ところで特養ホームには、(1)多床室(2)従来型個室(3)ユニット型準個室(4)ユニット型個室—の4類型があります。特養ホームが「生活の場」であり、入所期間が長くなっていることを踏まえると、プライバシーに配慮し、個別的なケアを実現することを目指す(4)のユニット型個室や(3)のユニット型準個室—の整備が望ましいと考えられ、2015年には定員に占める個室ユニットの割合は40.5%に上昇しています。ただし、これらの施設は利用者負担(室料、光熱水費)が高額になるため、低所得者などを中心に、利用者負担の低い多床室のニーズも決して少なくありません。
特養ホームの4類型(準ユニットケア加算算定施設を別分類にすれば5類型)
ユニット型と多床室とを比べてると、前者では利用者負担が大きなことが分かる
 
齊藤秀樹委員(全国老人クラブ連合会常務理事)や及川ゆりこ委員(人日本介護福祉士会副会長)は「ユニット型はケアの充実に大きく貢献しており、整備を進める必要がある」とした上で、「多床室を希望する高齢者もおり、ニーズに合わせた施設整備を進めるべき」との考えを述べています。
 
ところで厚労省は、多床室においてもプライバシー配慮や個別的ケアの実施が重要と考え、「プライバシーに配慮した個室的なしつらえ」などを行っている施設を対象に、2006年度の介護報酬改定で【準ユニットケア加算】(1人・1日につき5単位)を創設しました
▼12人を標準とする準ユニットにおいてケアを行っている
▼プライバシーの確保に配慮した個室的なしつらえ(視線が遮断されることが前提。建具での仕切りは可、家具やカーテンによる仕切りでは不可)を整備し、準ユニットごとに利用できる共同生活室を設けている
▼日中、準ユニットごとに常時1人以上の介護また看護職員を配置している—ことなどが要件となっています。
 
鈴木委員は、こうした状況を踏まえ「ユニット型では、個室などのハード面だけでなく、個別的なケアという『ソフト面』が重要である。低所得者のために、『ユニット型の考えに立った多床室』の整備を進めるべき」と訴えました。瀬戸委員も「準ユニットケア加算の要件緩和」などを求めています。多床室に入所せざるを得ない低所得者にも、より質の高い生活の確保を目指すという考えに立つものと言えるでしょう。
ユニットケアは、個室や共用空間といった「ハード面」と、個別ケアといった「ソフト面」とで成り立っている
 
一方、伊藤彰久委員(日本労働組合総連合会総合政策局生活福祉局長)は、「尊厳ある生活のために、ハード面・ソフト面を充実したユニット型の整備を推進すべき」と述べ、「低所得者は多床室でよいという考え方は平等原則に反する。住宅補助のような仕組みを創設し、低所得者でもユニット型に入所できるようにすべき」と、まったく異なる観点からの提案を行っています。

身体拘束や、事故、施設内感染などを含めたリスクマネジメントの在り方を検討
ところで、特養ホームの運営基準では「身体的拘束などを行う場合には、▼態様▼時間▼入所者の心身の状況▼緊急やむを得ない理由―を記載する」ことを義務付けており、記録がない場合には【身体拘束廃止未実施減算】(1日につき5単位を所定単位数から減算)が行われます。

この点について武井高齢者支援課長は「身体的拘束が適正に行われたかの確認は各施設等に委ねられている」という課題を掲げており、2018年度改定に向けて、特養ホームに限らず【身体拘束廃止未実施減算】の要件厳格化が予想されます。この点について鈴木委員や東憲太郎委員(全国老人保健施設協会会長)は、「身体拘束だけでなく、虐待、転倒などの事故、誤薬、インフルエンザなどの感染症など、すべてを含めたリスクマネジメントを考える必要がある」と提言しています。



<前回に続く>

特養配置医の95%は非常勤、どこまで医療対応すべきかを求める声も
介護保険施設のうち、特養ホームは、要介護度の高い高齢者が「終の棲家」として長期間生活を行うことが想定されています。2015年度からは、新規入所の対象者が「原則、要介護3以上」とされ、実際の平均要介護度が3.87(2000年では3.35)に上昇しています。特養ホーム入所者の重度化が進んでおり、医療ニーズを持つ利用者も増加している 


要介護度の高い高齢者では、医療の必要性が高い人も多く、また「終の棲家」故に入所期間が長い(2013年には1405日、3.8年)ため「看取り」のニーズも高くなっています。このため特養ホームの人員配置基準では「医師」の配置が必要とされていますが、人数については「健康管理および療養上の指導を行うために『必要な』数」としか記載されていません。
医師配置や医師の勤務状況に関して厚生労働省が調査したところ、次のような状況が明らかになっています。

▼常勤医師を配置している特養ホームは1.1%にとどまり(100対1配置で1日につき25単位の常勤医師配置加算あり)、95.3%では非常勤医師を配置している
▼非常勤配置医の「1週間における勤務時間」は平均3.6時間で、70.3%が「4時間以下」、11.9%が「4時間超8時間以下」である
▼9割超の施設で、夜間・休日の「定期診療」がゼロ回である
▼約半数の施設で非常勤配置医が「勤務日以外での対応」を行っているが、4割強では「勤務日以外は電話での指示」となり、6%の施設では「勤務日以外は、原則対応しない」という状況である
▼配置医の担当業務は「定期的な診察」95.3%や「主治医意見書の作成」93.7%、「予防注射の対応」88.9%などが多く、「夜間・休日の急変対応」も6割程度で実施されているが医師の負担感が大きい

非常勤医師の休日・夜間対応には、特養ホームによって差があり、「原則として対応してもらえない」ところもある 
このように特養ホームには医師が配置されているため、入所者の医療ニーズには原則として配置医が対応し、外部の医師は▼緊急▼患者の傷病が配置医の専門外▼末期がん▼看取り―などの場合を除いて、みだりに往診などを行うことはできません。この外部医師との連携状況については、次のような状況が報告されています。
特養ホームにおける医療提供と、報酬との関係。配置医師が健康管理などを行い、これらは基本報酬の中で包括評価されている。ただし、緊急時や専門外、末期がんなどでは外部医師の対応が可能で、診療報酬を算定できる
 
▼外部医師に訪問診療を依頼できる施設は4.3%、往診を依頼できる施設は12.6%にとどまる
▼入所者が夜間に急変した場合の対応について、「救急車を呼ぶのみ」と回答した施設が16.0%ある
▼上記の「夜間急変時には救急車を呼ぶのみ」と回答した施設では、看取りの対応について「原則、病院などに移す」割合が高い
外部医師から訪問診療・往診を得られる体制をとっている特養ホームは少ない
特養の16%では、入所者が夜間に急変した場合などに「救急車を呼ぶ」のみの対応となっている
 
 一方、看護職員については人員配置基準上、▽入所者数30人未満は1人以上▽30-50人未満は2人以上▼50-130人未満は3人以上―の配置が義務付けられ、実際に平均で3.8人(常勤換算)の配置がなされていますが、夜間は「オンコール体制」を敷いている施設がほとんどです。
93パーセントの特養ホームでは、夜間オンコール体制となっている

<次回に続く>

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