無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

カテゴリ: 単身社会

東京都孤独死4000人














東京都の23区内で年間高齢者の孤独死が4000人以上という事態に行政も本格的な対応を始めているようだ。東京都監察医務院の統計によると、単身世帯で自宅で亡くなる「孤独死」をした65歳以上の高齢者は、2020年に23区内だけで約4200人に達したという。5年前より1千人以上も増えたという。
その対策の一つとして取り組みが始まっているのが、自治体の終活情報登録事業である。
都内23区内の自治体も徐々にその取り組みを強化してきているが、その取り組みは途に就いたばかり。このレベルでは2025年問題、更に2040年問題はクリアーできない。
行政の限られた人的資源ではこれからおしかける多くの孤独死予備軍の高齢者を救うことはできない。東京都の令和2年の単身高齢者数は81万人、もう間もなく100万人を超えていくであろう。それに地域の自治体は耐えられるのか? 
・・・・・・・・・・・・・・・
高齢者の孤独死、23区だけで年間4千人以上…自治体による終活支援の取り組みとは?研究員「住む場所でサービスに差が出ないよう国にも動いてほしい」YAHOOニュース2024.2.14
 ◆東京都豊島区が23区で初の終活登録を開始しているがまだその数は少ないようだ。登録事業を利用したのは60~90代の18人(2022年10月末現在)。うち12人は女性という。 終活あんしんセンターの運営を受託している豊島区民社会福祉協議会(社協)の天羽瞬一チーフは「ひとり暮らしの高齢者で認知症など支援が必要なケースが最近、増えている。身寄りがなく、区が後見人を申し立てるケースが以前に比べ、増加している」と話す。
 ◆社協による終活支援の広がり 練馬区も同種の制度の検討を始めている。20年には286人の高齢者が「孤独死」したという。 青梅市はすでに、葬儀や納骨などを任せられる親族等がいない独居または高齢者のみの世帯で一定の条件を満たす人に、葬儀の生前契約をサポートする事業を行っている。
 社協による独自の終活支援も広がっている。2022年度から墨田区社協ではひとり暮らしの人を対象に、見守りから死後の手続きまでを有料でサポートする「すみだあんしんサービス」を開始した。契約時に契約支援料3万円と預かり金150万円を支払えば、3段階にわけて支援が受けられる。 
 足立区社協、中野区社協、品川区社協、文京区社協も同様に高齢者の見守り、入院時の対応、亡くなった後の事務手続きや遺言書作成などを有料で支援する事業を行っている。また、武蔵野市福祉公社、調布市社協も同様のサービスを提供している。
 終活支援に詳しい日本総合研究所の沢村香苗研究員によると、全国で30以上の自治体と社協が終活支援に独自で取り組んでいる。沢村さんは課題をこう語る。
「身寄りのないひとり暮らし高齢者の支援をどこの省庁が担当窓口になるかもまだ、決まっていない中、現場を持つ市区町村が国に先んじて対策に取り組んでいる。住む市区町村によって受けられる終活サービスに差が出ないよう国にも動いてほしい」
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

超高齢社会に対応するウエルネスタウン














能登半島地震で災害を受けられた皆様に心からお見舞いを申し上げます。そして亡くなられた方々のご親族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。   

能登半島地震の被害は直近で死者202人、安否不明者102人と発表されました。大変な震災に多くの方々が心を痛めておられると思います。今回の震災を通して多くの方々がお感じだと思いますが、被害にあわれた方々の中に、多くの高齢者が含まれていたことです。
随時更新【最新情報まとめ3】能登半島地震 死者は202人 安否不明102人
によれば、安否不明者のデータでは、安否不明者102人の中に、不明な方もおられますが、高齢者は58人、その内75歳以上の後期高齢者は約40人程度と思われます。恐らく死者においても半数以上が高齢者又は後期高齢者と思われます。   

県の報告書にも「石川県における65 歳以上人口に占める 75 歳以上(後期高齢者)人口の割合は、年々増加しており、令和2 年で半数を越え、令和7年以降は6割を越えて推移する⾒込みだが、令和 17 年以降は微 減となることが⾒込まれる。令和2年時点で、本県で最も高齢化率が高いのは珠洲市の 51.7%である」とあります。震災における死者202人の内、最も多かった珠洲市が91人と最多を占めるのもうなずけます。やはり、高齢化率が高ければそれだけ災害が起こった際には受けるダメージも大きくなります。   

今後も、後期高齢者の増加傾向は続き、団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025 年には、高齢者の 5 人に 3 人が後期高齢者になると見込まれています。https://www.pref.ishikawa.lg.jp/ansin/plan/documents/2bu.pdf
石川県後期高齢者推移石川県後期高齢データ













































超高齢社会における地域インフラの整備を急がねばなりません。地域に分散した医療と介護を集めるコンパクトシティ構想や福祉の街づくりウエルネスタウン構想の実現に向けて大きな舵を切らねばなりません。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

無縁遺骨、無縁墓の問題解決前回は身寄りの無い人の葬儀、そして無縁遺骨、無縁墓の処理にどれだけのコストがかかっているかについて考えてみたが、これからも今と同じやり方をしていたので、一体どれだけのコストがかかるのか、気が遠くなりそうである。

成年後見人同様に後手後手となっては費用負担は増えるばかりである。もっと前の段階で、身寄りの無い人に身元引受サービス事業者が身元引受人となり、「身元引受契約」、「金銭管理契約」、「死後事務委任契約」を締結しておけばこれらの問題はかなり解決するのではないかと考える。

日常金銭管理と死後事務委任を行う契約を身元引受契約の段階で結んでおれば、日々の金銭管理を通して最後の葬祭、納骨費用を捻出することができる。そして、もし万が一亡くなった場合には葬祭の手配から納骨に至るまでをその資金で処理をすることができる、そして残ったお金をご遺族にお渡しをすれば全てが収まるのである。 

生保の方も葬儀は葬祭扶助で対応することはできるが、全てが葬祭扶助の対象になるものでもない。その人にお金が残っておれば、そこから葬祭費用を少しでも捻出して、足りない分を葬祭扶助に充てることもできるのである。又、納骨も現在は様々な受け入れ墓苑があり、我々のロングライフサポート協会では全国どこでも送骨(そうこつ)を通して、2万円以下で納骨が可能となる。クーポンを使えば17000円程度で行うことが出来るのである。問題は誰がやるかである。

問題はこられの処理をバラバラに各団体が行うのではなく、一貫して行うことができればどれだけの無駄を省くことができるのか、専門家や行政の方々は考えて欲しい。

私共の身元引受は上記の方法で、その方の生涯を通して、できるだけ自分の財産で身辺整理をして頂くことを念頭にご本人と一緒に終活に取り組まさせて頂いております。生保を受給されている方も然りである。やり方を工夫すればできるのである。是非、皆様と共に知恵を絞りたいと思います。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

高齢者施設での金銭管理は利益相反おひとり様高齢者が増えることで、最近、高齢者施設で身元引受や金銭管理を行うところが散見されます。以前から施設で入所者の金銭管理を行う場合は利益相反に当たるのでやるべきではないという指摘がありますが、もう一度、その内容を「新日本法規WEBサイト【5】施設で入居者の金銭管理を行う場合」より確認しておきたいと思います。 

次のような相談事例を引用して詳しく説明していますので参考にされて下さい。

【相談内容】
当該施設への入所前の面接において、本人の金銭管理に不安な様子が見られました。本人は「入所後も自分で管理する」と言いますが、施設管理の方が安心であるため、入所契約の際に預り金管理契約を勧めていこうと思います。施設が管理する場合の留意点はありますか。

ポイント
① 利用者本人の依頼に基づかず、他人が金銭を管理することは、原則としてできません。
② 利用者と介護サービス事業所の間には、利益相反の関係があります。管理契約を締結するなど、施設側の管理責任を明確にした管理体制が必要です。
③ 利用者本人の判断能力の程度に応じて、適切に成年後見制度(法定後見制度、任意後見制度)を活用した管理方法を検討する必要があります。

【回答】   
1 、施設での金銭管理の在り方
財産権は、憲法29条により保障された人権です。自分の持っている財産を自由に使うことができます。したがって、本事例のように本人の意思に基づかず、「施設で管理した方が安心だし、本人のためになる」「金銭管理に不安がありそう」という支援者の主観的判断だけで、利用者の財産を預かることはできません。本人の意思を尊重することが原則です。本人だけの管理に不安が見られる場合は、支援者が不安に思う状況を本人と共有し、本人がより安心して安全に管理することができるような方法について、本人と一緒に検討していきます。その際、本人の意思決定能力を見極め、分かりやすい説明と必要な情報を提供するなど、意思決定支援のプロセスに沿って本人による意思決定を支援する姿勢が求められます。   

2 、利用者本人や家族等からの依頼に基づく金銭等の預かり
一方で、利用者本人から現金や預貯金通帳、印鑑等の預かりを依頼されることがあり、実際に施設等で金銭等を預かることが行われている現状があります。 これは、入所後の財産の保管や管理する場所がない、自分の預貯金を家族から守りたいなど、利用者本人側の事情による場合が考えられます。

他方、施設利用料を確実に受領したいなどの施設側の事情による場合もあると考えられます。一見すると、双方の利害が一致しているように見えますが、そもそも利用者と施設はサービスを受領する側と提供する側という、利益相反の関係にあることを忘れてはいけません。

本人の依頼に基づく場合であっても、利用者本人に、いわゆる管理等を委任する能力が備わっているのか、客観的に見極める必要があります。その上で、まずは施設の立替払い等、預り金を管理しない方法について検討を行い、預り金としてその管理を代行する場合においては、真に必要最小限にとどめるべきであることを考える必要があります。また、預り金を管理する場合においては、「管理規程」等を設けるなどして、規程に沿った適切な管理及び出納事務を責任を持って行うこ とが求められます。  

3 成年後見制度の活用による金銭管理
利用者が他者による金銭管理を希望し、その管理を委任する能力がある場合、方法として任意代理契約の活用を検討することができます。利用者自らの「誰に」「何を」「どのように」してほしいのかなどの意思が明確であり判断能力の衰えがなく、自らの力で契約をすることができる場合は、自らが選んだ人と任意代理契約を結び、金銭管理を委任することができます。   

施設において、預り金としてその管理を代行する場合、上記2のとおり必要最小限にとどめるべきであり、ある意味、本人の意思を十分に尊重して、本人が望む金銭の管理に応じることが難しくなります。本来、本人の財産は自らが管理し、その権利を行使することが保障されるべきですから、法的代理人により本人の意思を尊重した管理がなされるように支援することが大切です。   

また、判断能力が十分ではなく、任意代理契約を締結することができない場合は、法定後見制度を活用し、本人の意思を尊重し、本人にふさわしい生活を配慮して、本人の財産を適切に管理していくことができるよう支援していきます。

成年後見制度の活用は、財産管理だけではなく、身上配慮義務に従って、本人が望む生活を法律的に支援する仕組みであることを思い出しましょう。 ソーシャルワーカーとして、利用者に必要な支援を点ではなく面で支えられるように、本人にとって有効な制度やサービス、知識等の情報提供を行うなど、本人が主体的に考えていくことができるような働きかけを心掛けましょう。   

【弁 護 士 のアドバイス】
高齢者施設等における「預り金管理規程」等の考え方   

財産管理が煩わしい、あるいは自分にはできなくなった、盗難の可能性や家族による使い込みなどのリスクを回避するために、高齢者が財産管理、特に預貯金の入出金を施設に依頼する要望は強いと思いますし、実際にも管理契約が結ばれるケースが多数あるのが現状です。   

しかし、高齢者にとって預貯金を中心にした財産は快適な老後を支える資産である上に、一旦財産を失うとその回復が著しく困難であることから、経済的に破綻してそれまでの生活が維持できなくなるおそれがあります。さらに、もともと高齢者と施設の間には利益相反の関係にあることは疑いがありません。   

したがって、高齢者が施設に対し財産を預かってもらうとしても、①高齢者が施設との間で預り金の管理に関する委任契約(民643)あるいは準委任契約(民656)の契約当事者になれる場合であること(高齢者に意思能力があること)をきちんと確認しその経過を記録に保管しておくことが大前提になりますし、②高齢者との(準)委任契約の根拠となる預り金管理規程を作成することは不可欠であると思います。

この預り金管理規程には、①受任者の権限と責任の範囲を明確に定め、かつ、管理責任者を明記すること、②入出金の経過を裏付ける証拠書類(領収証、請求書)の保管を義務付けること、③高齢者が要求した場合はもちろんのこと、定期的に入出金の経過・内容については開示することを義務付け ること、
④預り金額は高齢者の日常生活に必要な限度の少額にとどめることを原則にすることなどは定めるべきでしょう。   

なお、このような預り金管理規程の有無にかかわらず、受任者たる施設には善管注意義務(民644)がありますし、高齢者(委任者)から施設が委任事務処理の状況報告を求められた場合は遅滞なく管理の経過や結果を報告しなければなりません(民645)。   

このように考えると、高齢者が施設に現預金を預けることには慎重であるべきこと、預り金処理の現実的な必要性がある場合でも契約を結ぶ高齢者の判断能力の確認、その保護のために預り金管理規程を作成し契約内容に十分に配慮すること、預り金処理の必要性が生じた以後は任意ないし法定後見制度の利用を積極的に検討することが必要といえるでしょう。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

新年あけましておめでとうございます権利擁護元年














新年明けましておめでとうございます。昨年から民間参加型の権利擁護の取り組みを模索してきましたが、今年はいよいよ本格的な活動が始まることが期待されます。

国や県、そして多くの行政が身寄りの無い社会の到来に併せて、従来の権利擁護の仕組みだけでは不十分ということを皆さんが強く認識しておられます。各地で民間組織を含む権利擁護の取り組みについて模索が始まっていますが、まだまだその道のりは途に就いたばかりです。

しかし、本格的な無縁社会の到来で、何をしなければならないかということだけは概念が形成されつつあるのではないかと思います。テーマは、身元保証、身元引受、日常金銭管理、死後事務委任、日常生活支援、そして財産処分と相続。従来、家族が行ってきたこれらのお仕事を専門家によって代替し、更に一つの制度として形をつくる段階にきていると考えます。

これまでの成年後見人制度(任意後見、市民後見等)や家族信託、金銭信託、行政による日常生活支援事業等々の制度を更にバックアップする制度と新しい組織をつくらねばなりません。

既存の民生委員、地域包括、社会福祉協議会、行政の高齢福祉課や保護課、そして居宅等の社会組織に加えて民間のサービス会社を包括した新しい権利擁護の仕組みを作らねばなりません。この仕組みは従来の介護サービスの延長上にはありません。

それぞの組織にはこれまでの実績とノウハウがあります。しかしながら、これまでのようにバラバラのノウハウと組織では1千万人と言われる権利擁護が必要な方々のフォローは出来ないのは火を見るより明らかです。間に合いません。

それぞれのノウハウを統合して、更にレベルアップした権利擁護の仕組みを早急に作る必要があります。今年は皆様と共に本格化する権利擁護の新しい姿を追い求めて参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

  令和6年元旦



このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ