東京都の23区内で年間高齢者の孤独死が4000人以上という事態に行政も本格的な対応を始めているようだ。東京都監察医務院の統計によると、単身世帯で自宅で亡くなる「孤独死」をした65歳以上の高齢者は、2020年に23区内だけで約4200人に達したという。5年前より1千人以上も増えたという。
その対策の一つとして取り組みが始まっているのが、自治体の終活情報登録事業である。
都内23区内の自治体も徐々にその取り組みを強化してきているが、その取り組みは途に就いたばかり。このレベルでは2025年問題、更に2040年問題はクリアーできない。
行政の限られた人的資源ではこれからおしかける多くの孤独死予備軍の高齢者を救うことはできない。東京都の令和2年の単身高齢者数は81万人、もう間もなく100万人を超えていくであろう。それに地域の自治体は耐えられるのか?
・・・・・・・・・・・・・・・
高齢者の孤独死、23区だけで年間4千人以上…自治体による終活支援の取り組みとは?研究員「住む場所でサービスに差が出ないよう国にも動いてほしい」YAHOOニュース2024.2.14
◆東京都豊島区が23区で初の終活登録を開始しているがまだその数は少ないようだ。登録事業を利用したのは60~90代の18人(2022年10月末現在)。うち12人は女性という。 終活あんしんセンターの運営を受託している豊島区民社会福祉協議会(社協)の天羽瞬一チーフは「ひとり暮らしの高齢者で認知症など支援が必要なケースが最近、増えている。身寄りがなく、区が後見人を申し立てるケースが以前に比べ、増加している」と話す。
◆社協による終活支援の広がり 練馬区も同種の制度の検討を始めている。20年には286人の高齢者が「孤独死」したという。 青梅市はすでに、葬儀や納骨などを任せられる親族等がいない独居または高齢者のみの世帯で一定の条件を満たす人に、葬儀の生前契約をサポートする事業を行っている。
社協による独自の終活支援も広がっている。2022年度から墨田区社協ではひとり暮らしの人を対象に、見守りから死後の手続きまでを有料でサポートする「すみだあんしんサービス」を開始した。契約時に契約支援料3万円と預かり金150万円を支払えば、3段階にわけて支援が受けられる。
足立区社協、中野区社協、品川区社協、文京区社協も同様に高齢者の見守り、入院時の対応、亡くなった後の事務手続きや遺言書作成などを有料で支援する事業を行っている。また、武蔵野市福祉公社、調布市社協も同様のサービスを提供している。
終活支援に詳しい日本総合研究所の沢村香苗研究員によると、全国で30以上の自治体と社協が終活支援に独自で取り組んでいる。沢村さんは課題をこう語る。
「身寄りのないひとり暮らし高齢者の支援をどこの省庁が担当窓口になるかもまだ、決まっていない中、現場を持つ市区町村が国に先んじて対策に取り組んでいる。住む市区町村によって受けられる終活サービスに差が出ないよう国にも動いてほしい」