無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

カテゴリ: 在宅医療

<前回に続く>

皮膚の形成や創傷治癒に亜鉛が密接に関与

 亜鉛がなぜ褥瘡治癒のキーファクターなのか。

 褥瘡の発生・治癒には蛋白質、アミノ酸、ミネラルなど多種の栄養素が関与している中でも、亜鉛は多数の蛋白質の構造・機能維持や酵素の活性・調整因子として機能している。近年、鈴鹿医療科学大学薬学部の西田圭吾氏や徳島文理大学薬学部教授の深田俊幸氏のマウスや培養細胞の研究により、亜鉛トランスポーターが皮膚での炎症性サイトカインの制御や、皮膚の上皮性組織の形成に必須であることが明らかになっている。(PNAS 2017;114:12087-8.)

 2016年に日本臨床栄養学会が発表した「亜鉛欠乏症の診療指針」においても、「亜鉛はDNAおよびRNAポリメラーゼ、転写因子やリボソームなどの機能に不可欠であり、核酸や蛋白合成に必須であり、さらに抗酸化作用を有することから、創傷治癒において、亜鉛欠乏状態では炎症の遷延化や線維芽細胞の機能低下により創傷治癒の遅延が見られる」と記載されている。

 亜鉛投与による褥瘡改善効果は、海外で行われたランダム化比較試験(RCT)で認められている。褥瘡患者16人を対象に、通常食に亜鉛・アルギニン・ビタミンCの栄養補助食品を加えた群と、通常食に高蛋白質・高熱量の栄養補助食品を加えた群、通常食のみの群に分け、3週間経過を観察した。その結果、通常食に亜鉛・アルギニン・ビタミンCの栄養補助食品を加えた群では、他の2群に比べて褥瘡の状態が有意に改善した。( Clin Nutr. 2005;24:979-97.)

 亜鉛は食品を加工する過程で失われやすく、インスタント食品や加工食品に偏った食事で不足しがちになる。亜鉛とキレ―トを形成する薬剤や亜鉛の吸収障害、排泄促進作用のある薬剤の服用も亜鉛欠乏の原因になる。寝たきり高齢者は栄養の偏りや服用中の薬剤により亜鉛欠乏症を来し、褥瘡を起こしやすいと考えられるわけだ。

<次回に続く>

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褥瘡の治療では、局所から全身に目を向け、栄養管理を行っていく必要があるというのは以前から言われていたことですが、今回、「褥瘡治癒の決め手は亜鉛にあった」との報告がなされています。これまで褥瘡を出す施設はレベルが低いと言われ続けてきましたが、一旦、褥瘡になるとなかなか治らないものです。今回の亜鉛欠乏を補完することによって比較的短期間で感知することが出来るという報告は朗報です。ご紹介をさせて頂きます。
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リポート◎木を見て森を見ずの褥瘡治療
褥瘡治癒の決め手は「亜鉛」にあったコラーゲンペプチドの上乗せ効果も

2018/2/15

本吉 葵=日経メディカル

高齢者褥瘡治療では、体圧分散や創傷のケアといった局所療法に注力してしまいがち。しかし体圧や皮膚バリア障害はきっかけにすぎず、発症の基盤には、亜鉛欠乏をはじめとするミネラルや蛋白質の不足に起因する皮膚の脆弱性がある。

褥瘡の治療では、局所から全身に目を向け、栄養管理を行っていく必要がある。

褥瘡の主な要因は亜鉛欠乏にある」。こう断言するのは、東御市立みまき温泉診療所(長野県)顧問の倉澤隆平氏である。

 図1を見ていただきたい。約6年にわたり、病院と施設を行ったり来たりしていた79歳患者の難治性褥瘡が、亜鉛補充療法開始後、約50日でほぼ治癒している。

イシジンシュガー+プロマック投与だけで治癒

 局所療法はイソジンシュガー(一般名ポビドンヨード配合軟膏)のみ。約1週後には、潰瘍面がやや乾いた感じとなり、潰瘍もやや縮小し始めた。2週後には滲出液がほとんどなくなり、潰瘍は、さらにぐっと縮小した。さらに2週後には滲出液がほとんどなくなったので、イソジンシュガーをデュオアクティブ(ハイドロゲル創傷被覆・保護材)に変更した。

 あらゆる局所療法でも、数年間の長期にわたり治癒しなかった褥瘡が、たった2カ月弱で治癒した。数年に及ぶ病院、施設で種々の治療を受けてきた患者。変えたことといえば、亜鉛含有製剤のプロマック顆粒15%(ポラプレジング)1g/日を投与したことだけだった。

 亜鉛補充療法の前後で、Alb値は3.0→3.1g/dLと低値のままだ。「Alb値は多少低くても、極端な低栄養状態でなければ、亜鉛欠乏による代謝異常の改善だけで褥瘡は治癒する。そして、亜鉛の不足を改善して、維持すれば再発予防も可能であり、他に適度な局所の除圧を行えば十分」と倉澤氏は語る。

「褥瘡の主な要因は亜鉛である」と主張するみまき温泉診療所の倉澤隆平氏。

 この一例だけにとどまらない。倉澤氏はポケット(死腔)形成の仙骨部褥瘡、広範皮下膿瘍、ほぼ骨膜に達する深い組織欠損や脊髄損傷を伴う褥瘡に対しても、プロマックのみの追加投与により褥瘡を治癒させてきた。

 倉澤氏は、「亜鉛補充による全身療法と適度な局所療法でほとんどの褥瘡は治癒する。皮膚の脆弱状態は亜鉛欠乏による酵素の機能不全から代謝異常が起こり、治癒が遷延するもの。皮膚の状態を回復すれば、多少の圧迫で局所の血行障害が生じても、褥瘡は発症しない」と説明する。 
<次回に続く>


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『東京物語』を見れば「在宅医療」普及のヒントがわかる

 もちろん、政府としても無為無策なのではなく、身近な医療ニーズに対応してくれる機能を持つ「かかりつけ医」を持つように推奨しています。さらに、生活全般を支えてくれる能力を有した医師として、「総合診療医」という専門医制度もスタートする見通しです。

 確かに医師の育成に10年程度を要するため、こうした政策が上手くいくかどうか分かりませんし、人材を育てれば済む話ではありません。しかし、『東京物語』を観ると、「患者と医師の信頼関係を構築できる人材育成こそ、在宅医療を普及させる王道ではないか」という示唆が得られると考えています。

◆図:戦後の日本人の「死に場所」


出典:厚生労働省「人口動態調査」を基に作成。1994年まで老人ホーム
での死亡は、自宅又はその他に含まれる。
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各地で在宅医療を考える講演や講座が開催されるようになりました。多死社会を迎え、死というものが身近なものになりつつあります。事前の準備は早いにこしたことはありません。兵庫県において医療・介護関係者が参加する公開講座が開かれます。大勢の参加が望まれます。
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2018/1/31 05:30神戸新聞NEXT


最期をどこで迎えるか 在宅医療考える公開講座

高齢化が進み、年間の死者は130万人を超える「多死社会」を背景に、自宅でのみとりを推進しようと、国は在宅医療の担い手を増やす取り組みを進めている。最期をどこで迎えるのか。考えるきっかけになりそうな催しが2月、相次いで開かれる。(片岡達美)

 2016年の国内死亡者のうち76%が医療機関で亡くなり、自宅は13%にとどまる。こうした状況で「どうすれば最期まで安心して在宅で過ごすことができるのか?」をテーマに、医療・介護関係者が参加する公開講座が11日午後1時半~4時、アスピア明石(兵庫県明石市東仲ノ町)の北館7階で開かれる。

 がん患者と家族でつくる「ゆずりは明石」主催。同市を中心に在宅医療に携わる清水メディカルクリニック(松が丘2)の清水政克副院長(44)が、東播磨の状況を踏まえながら、都市部での在宅医療の現状について問題提起。病院と自宅でそれぞれの有利、不利や、末期がん患者の在宅医療の現状などについて話す。続いてケアマネジャーや行政書士も加わって意見交換。要介護認定や医療費、成年後見制度など聴講者の疑問にも答える。

 「どんな状況でも最期まで家で暮らしたい気持ちがあれば手だてはある」と清水さん。「在宅医療をより具体的にイメージしてもらえるよう、材料を提供できたら」と話す。

 参加費700円。事前申し込みは不要だが、当日先着120人。ゆずりは明石TEL080・4822・1331(平日午前10時~午後3時)

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2025年に在宅医療を受ける高齢者は100万人に及ぶと厚労省の推計がでています。医療費の抑制も狙って入院患者を在宅医療に移すといいますが、訪問医療も看護も、介護も人材不足です。100万人の在宅医療の為に、医師、介護士、介護士が何人必要かの試算はしているのでしょうか?
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在宅医療、2025年に100万人超 厚労省推計

生田大介

  

朝日新聞 2018年1月26日12時00分 

団塊の世代がすべて75歳以上となる2025年に在宅医療を受ける人が100万人を超えることが、厚生労働省の推計で分かった。現在の1・5倍以上の規模になる。各都道府県は国の算定方法に基づく詳細な推計を実施。これを踏まえて年度内にまとめる医療計画で、在宅医療の態勢作りを加速させる方針だ。

自宅や介護施設で訪問診療を受けた人は16年6月時点で約67万人いる。厚労省は今後の高齢者の増え方を考慮し、25年の利用者数を約100万人と推計。現在の入院患者のうち、軽症で本来は入院の必要がない高齢者らが25年時点で約30万人いるとして、その一部も在宅医療の対象に加えた


 医療費の抑制も狙い、政府は入院患者を在宅医療に移す流れを進めている。25年の入院患者用のベッドは現在より10万床以上減らして約119万床とする計画だ。その分、在宅医療の受け皿を増やすため、24時間態勢で診療したりケアをしたりする医療機関や介護事業者への報酬を手厚くして後押しする。

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