無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

カテゴリ: 介護

高齢者虐待急増














家庭での養護者や養介護施設従事者による虐待が止まらない。養介護施設では相談件数は過去16年間で10倍、虐待判断件数は約16倍に、そして家族の養護者による虐待もそれぞれ約2倍、約1.3倍に増加している。死亡については2022年においては養介護施設従事者で8件、養護者で32件と、家庭での虐待死が圧倒的に多い。

施設では多くの目があり、虐待に至る事案の発見は多いが、死亡に関しては家庭での介護者による虐待死が圧倒的に多い。家庭での虐待相談件数では一番多いのは警察で34%を占める。次は介護支援専門員で25%を占めている。外部からの通報が多いのである。裏を返せば、誰も気が付かなところで虐待が行われているケースが多いと思われる。

高齢者虐待の虐待者側の要因で一位は介護疲れ、介護ストレスである。高齢者施設での人手不足、また、家庭での介護者の不足がいずれもストレスとなって、高齢者の虐待につながっているのではないかと思われる。当然、介護知識の不足や情報不足もその要因かと思われるが、施設や家庭での介護力が落ちているのは否めないのではないだろうか。2025年に23万人、2040年には69万人の介護者の不足を考えるとこれから一体どれだけの虐待が起きるというのか、考えるだけで怖くなる。
高齢者虐待理由





















家庭における高齢者虐待問題~根絶への課題と取組み~

㈱第一生命経済研究所 2024.2.21  
 1.収まらない高齢者虐待   
厚生労働省から、2022年の「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(以下、高齢者虐待防止法)」に基づく対応状況等に関する調査結果(以下、調査結果)が公表されている(2023年12月22日)(注1)。

養介護施設従事者等(注2)による虐待に関する相談・通報件数は過去16年間で約10倍に、虐待判断件数は約16倍に増加しており(図表1)

養護者(注3)による虐待についても、それぞれ約2倍、約1.3倍に増加している(図表2)。

また、虐待が死亡に至るケースも、2022年において養介護施設従事者等で8件、養護者で32件発生している。   

2016年4月施行の高齢者虐待防止法により、虐待防止等に関する国・都道府県・市町村・国民の各責務、および虐待を受けた高齢者の保護及び養護者に対する支援の措置等が定められ、様々な取組みが行われている。しかし、相談・通報件数、虐待判断件数の増加傾向は改善されていない。
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介護監視体制













訪問介護士が訪問先で1万円の窃盗で逮捕という記事が出て、ずっと違和感を感じていました。ご利用者の自宅の見守りカメラに写っていたという決定的な証拠がある限り、罪は免れません。1万円という金額の問題よりも、以前からご利用者の口座から残高が減っていたり、現金がなくなっていることがあり、親族が監視していたのです。

この手の窃盗は以前から介護訪問先や施設内でも起きていましたが、マスコミが異常なぐらいにこの内容を報道し続けています。今回の報道で、監視カメラをつける家族や親族が増えるのではないかと危惧します。介護をするものとされるものの信頼関係が崩れつつあるのではないか、そんな思いが募ります。施設内でも同様です。

更に、介護虐待を専門に扱う弁護士も出てき始めています。介護の監視が強まるのではないかと気がかりです。

介護現場にて監視体制が強化される「金欲しさにやった」介護福祉士(48)の女逮捕 

FNNプライムオンライン2024.2.19 
 介護福祉士の女が、訪問介護中に現金1万円を盗んだ疑いで逮捕された。被害に遭った女性の親族が設置した見守りカメラに犯行の様子が映っていたという。 2023年12月、70代の女性宅を訪問介護のために訪れた平間容疑者。この時、現金1万円を盗んだという。当時、被害に遭った女性は不在だったが、その犯行を見ていたモノがあった。それは「見守りカメラ」。以前にも女性の口座の残高が減ったり、現金がなくなっているということが起きていた。そこで親族が設置したものだった。複数の余罪についてもほのめかしていて、警察が詳しく調べている。
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東洋経済介護崩壊














 2月27日付、週刊東洋経済(こんな介護保険に誰がした!)は読みごたえのある内容であった。 ここまで辛辣に現在の介護保険の問題点とその事象を紹介した記事は最近他社では例を見ない。書かれている内容もほぼ正しい認識のもと書かれているものであり、是非、皆さんも目を通してもらいたい。  

急増する単身高齢者は介護保険だけでは救えない
東洋経済オンライン2024.2.13 
身元保証代行サービスはトラブルが続発 制度の整備は遅れ、人材も不足。単身高齢者が行き場を失くしている。 今は当たり前のように使える介護サービスだが、職員不足に歯止めがかからず、これまでにないレベルの崩壊が起きている。『週刊東洋経済』2月17日号の第1特集は「介護 異次元崩壊」だ。「自宅で最期まで」――。10年後は、そんな希望はかなわないかもしれない。  
ちなみにその内容は次の通り。目次を紹介しておきたい。是非読んでみてください。

特集はヘルパーが消える、サービスが受けられなくなる日 介護 異次元崩壊というショッキングなもの。  

カバーストーリーは「80歳超のヘルパーが奮闘、人手不足で崩壊寸前」 インタビューは上野千鶴子氏で「24年目の介護保険、改良史か?黒歴史か?  

パート1の内容は、
①介護職不足の衝撃 夜勤密着ルポ! コールがなりやまない22人に1人だけの対応「特養」は崖っぷち
②人手不足なのに報酬減の試練、存続の危機に直面する訪問介護
③縮小は避けられない?介護保険の将来像  

パート2の内容は、
①介護崩壊の果て、部屋に閉じ込める、薬で動かないようにする過去最多の高齢者虐待
②急増する単身高齢者は介護保険だけでは救えない
③精神科病院で多発する認知症の人への身体拘束
④国が就労での利用をみとめない障害者介護の死角
⑤過剰な介護サービスが給付費の無駄を生む ケアマネは「集客マシン」か  

パート③の内容は。
①踊る介護企業 改革の手法はコンサル仕込み 大規模化と収益増を図る投資ファンド
②SONPOケア実証実験の成否
③「看取りビジネス」急拡大の危うさ
④介護保険料が人材紹介会社に流れる  

パート④の内容は、 介護難民にならないために! 主治医やケアマネ選びに要注意 要介護認定の思わぬ落とし穴
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2040年問題














以前から2025年問題が指摘されてきたが、今日まで効果的な手は打てていない。介護人材不足は極めて顕著であり、介護事業所の倒産・休止の件数も増加している。スタッフは介護業界からの転出が転入を上回っている。要は、瀕死の状態になりつつあるのに、今度は2040年問題である。   

2040年問題とは二次ベビーブームに生まれた「団塊ジュニア世代」が65~70歳になる。65歳以上の高齢者人口は35%以上になると予想され、ピークとなる。 さらに経済を支える現役世代が急減し、労働力不足は深刻となり、社会保障財源はひっ迫すると予想されている。介護職員数も高齢者人口が増える同時に不足していき、2040年までには現状よりも約69万人増やす必要があると予測されている。これが2040年問題である。   

厚生労働省の資料によると、2025年度に必要な介護職員は約243万人。2019年度の介護職員数が約211万人で、2022年度には214.9万人と3年間で3.9万人しか増えていない。このままでは2025年度には約28万人の介護職員が不足する計算になる。 さらに2040年度には280万人の介護職員が必要と予測され、2019年度を基準とすれば約65万人を追加で確保しなくてはならないことになる。   
介護人材不足予測












最近のように年間1万人程度しか採用できないとすれば、65年かかるのである。このままでは事実上日本の介護は破綻する。年間4万人以上の介護従事者を確保できなければ日本の介護は維持できないということになる。   

2040年度に69万人不足する「介護 異次元崩壊」 ヘルパーが消え、サービスを受けられなくなる日 
今は当たり前のように使える介護サービスだが、職員不足に歯止めがかからず、これまでにないレベルの崩壊が起きている。   

『週刊東洋経済』2月17日号の第1特集は「介護 異次元崩壊」だ。「自宅で最期まで」――。10年後は、そんな希望はかなわないかもしれない。   

2040年に介護職員が69万人不足!?政府の対応は?   

2025年問題から2040年問題へ 2025年には、約800万人に及ぶ「団塊の世代」が75歳以上の後期高齢者になります。 さらに65歳以上の高齢者を含めると、国民の約30%が高齢者となるのです。 高齢化率が急上昇することで生じる医療費や介護費の増大、介護人材不足などのさまざまな問題を、国は「2025年問題」として対策してきましたが、その効果は全く見えない。その上に、今度は2040年問題が日本の超高齢社会に立ちはだかる。   


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介護殺人














長年介護をしてきた妻が介護疲れの末、要介護4」、寝たきりの状態で、人の手を借りなければ生活が営めなかった夫を30カ所以上刺した事件が下記の書籍で取り上げられている。

今日本で親族殺人が増加している。その中でも老々介護事件という悲惨な状況が増加している背景に何があるのか?

良しにつけ悪しきにつけ、親族というフィルターがかからなくなった社会で、家族という最も身近な人間同士の憎悪が増幅している。助けるものが近くにいないだけに、介護や、貧困、引きこもり等の理由により、一旦感情がもつれると、その怒りは止まらない。

一般に、刺し傷の多さは、(1)被害者に対する恨み、あるいは、(2)必ず殺人を遂行するという決意、のどちらかの理由によるという。この妻の胸に去来した感情は、果してそれらの感情だったかと、記載されているが、双方の強い思いがあったのであろう。 これから一体どれだけの老々介護殺人がおきるのであろうか。  

介護、貧困、引きこもり「今殺さなければ、殺される」家族が家族を殺す時 近親殺人  石井光太氏著作 新潮文庫 とう本を紹介する。 

「子供嫌い」の母による虐待殺人、介護疲れの妻が夫を30カ所以上刺した「老老介護殺人」 家族が密になってしまうことの恐ろしさ  YAHOOニュース2024.2.9   

今日本で起きている殺人事件の約半数が親族間で起きていることを我々は知らねばならない。そしてここ数年親族策人が増加し続けていることに日本の病巣がある。今回は特に老老殺人事件に注目したい。従来の「介護疲れの娘や息子の嫁」が要介護者(親)を殺める、のではない。浮かんでくるのは、「介護殺人」の中でもさらに厄介な、「老老介護殺人」という現実なのである。
 「もともと殺人事件は、親族内で発生する確率が高い犯罪だ。20年版「犯罪白書」によれば、19年に起きた日本国内874件の殺人のうち、54.3%は「親族」間で起きている。友人・知人など、加害者と被害者が「面識あり」の35.6%、「面識なし」の9.4%を大きく引き離す。その割合は、17年は49.4%、18年に51.0%、そして19年が54.3%だから、ここ数年、増加傾向が続いている。」ここ数年、時代を象徴する事件形態としてクローズアップされているのが、やはり「家庭内殺人」のひとつである「介護殺人」だ。18年版「犯罪白書」では、高齢者を65歳以上と定義、その上でこう解説している。    
〈(親族殺の中でも、配偶者殺では)約5割は被害者が精神・身体のいずれか又は双方の障害を有し、約3割は被害者が要介護・寝たきりや認知症の状況にあり、犯行の背景に、将来悲観・自暴自棄、介護疲れや問題の抱え込みといった事情がある〉
 先の『近親殺人』の中で石井氏がレポートしているのが、15年1月に千葉県で起きた「夫殺し」だった。77歳の元看護師の妻が、72歳の夫を全長34センチの柳葉包丁で刺殺。夫は「要介護4」、寝たきりの状態で、人の手を借りなければ生活が営めなかった。妻を苦しめたのが、夫の〈脳出血による排尿障害〉だった。 

この事件では、夫の全身に30カ所以上の、包丁による刺し傷が残されていた。包丁は根元から曲がり、心臓や肺を貫通していた。      

裁判では「妻は介護で心身ともに疲れていた。うつ状態に陥って、無理心中しようと思い悩んでの衝動的犯行」と認定された。懲役3年、執行猶予5年が、彼女の量刑だった。
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