無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

カテゴリ: 医療制度改革

従来から言われていた病床過剰地域における非稼働病棟の削減について、ついに都道府県が措置命令を出すことが検討されているようです。当然といえば当然です。病床の流動化を進めねばなりません。
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病床過剰地域、非稼働の病棟は削減対象に
地域医療構想「整理案」、WGが大筋了承

CBnews 2017年12月13日 15:55

厚生労働省は13日、医療計画の見直し等に関する検討会のワーキンググループに対し、地域医療構想の進め方についての「議論の整理案」を示し、大筋で了承された。病床過剰地域の病床を削減するため、病床がすべて稼働していない病棟を持つ医療機関に都道府県が措置命令・要請を出すことなどが柱。2018年1月に開催予定の同検討会で、この案を報告する。【新井哉】

病院は減少傾向にあり、一般診療所は増加傾向であることがわかりました。一般診療所は費用の増加で損益が減少しているとはいえ、「医業収益」が前年比0.2%増の1億4,649万6,000円、「介護収益」が同1.8%増の412万3,000円、給与費や医薬品費などを含めた1施設当たりの平均費用は、同0.7%増の1億3,686万5,000円。収益から費用を差し引いた1施設当たりの平均損益差額は1,375万4,000円で、平成28年3月末までに終了した事業年(年度)の1,435万円を下回ったと言われます。利益率にして9.38%ですので、介護の平均利益率3.3%よりは大幅に利益を出していることになります。このことは来年の診療報酬改定に反映されるのでしょうか?
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医療施設、前年比412施設増加で17万9,323施設に 一般診療所は費用の増加で損益が減少

2017年12月09日 14時00分 MONEYzine

病院より規模の小さい一般診療所は全国的に増加傾向にあり、9月末時点の施設数も1年前より増加しているようだ。

 厚生労働省は9月26日、平成28年の「医療施設(動態)調査・病院報告の結果」を発表した。調査における「病院」は医師・歯科医師が医業・歯科医業を行う場所で、患者20人以上の入院施設がある施設のこと。「一般診療所」は医師・歯科医師が医業・歯科医業を行う場所(歯科医業のみは除く)、「歯科診療所」は歯科医師が歯科医業を行う場所で、それぞれ入院施設が患者19人以下、もしくはゼロの施設のこと。

 平成28年10月1日時点の全国の医療施設は、前年比699施設増の17万8,911施設だった。内訳を見ると、「病院」が同38施設減の8,442施設、「一般診療所」が同534施設増の10万1,529施設、「歯科診療所」が同203施設増の6万8,940施設だった。平成8年のデータを見ると、全国の医療施設数は15万6,756施設で、内訳は「病院」が9,490施設、「一般診療所」が8万7,909施設、「歯科診療所」が5万9,310施設。この20年間で「一般診療所」と「歯科診療所」が大きく増加した。

 なお、厚生労働省が11月29日に発表した「医療施設動態調査(概数)」によると、9月末時点の全国の医療施設数は17万9,323施設で、前年10月1日時点より412施設増加した。内訳は「病院」が8,415施設に減少、「一般診療所」が10万1,976施設に増加、「歯科診療所」が6万8,932施設に減少した。病院より規模の小さい一般診療所は、全国的に増加傾向が続いている。

 一方、厚生労働省は医療機関などを対象に「医療経済実態調査(医療機関等調査)」を実施して収益動向などを調査し、その結果を11月8日に発表した。

 調査結果のうち、「一般診療所」(対象施設数1,156施設)の平成29年3月末までに終了した事業年(年度)の損益状況を見ると、1施設当たりの平均収益は、入院や外来診療などの「医業収益」が前年比0.2%増の1億4,649万6,000円、「介護収益」が同1.8%増の412万3,000円だった。

給与費や医薬品費などを含めた1施設当たりの平均費用は、同0.7%増の1億3,686万5,000円。収益から費用を差し引いた1施設当たりの平均損益差額は1,375万4,000円で、平成28年3月末までに終了した事業年(年度)の1,435万円を下回った。

 一般診療所は施設数が増加傾向にある中、1施設当たりの収益はわずかながら増加していた。しかし、費用も増加傾向にあり、最終的な損益は減少傾向にあるようだ。

ニッセイ基礎研究所から個人の生涯医療費関係の報告がされています。このような数字を見るのは初めてでしたが、改めてその大きさに驚きます。個人の生涯医療費は、2015年度のデータで男性が2,580万円、女性が2,820万円だった、ようです。
一度この金額の国際比較をしてみたいものです。この数字が果たして高いのか、妥当なのかは専門家の更なる調査を待たざるを得ませんが、日本の医療費が高いのではないかという印象を受けてしまいます。
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増加を続ける国民医療費・個人の生涯医療費

ニッセイ基礎研究所 
基礎研REPORT(冊子版)12月号

保険研究部 准主任研究員   村松 容子

 
2017年12月07日

70歳以上で生涯医療費の半分

 個人の生涯医療費は、2015年度のデータで男性が2,580万円、女性が2,820万円だった[図表5]。男女とも70歳以上で生涯医療費のおよそ半分を使う(男性47%、女性53%)。

男女を比較すると、20~49歳と75歳以上で女性の医療費が高い。20~49歳の女性の医療費は、この年代の女性特有の「妊娠、分娩及び産じょく」によって、同年代の男性を上回ると考えられる。

女性の85歳以上が極端に高くなっているのは、年齢別の内訳を5歳刻みで表記しているのに対し、85歳以上は死亡するまでを合算しているからである。その期間は、男性平均6.22年、女性平均8.30年(85歳の平均余命)である。

生活医療費も、時系列でみると増加している。

図表5:障害医療費推計の年齢別内訳

地域での医療に若者が活路を切り開く、本当に素晴らしいことだと思います。そして、医療とは何かを教える教育の重要性を強く感じます。
このような記事をみると本当に救われます。地域医療の在り方に取り組むこのような先生方を是非、応援したいと思います。
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格差広がる地域医療、若者に活路

第4景・地域の形(8)

福井新聞2017年12月5日 午前7時20分

「立ち上がるときに膝から下が痛いんや。ええ体操を教えてほしいわ」。間口義一さん(71)の問いかけに、福井県高浜町国保和田診療所の医師、井階友貴さん(37)は「お風呂に入ったらゆっくり筋肉を伸ばしてみてくださいね」。

 同町の関屋集会所。持病がある高齢者7人が井階さんの診察を受けた。「ナンテンの木を切ってたら、ひっくり返ってしもた。足は痛いし、頭にはこぶができた。木を切るのに人を頼んだら金がいるしな」。80代の女性には「そうですね。でもあまり無理せんといてね」。

 井階さんは毎週火曜日、町内8カ所を1カ所ずつ巡回診療している。間口さんは「日ごろの生活についても時間をかけて聞いてくれる。病院ではこうはいかないから、本当にありがたい」と話す。

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 「人と人の関係性の中で医療を提供したい」

 井階さんは地元兵庫県の総合病院の内科医を辞め2008年、同診療所にやって来た。

 受け入れ側の高浜町は医療崩壊の危機に直面していた。00年には13人いた医師が、08年には5人に減った。地域医療の再生を目指す町と、井階さんの思いが一致した。

 県内の医師数は、実は増加している。04年の1672人に比べ、14年は1896人で13・4%増。ただ嶺南地域は5人減、奥越地域は6人減。県内で「無医地区」またはそれに準ずる地区は10カ所あり、高浜町など嶺南地域で8カ所を占める。10万人当たりの医師数も福井・坂井(福井、坂井、あわら市、永平寺町)は339・1人だが、嶺南は164・2人、奥越になると113・7人と、地域間格差が広がっている現状が浮かび上がる。

井階さんは、地域医療を続ける方策として「医師の教育の提供」を第一に挙げる。町と福井大は連携し、09年度から同診療所などに、同大医学部の講座を開設。井階さんは同大講師として、学生や研修医に外来、巡回、訪問診療など地域に寄り添う医療を教えている。

 学生たちを呼び込むために、海水浴場での救護体験と地域医療の研修を組み合わせたツアーの企画やホームステイなど、ユニークな仕掛けも実践。学生や研修医の数は08年度は48人だったが、16年度は122人になった。そして、ここで研修を受けた医師ら3人が今年4月に移住し、活動の輪に加わった。

 09年には地域医療のためにできることを実行する有志団体「サポーターの会」が発足。月に1度は健康について語り合う「健高カフェ」を開いている。井階さんが目指す「地域全体で医療を支える」形ができつつある。

 肺炎を治療した高齢者から「治ってもまた苦しむかもしれない。そのままにしておいてくれたらよかったのに」と言われるなど、現実を突き付けられることもある。井階さんは「地域医療とは病気を治すだけでなく、近い距離で安心感を与えてあげること。生活や人生を支えてあげること」と話す。

 巡回診療の関屋集会所。終わりかけに、90代の女性がふらりとやって来た。「先生に会いたかったんや。頭は痛いし、急に(胸が)ドンドンしてきた。私は先生に家に来てもらって死にたいんや。頼むの」。井階さんは言葉の代わりに、穏やかな笑顔でこたえた。

医師の偏在対策、これも都道府県に押し付けでしょうか?大学に医学部を設けたのは都道府県なのでしょうか。医療は西高東低と言われています。九州の国立大学には全て医学部があり、医師の数が過剰とも言われています。

又、現在看護学部の新設が全国で急増しています。これも後、20年もすれば過剰と言われています。この設置も国の認可があってのことでしょう。

これからの少子高齢化と人口減少を見越して、都道府県における適正な医師、看護師の配置を国が責任をもって、調整すべきないようではないでしょうか。都道府県の調整力では限界があるはずです。都合が悪くなると現場に責任を押し付けるやり方は改めるべきです。
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医師の偏在対策 都道府県の調整力が問われる

12月4日(月)6時0分 読売新聞

地方の医師不足が深刻化している。地域医療を守るために、実効性ある是正策が求められる。

 厚生労働省の検討会が医師の偏在対策に関する論議を進めている。年内に報告書をまとめる。

 柱となるのは、都道府県の役割と権限の強化である。医療計画の一環として、医師確保の目標や具体策を盛り込んだ「医師確保計画」の策定を法制化する。

 確保計画に実効性を持たせるため、都道府県が大学医学部に「地元出身者枠」の設定・増員を要請する権限を設ける。臨床研修を行う病院の指定や定員の設定も、都道府県が担うようにする。

 大学医学部・病院からの医師派遣についても関与を強める。

 現行では、医療計画に医師確保策を記載する規定はあるものの、内容に具体性を欠く事例が多い。医師の確保・定着にとって重要な医師養成課程に関する都道府県の発言力が小さいなど、対策に限界があることも一因だろう。

 医療関係者の自主性に委ねた取り組みでは、是正されなかった。医療提供体制に責任を持つ都道府県の権限を強めて、一定の強制力を持たせる狙いは適切だ。

 都道府県別の10万人当たりの医師数は、最多の京都府と最少の埼玉県で2倍の開きがある。都道府県内の格差も数倍の地域が少なくない。地方では医療機関の縮小や閉鎖が目立つのが実情だ。

 政府は、医学部の定員増や地域医療の担い手を育てる「地域枠」設定を進めてきたが、地域間の偏在解消にはつながっていない。

 医師の4割は地方勤務の意思を持っている。20歳代では6割に上る。一方で、キャリア形成や労働環境に不安を抱く医師は多い。

 都道府県と大学医局が連携し、地方勤務を組み込んだキャリア形成プログラムを作る。休日の代替要員確保などで負担軽減を図る。不安払拭ふっしょくに知恵を絞りたい。

 報告書には、地方勤務を経験した医師の認定制度の導入も盛り込まれる方向だ。一部の病院長の就任要件にして、医師不足地域での勤務を後押しする目的がある。

 認定を就任要件とする医療機関の範囲が狭ければ、効果は限られよう。検討会では、診療所の開業要件にすべきだとの声もある。

 医師過剰地域の診療所開設を抑制する必要もある。厚労省は地域別の医療需給の情報を提供し、医師の適切な判断を促す方針だ。

 こうした是正策がうまく機能しなければ、より強制的な手法も検討課題となるだろう。

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