無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

カテゴリ: 医療制度改革

医療事故の増加が止まりません。その数は4095件、内、死亡事故が261件と言われます。この数は法令で報告が義務付けられている大学病院や国立病院が9割を占めますので、一般の病院まで含めるとどれだけの数に及ぶのでしょうか?アメリカの死因の第3位が病院での医療事故という話を聞いたことがあります。日本もそのようになりつつあるのでしょうか?病院はリスクです。
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17年医療事故4千件、最多更新
評価機構への報告


岩手日報 2018/03/29

 日本医療機能評価機構(東京)は29日、2017年に全国の医療機関から報告があった医療事故は前年比213件増の4095件で、年単位の集計を始めた05年以降、最多を更新したと発表した。

 事故情報の収集事業に参加している1049の医療機関のうち、375施設から報告があった。機構は「事故が起きたら報告するという流れが定着しつつある」としている。

 法令に基づき報告を義務付けられた大学病院や国立病院機構の病院などからの報告が3598件と、9割近くを占めた。このうち死亡事例が261件(7・3%)、障害が残る可能性が高い事例は361件(10・0%)だった。

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「医療外付け型」の併設施設という言葉が初めて出てきました。医療法人が行う介護事業については何でもありの様相を呈してきました。これを医療改革というのでしょうか?医療に無制限に介護を開放する、少子高齢化で病院の患者が減るので、空いた病室で介護事業をやれと言っているようなものです。いつから医療と介護を混在させるようになったのでしょうか?このままでは従来の老人病院がぞくぞくと誕生することになります。時代の流れに逆行する動きです。その真相を正したいと思います。
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メディ・ウオッチ2018年3月29日|介護保険制度

病院の一部を介護保険施設等に転換する「医療外付け型」、設備共用規定などを整理―厚労省

例えば、病院の一部病棟に医療従事者を集中させ、「病院・診療所」と「介護保険施設等」とにする、といった、いわゆる「医療外付け型」介護保険施設等が拡大することを踏まえ、施設・設備等の共用要件などを整理する―。

 厚生労働省は、こういった内容の通知「病院又は診療所と介護保険施設等との併設等について」を3月27日に発出しました。

医療内包型の【介護医療院】と併せて、「医療外付け型」の併設施設の拡大が予想される

 介護療養病床等の存続根拠となる経過措置が廃止されることに伴い、新たに▼医療▼介護▼住まい―の3機能を併せ持つ【介護医療院】が創設されました。

 この【介護医療院】創設論議をしていた、厚労省の「療養病棟の在り方等に関する検討会」や「社会保障審議会・療養病床の在り方等に関する特別部会」では、

このほかに「医療機関と居住スペースとの併用」をより柔軟に実施しやすくする仕組み(いわゆる医療外付け型)の検討も行われました。

例えば、「看護配置25対1の医療療養について、病棟の一部に看護職員を集中させて20対1医療療養などにアップグレードし、残りの病棟を人員配置が薄くすむ介護保険施設等に転換する」ことなどが考えられます(関連記事は
こちら)。

医療外付け型では、同一建物内でも医療機関と居住スペースの併設を認めることになる
医療外付け型では、同一建物内でも医療機関と居住スペースの併設を認めることになる
【案1-1】【案1-2】【案2】の機能を図示したもの。全く新たな施設類型である【案1-1】【案1-2】については、【案2】などとの組み合わせ(居住スペース)になる形態が多いのではないかと厚労省は見込んでいる
【案1-1】【案1-2】【案2】の機能を図示したもの。全く新たな施設類型である【案1-1】【案1-2】については、【案2】などとの組み合わせ(居住スペース)になる形態が多いのではないかと厚労省は見込んでいる

 厚労省は今般、これを受け「病院・診療所と介護保険施設等との併設等」に関する通知を発出したものです。

 まず、ここでいう「介護保険施設等」とは、▼介護医療院▼介護老人保健施設▼指定介護老人福祉施設▼その他の要介護者、要支援者その他の者を入所、入居または通所させるための施設▼サービス付き高齢者向け住宅▼高齢者向け優良賃貸住宅▼生活支援ハウス―となります。

また併設とは、▼同一敷地内▼隣接敷地内(公道をはさみ隣接する場合を含む)―に病院・診療所と介護保険施設等とを開設することをいいます(同一建物に病院・診療所と介護保険施設等とを設置する場合だけではない)。

併設する場合には「患者等に対する治療」「介護その他のサービス」に支障が出ないよう、両者(病院・診療所と介護保険施設等)の区分を「表示等により可能な限り明確にする」ことが求められます。名称については、両者を混同することないように留意する必要があります(関連記事はこちらこちら)。

 
また併設に当たっては、上記のように「同一建物を病院・診療所と介護保険施設とする」(病院・診療所を介護保険施設に転用する)ケースも少なくないでしょう。

この場合、「それぞれの基準を満たし、かつ、各施設等の患者・利用者に対する治療、介護その他のサービスに支障がない場合」には、施設・設備の「共用」が認められます。もっとも、その場合であっても「各施設等を管理する者」を明確にしなければいけません。

また次の施設・設備については、共用は認められません。
(1)病院又は診療所の診察室(1つの診療科で2つ以上の診察室があり、その診療科の1つの診察室を除く)と、介護保険施設等の診察室(介護医療院にあっては、医師が診察を行う施設を言う)または医務室
(2)手術室
(3)処置室(機能訓練室を除く)
(4)病院・診療所の「病室」と介護医療院等の「療養室・居室」
(5)エックス線装置等

ただし、(1)の診察室等、(3)の処置室、(5)のエックス線装置等については、併設が「介護医療院」である場合には、例外的に共用が認められます。介護医療院は介護保険施設であると同時に、医療提供施設であり、比較的医療必要度の高い患者の入所が予定されているからです。なお、(1)の診察室等については、「現に存する病院・診療所(転換老人保健施設を含む)の建物の一部を介護医療院に転用する場合」に共用が認められ、「介護医療院の建物を新設する場合」は原則として共用は認められません(もっとも、個別具体的な判断となる)。やや複雑ですので、ご留意ください。

 
また、病院・診療所の人員と、介護保険施設との人員については、「兼務」が行われるケースもあります。この場合、▼それぞれの施設の人員に関する要件を満たすとともに、兼務によって患者等への治療その他のサービスの提供に支障がないように注意する▼従業者の人員配置に変更のあるときは、医療法等に定める所要の変更手続が必要となる▼従業者数の算定に当たっては、それぞれの施設における勤務実態に応じて按分する―ことが必要です。なお、「管理者が常勤を要件とする場合」について、病院・診療所と介護保険施設等の管理者を兼ねている場合には「当該者を常勤とみなして差し支えない」ことが明らかにされています。

 
さらに、前述のように「病院・診療所の建物の介護保険施設等への転用」にあたっては、▼病院・診療所のすべてを転用する場合には「廃止届け出」を行わなければならない▼一部転用は、「病院・診療所の患者等への診療提供などに支障が生じる恐れなし」という場合にのみ認められる―という点にも留意する必要があります。


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在宅医療への大号令がなされていますが、果たしてそれで社会保障費は削減されるのかという問題提起です。
確かに老衰死が多くなると一人当たりの医療費が低減することにはなりそうですが、その代わりに家族、地域の負担が増えることになると警告しています。介護の社会化が叫ばれて出来た介護保険制度が逆行することになっているという懸念も起きてきます。 
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BLOG
        
2018年03月28日 10時20分 JST | 更新 7時間前

在宅医療を拡充すれば、社会保障費は節減されるか

あまり在宅医療というツールにこだわりすぎない方がいいと思います。

在宅医療が拡充されれば、効率化が実現して社会保障費の節約になる・・・ と素朴に信じている人がいます。とくにメディアでは、在宅医療が医療費抑制の切り札であるかのごとき報道をみかけます。

もちろん、そんなことはぜーんぜんありません。病院でやってることを在宅でやりはじめたら、そりゃぁ非効率も甚だしく、コストは増大し、マンパワーが疲弊していくことは明らかです。在宅医療を普及させていくということは、医師や看護師が地域に出ていけばよいということではありません。むしろ、患者(住民)側が変わっていくことが前提なのですね。

沖縄県立中部病院の地域ケア科では、年間で40人前後を在宅(施設を含む)で看取らせていただいています。それは単に病院から自宅に帰すのではなく、病気との向き合い方を変えていくプロセスであり、それは生き方についての大きな変化ですらあるのです。そのお手伝いをすることが、私たち地域ケア科の最初の役割とも言えます。

以下の図は、75歳以上死亡あたりの老衰死率に対する高齢者1人あたりの医療費(後期高齢者医療給付による)の相関をみたものです。

前回、医師が死亡診断書に「老衰」と記すとき、そこには人生全体をとらえたうえでご家族と合意しえたことがみてとれる・・・ と紹介しました。「老衰」は暮らしのなかでこそ受け入れられやすく、それゆえ在宅死と深い相関がみられるのだと。

在宅医療の普及が医療費を抑制している、というのが本当なら、それは病気を抱えて生きる人たち(あえて「患者」とは呼びません)が「身体を自らのコントロール下に取り戻しているから」だと私は思います。そして、それを死について言うならば、本人や家族において「老衰を受け入れていくプロセスがあるから」なんです。

あまり在宅医療というツールにこだわりすぎない方がいいと思います。在宅医療を病院医療の延長線上で活性化させてしまうと、せっかく高齢者が退院できたというのに、自宅にいながら入院させられるという矛盾した状態へと落ち込むことすら危惧されます。もちろん医療費も増大するばかりでしょう。

いま在宅医がやっている仕事をよく見てください。24時間のオンコール体制、ICTネットワークの整備、あるいは在宅で使える高度な医療機器でもなく、本当に求められているのは、地道に住民の死生観に向き合っていく姿勢なんですよね。医療が生活に入り込んでゆく時代にあっては、尊厳ある生き方についての社会的議論が、より重要になってきているのです。

老衰死率が高い地域では、終末期にある高齢者の医療依存を低下させていることは明らかです。ただ、その一方で介護側が大変になってはいないでしょうか? それを量的に確認するために、第1号被保険者(65歳以上)あたりの介護費との相関を見てみました。その結果が以下のグラフです。


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久米島で全島巻き込んでのデジタル医療改革が進んでいることを全く知りませんでした。島民のほぼ100%の健康・医療データを網羅することで成人病の研究や薬局との連携を図る等の取り組みがなされています。屋久島の成功事例が全国に広がると良いですね。
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なぜ沖縄の離島でデジタル医療改革が進んでいるのか?

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何を今更と思いますが、日本医師会の副会長がこのような認識であれば、恐らく今後も多くの医療の現場で労基法違反となる事象は無くなりはしないでしょう。
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「今の労基法はおかしい」日医今村副会長

第141回日医臨時代議員会、「医師とは」、「医師の働き方」など提言へ

2018年3月26日 水谷悠(m3.com編集部)

日本医師会副会長の今村聡氏は3月25日の第141回日医臨時代議員会で、医師の働き方改革の議論や、その一方で労働基準監督署が次々と医療機関に指導・監査に入る現状について、「今の労働基準法はそもそもおかしい。働き方改革はそれを見直す一つの機会だ」と述べた。

今後、日医内に厚生労働省の「医師の働き方改革に関する検討会」の構成員や若手医師をメンバーとする会議を設置し、医師とは何か、医師の働き方とはどのようなものかといったことについて提言していく考えを示した。

 北海道代議員の小熊豊氏、新潟県代議員の小池哲雄氏の代表質問に答えた。

 小熊氏は、医師は労基法を「守らない」のではなく、医師不足や偏在のために「守っていては患者を救えない」ことや、医療がこうした法規違反を前提に成り立ってきたとの考えを強調。労基署が地域医療や病院経営には配慮せず、労働者としての医師の権利や健康を守るのみとの考えで「公的病院や大学、大病院に見せしめ的に立ち入り調査し、巨額の賦課を課すやり方は許されるのか」と指摘。

 小池氏も、大多数の医師が研究や学会発表の準備、自己研さんを労働時間とは考えてこなかったが、労基署は病院内で行われるこうした行為や、各種会議やカンファレンスなど疑義解釈では労働時間と見なさないとされているものも全て労働時間として算定していると指摘。両者とも、こうした状況を正すために、厚生労働省や労基署への日医の積極的な働きかけを求めた。

 個人質問でも、大阪府代議員の阪本栄氏が、労基署の指導・監査や改善命令で地域医療に影響が出ていることについての日医の見解を質した。日医常任理事の市川朝洋氏は、労基署の指導や監査は、定期的に行うものと労働者の申し出によるものがあり、後者が増えている現状を紹介。これを減らすためには基本的事項を確認し、取り組むことで労働者とのコミュニケーションを密にすることが必要とし、「労基法には医師の働き方に合わない点が多いのが現実だが、現行法がある以上勤務環境改善のための方策と捉え、取り組むことが求められる」と述べた。

「地域医療を守り育てる基本条例」施行例も

 今村氏は、医師の献身的な働きによって地域医療が守られてきており、応招義務や自己研さん、地域社会への貢献など、通常の労働者と性格が全く異なっているとして、「今まで、労基法で通常の労働者と同じ扱いであったことが問題なのは間違いない」と指摘。社会問題となっている「働き方改革」の中で、医師のみ厚労省で検討会が別途設けられたこと自体が、「医師の特殊性を国が認めたからに他ならない」との見方も披露した。

 一方で、「いかなる状態で働くにしても、その医師の健康を守るという労働衛生の観点は欠かせない。医療現場が最も産業保健から取り残されていたのでは、という疑問は間違いなく、医療界としても反省が必要だと考える」ことも強調した。

医師の健康は安全で良質な医療を提供するための必要条件であるとして、本人任せとせず産業保健の仕組みでしっかり管理することが不可欠だと指摘。現在の医師の働き方に全く無駄がないのか、医師が行わなくてもいい仕事をしていないかなど、衛生委員会を活用して検討することが求められているとして、「労働時間短縮の工夫ができないかを考えていく必要はあると思う」と述べた。

 医師の負担、労働時間を増やす要因として、救急車の利用のあり方や「コンビニ受診」、夜間・休日の患者家族への病状説明といった、患者・国民の側の意識の問題も取り上げ、「これが医師の時間外労働を増やし休日を減らす一因でもある」とも述べた。

 福島県いわき市で2017年6月に「いわき市地域医療を守り育てる基本条例」(いわき市のホームページを参照)が施行され、地域医療についての基本理念や市、市民、医療機関等の役割が条例で定められていることを紹介。「地域医療を守るには医療提供者の努力だけでは解決できない。国を始め自治体が啓発活動に積極的に取り組み、各医療機関でも工夫することで住民の十分な理解を得ることが、長時間労働の是正に寄与する」と述べた。

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