無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

カテゴリ: 医療制度改革

注目の介護医療院ですが、従来の介護療養病床からの転換を図るだけではなく、新設も視野に入れていることに驚きです。いつも言いますが、時代に逆行している内容に驚きです。何のために改革なのでしょうか?

新設は総量規制対象とするとはいうものの、老人病院を増やすことに変わりはありません。

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官庁通信社 2017.8.18

介護医療院、新設は総量規制の対象に 療養病床からの転換を優先 厚労省方針

療養病床などからの転換でない新設の場合は、都道府県の判断でいわゆる「総量規制」の対象にできる ーー 。
 
介護保険施設の新たな類型として来年4月に創設する「介護医療院」について、厚生労働省は10日にそうした方針を自治体へ伝えた。既存のベッドの転換を円滑に進めていくことが狙い。「介護保険最新情報」のVol.598で周知している。
 
介護保険最新情報Vol.598
 
介護医療院は、日常的に医学管理が必要な状態の重い高齢者の入所を想定した施設。ターミナルケアや看取りにも対応できる機能と、「生活の場」としての環境を併せ持つことが特徴とされている。

ゆくゆくは廃止される介護療養病床の転換先として構想され、今年5月の改正介護保険関連法の成立で具現化が決まった。人員配置や設備の基準、報酬などをどうするかは、介護報酬改定に向けたプロセスで検討されることになっている。

 
厚労省は今回、介護療養病床、医療療養病床、療養病床から転換した「転換老健」が介護医療院となる場合について、総量規制の対象から外すと説明。それ以外の新設(一般病床などからの転換を含む)は対象とし、都道府県がコントロールできるようにする考えを示した。当面の間は療養病床などからの転換が優先 ーー 。そう説明している。
 
加えて、実際にどれくらいが転換するか病院の意向を調査するよう要請。地域のニーズなど様々な要素も勘案したうえで、サービスの見込み量や定員を設定していくよう促している。
 

 Vol.600、医療・介護計画の整合性を

 
来年度は自治体の医療と介護の事業計画が更新される年。厚労省は相互の整合性を確保することが重要だとし、そのための手法やポイントなどをまとめた通知を10日に出した。「介護保険最新情報」のVol.600で周知している。
 
介護保険最新情報Vol.600
 
例えば、これから必要となる介護サービスのボリュームを推計していくプロセスで、都道府県と市町村の関係部局が密接に連携すべきと改めて指導。2025年までの需要をどのように見込めばいいか、技術的なアドバイスも行っている。

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<前回に続く>
利用率維持のために在院日数短縮をストップしている可能性が指摘されています。医療制度改革の遅れがもたらした結果ではないでしょうか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・以下原文


 一方、病床利用率は、▼2012年:71.0%→(1.7ポイント上昇)→▼2013:72.7%→(0.3ポイント低下)→▼2014:72.4%→(0.8ポイント上昇)→▼2015年:73.2%→(4.6ポイント低下)→▼2016年:68.6%→(2.7ポイント上昇)→▼2017年:71.3%―という状況です(厚労省のサイトはこちら、下にスクロールすると毎月の状況が示されています)。こちらは変動が大きく、一貫した傾向は見て取れません。

 メディ・ウォッチでも毎回お伝えしていますが、「平均在院日数の短縮」は、7対1病院では重症度、医療・看護必要度該当患者割合の上昇と大きく関係するほか、DPCのII群要件の1つである「診療密度」向上に大きく寄与するなど、経営面では極めて重要なテーマです。さらに院内感染やADL低下のリスクを低く抑えるなど、医療の質向上にも密接に関係します。

 ただし、単純な在院日数短縮は病床利用率の低下(空床の発生)につながり、経営面ではマイナスの要素も含んでいます。そのため、利用率維持のために在院日数の短縮を控える(施設基準を維持できる範囲でコントロールする)ことが行われがちですが、これは好ましい姿とは言えません。

在院日数短縮と同時に「新規入院患者の獲得」などの対策、近隣のクリニックや中小病院との連携強化による重症新患の紹介増や、救急搬送患者の積極的受け入れなどが肝要です。この点、「4月分」の経年比較からは、両者の実現は十分にはできておらず、好ましくない「利用率維持のために在院日数短縮をストップしている」可能性が伺えます。

 この点、今後、少子化により地域の患者数そのものが減少していく(地域によってはすでに高齢患者が減少しはじめているところもある)中では、「空床」対策の効果が表れにくくなってきます(関連記事はこちら)。地域医療構想や他院の動き、さらには自院の機能、地域の医療ニーズ(人口動態や疾病構造など)などを十分に踏まえた上で、「ダウンサイジング」(病床の削減)や「近隣病院との再編・統合」といった選択肢を真剣に考える時期に差差し掛かっていると言えそうです。

「病床利用率維持のため、在院日数の短縮をストップしている可能性―病院報告、17年4月分」がメディ・ウオッチから報告されています。2017年8月10日|医療計画・地域医療構想 。

諸外国と比べて長いと言われ改善がなされてきた在院日数削減は国是であったはずです。それなのに何故、今ここにきてストップをしてきているのでしょうか?国はどのよう指導をしているのでしょうか。

在院日数短縮ストップの現状を報告からみてみたいと思います。

一般病床における「4月末分」の平均在院日数を5年前から見てみると、▼2012年:17.9日→(0.8日短縮)→▼2013年:17.1日→(0.3日短縮)→▼2014年:16.8日→(0.4日短縮)→▼2015年:16.4日→(0.2日短縮)→▼2016年:16.2日→(0.3日延伸)→▼2017年:16.5日―と推移しています(厚労省のサイトはこちら、下にスクロールすると毎月の状況が示されています)。2016年までは一貫した短縮傾向が見られましたが、2017年にかけては平均在院日数は延伸しており、「2月末分」「3月分」と同じく「短縮傾向がストップ」したように見えます。在院日数の短縮に限界が来ている(後述するように利用率維持のために短縮させていない可能性もある)のか、今後の動向にさらに注視する必要があります。

少し古いですが諸外国のデータを掲載しておきます。



<次回に続く>

2018年度から新設される介護医療院について、報酬や人員配置・構造設備に関する基準設定の議論が始まりました。

議論の焦点は次の3つのようです。

ここがポイント!

そもそもこの議論の前提となる介護医療院とはこれまで一貫して廃止の方針が出ていた介護療養病床を介護医療院として存続させるという方針転換です。

何故このようなことが起きるのでしょうか?結局は介護療養病床を名前を変えて存続させるということでしょう。この内容に国民は本当に納得しているのでしょうか?

医療から介護へ、病院・施設から在宅へという流れに逆行するような制度をつくってどうするのでしょうか。
おまけに多床室の議論まで。これは誰が主導しているのでしょうか?これで社会保障費の削減はできるのでしょうか? 疑問だらけです。


    「診療報酬の抜本改革は無理」という日本医師会関係者の言葉に唖然とします。何の根拠もなくデータに基づく議論もなし、これでは改革を求める方が無理です。医師会そのものが陳腐化しているとしか言いようがありません。全く話になりません。ただ単なる抵抗勢力にしか過ぎません。
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    「診療報酬の抜本改革」は無理 - 中川俊男・日医副会長に聞く◆Vol.3

    7対1「重症度、医療・看護必要度は微調整」

    2017年8月6日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

    ――そのほか、中医協の議論や、診療報酬について、押さえておくべき基本的な考え方があれば、お願いします。

     「診療報酬の抜本改革」などとよく言われますが、それは無理だと思います。安易に言わないでほしいというか、言葉がもはや陳腐化しています。

     抜本改革として、例えば「ドクターフィー」の導入を求める意見がありますが、それこそ無理。仮に個々の医師に直接支払う仕組みを作ったら、日本の医療は崩壊してしまいます。

     

    ――医療提供体制が異なる米国の仕組みを導入しても、意味がない。

     その通りです。「若い医師とベテランの医師の技術料が同一なのは、おかしい」という議論もあります。確かに同じ診療行為を実施しても点数は同じですが、それによって得た収入をどのように配分するかは、各医療機関の裁量であり、それこそが経営です。

     そもそも医師の経験年数や技術レベルで、診療報酬に差を付けることは相当困難です。どんなに手術の腕がよくても、中には周囲との協調性を欠く医師もいるなど、医師の総合的評価は、各医療機関でないと分からないからです。こうした現実を踏まえずに、ドクターフィーの導入を提言するのはおかしいと思います。

    ――提供した医療行為と診療報酬が一対一対応するのではなく、総体として医療機関の経営が成り立つかどうかを念頭に置いて考えるのが診療報酬。

     おおよその経営状況を踏まえ、点数を付けているわけです。各地域で人件費が異なる上、国公私立の医療機関があり、経営母体にも違いがあります。こうした現状がある中で、全国一律の診療報酬でやっていくには、ファジーの部分、いわば「マニュアル車の半クラッチ」がないと難しい。

    ――診療報酬の1点単価に差を付けることについては、どうお考えですか。

     確かに、例えば、東京と、沖縄や北海道では、人件費や物価が違うため、診療報酬の1点単価に地域差を付けるべきという意見があるのは承知していますが、私は反対です。医療機関の収入は、「P(単価)×Q(数)」で決まるのであり、東京は人件費や物価が高くても、Qが圧倒的に違う。こうした点も含め、総合的に考えるのが、経営でしょう。

    ――医薬品や医療機器など、モノの単価は見直す余地があっても、診療報酬自体を抜本的に変えるのは難しい。

     そもそも何をもって抜本改革と言うかという問題があります。医療機関は継続性を持って運営しているのであり、仮に今の診療報酬体系がある日を境に全く変わってしまったら、医療機関の多くが倒産してしまうのではないでしょうか。

    ――薬価制度の抜本改革についても、原価計算方式や類似薬効比較方式をやめ、全く別の方式を導入することなどは難しい。

     それは難しいでしょう。ただ、生物学的製剤などの高額薬剤の上市や適応拡大が相次ぐ中、薬価を抑制する方法は継続して検討していくことが必要です。とはいえ、残念ながら、我々がいくら薬価を下げる努力をしても、その下がった財源を診療報酬に充当することは担保されていません。それでも薬価制度の改革に取り組んでいることを評価してもらいたいと思います。

    ――限りある医療費を適正に使うことを目指しているということですか。

     その通りです。

    ――その時々の課題を踏まえ、微調整をしていく以外にない。

     はい。例えば、7対1入院基本料の施設基準の一つである「重症度、医療・看護必要度」について、「実態に合わない。抜本的に見直さなければいけない」と指摘する方もいますが、この点についても反対です。提供している医療内容をより反映した指標を作るべきとの意見もありますが、それを厳密に進めたら、「急性期病床には、急性期の患者しか入れない」といった議論に発展しかねません。さまざまな場で繰り返し発言していますが、「急性期を脱したら、患者をすぐに退院させる」といった運営は無理であり、「医療の包容力」がなくなってしまう。「重症度、医療・看護必要度」の見直しを求める人は、それを分かって発言しているのでしょうか。

    ――「重症度、医療・看護必要度」の評価項目の変更自体も問題。

     2016年度の診療報酬改定で変えたばかりであり、その影響をまず検証すべきであり、2018年度改定では変更すべきではありません。何らかの変更をしたら、必ず「25%」(編集部注:7対1入院基本料の施設基準は、「重症度、医療・看護必要度」の基準を満たす患者の割合が25%以上)など、他の施設基準の変更にもつながるのは必至でしょう。

     ただし、「在宅復帰率」について、日医は「病床機能連携率」に変更するよう提案しています。急性期患者の退院先は、「在宅」に限らず、高齢者住宅や介護施設など多岐にわたり、「在宅復帰率」という言葉が医療の実態を表していません。さらに言えば、独居の高齢者も増える中、2025年の医療提供体制に向けて、「在宅医療」を強調しすぎているように思います。

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