生活保護申請者の数が急速に増えつつあります。去年(23年度)1年間の生活保護の申請件数は25万5079件、前年(22年度)の23万6935件より7.6%増加と大幅に増加。21年度の申請件数は前年度比0.8%増の22万9878件でしたのでここ数年は急速に増加している状況が伺えます。新型コロナが感染拡大した2020年から4年連続で増加しており、昨年はこの11年間で最も多くなりました。
半面、生活保護利用者に対応する自治体のケースワーカーの業務負担増が深刻化しています。利用者は200万人超の高水準が続き、新型コロナウイルス禍もあって増加してきました。しかし、ケースワーカーの充足率は低下傾向が続き、対応内容が利用者の高齢化で複雑化していることもあり、業務負担は限界にきていると危惧されています。ケースワーカーの「充足率」は05年度以降に全国で100%を切り始め、20年度は93%に低下しています。このままでは90%を切ることになるでしょう。
コロナ対策で行われている生活支援金の貸付制度などが終了した場合に「新規の保護申請が増える可能性がある」(厚労省担当者)とされてきましたが、現実のものとなって参りました。このままでは利用者増でさらにケースワーカーの充足率が悪化する懸念も出てきています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
生活保護申請 去年は25万件超と最多 この10年余りで
NHK2024.3.6
去年1年間の生活保護の申請件数は前の年より7.6%増えて25万件を超え、この10年余りで最も多くなったことがわかりました。厚生労働省は「新型コロナの影響が長期化したことや、物価高騰などで貯蓄が減少していることが影響していると考えられる」としています。
厚生労働省によりますと、去年1年間に全国で生活保護が申請された件数は、速報値で25万5079件と、前の年と比べて1万8123件、率にして7.6%増えました。
生活保護の申請件数は、現在の方法で集計を始め、比較が可能な2013年以降、6年連続で減少していましたが、新型コロナが感染拡大した2020年から4年連続で増加していて、この11年間で最も多くなりました。
去年12月の時点で生活保護を受給している世帯は全国で165万3778世帯と、前の年の同じ月と比べておよそ7092世帯、率にして0.4%増加しています。
特に単身の高齢者世帯が多く、84万1307世帯と、全体の51.1%を占めています。