無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

カテゴリ: 身元引受サービス

ライトプラン 


































本日も身元引受のお問い合わせがありました。パートナーの男性が生活保護で施設に入っておられ、今までお相手の女性が施設の身元引受を行ってこられたようですが、ご本人も病気になり、お世話が出来なくなったので、誰か身元引受をしてもらえないかと、行政に相談に行ったようです。   

 しかし、行政は当然そのお世話ができないというので、どこか身元引受を頼めるところを紹介して欲しいと言っても、公共機関は民間の事業者を紹介するわけにはいかないと断られたようです。   

 これも残念な話ですね。身元引受事業者が登録制になって公的機関が関与できる段階に早くしないと多くの身寄りの無いご家族や関係者が困ってしまいます。紹介できてもそれは個人的ということになりそうです。   

 その方は仕方なしにネットで探して、当協会にたどり着いたようです。約1時間ほどお話をして内容について説明をさせて頂きました。生活保護でもそこまでやって頂けるのですかと驚いておられましたが、多くの方々はまだ知りません。お金が無い人の身元引受は誰もやってくれないと思っておられるようです。  

 当協会の生活保護や低所得者向けの「ライトプラン」をお話をさせて頂き、早急にご検討を頂けるようになりました。一人でも多くの方々に我々のサービスを知って欲しいと痛切に思いました。


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

居住支援事業法人の指定














2月21日付で福岡県の住宅確保要配慮者居住支援法人の指定を受ける事ができました。

 住宅確保要配慮者居住支援法人とは住宅確保要配慮者(低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子供を養育する者、その他住宅の確保に特に配慮を要する者)の民間賃貸住宅への円滑な入居の促進を図るため、住宅確保要配慮者に対し家賃債務保証の提供、賃貸住宅への入居に係る住宅情報の提供・相談、見守りなどの生活支援等を実施する法人として都道府県が指定するものです。 (住宅セーフティネット法第40条)。

 既に、この制度は身元引受関係の事業を行っている法人等も参加をしており、皆様方からのアドバイスもあり、指定登録をしたものです。 この制度にのっかることで、当然、当協会の身元引受事業も低額所得者、高齢者、障害者等の居住支援や様々な生活支援を行う法人として周知することができますし、来るべき身元保証事業者の登録制度への準備も兼ねて手続きを行いました。

当事業の推進に尽力を尽くすと同時に、身元保証事業の登録制に向けて着々と準備を進めて参ります。

申請に必要な書類は次のようになります。行政とのやり取りに大変な時間がかかりましたが、無事承認を頂く事ができましたことを関係者の皆様に心より感謝いたします。

①法人指定申請書
②定款
③登記事項証明書
④申請の日に属する事業年度の前事業年度における財産目録及び貸借対照表
⑤申請に係る意思決定を証する書類
⑥支援事業の実施に関する計画書
⑦役員の氏名及び略歴を記載した書類(任意書式)
⑧現に行っている業務の概要を記載した書類(任意書式)
⑨支援業務に関する法人としての活動実績が分かる書類(任意書式) (法人として、少なくとも1年以上の間、支援業務を適切に実施したことが確認できること)
⑩担当役員及び職員の支援業務従事歴が分かる書類(任意書式) (少なくとも1年以上の間、支援業務に従事していることが確認できること)
⑪行政と連携した取組の実績が分かる書類(任意提出)
⑫法人等が欠格事項に該当しないことを誓約する書類(様式2)(wordファイル19KB)
⑬個人情報取扱規程又はそれに準じる書類
⑭区市町村の推薦書(任意提出)
⑮前各号に掲げるもののほか、申請者の支援業務に関し、参考となる書類(任意提出)
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

介護第三のサービス














 私どもが投稿しているX(旧Twitter)にあるケアマネさんから次のような投稿がありました。  

「独居で身寄りのない方の支援はケアマネ泣かせ。どうしても介護保険サービスではまかなえない部分が出てくる。でも、何でも屋ケアマネにはなりたくない。本当に頭を抱える。」  

 恐らく全国のケアマネや介護関係者が日々頭を痛めている内容ではないでしょうか?介護サービス以外の支援に翻弄されている関係者の姿が推察されます。  

 一日も早く身元保証サービスをきちんとした制度としてとらえ、介護の第三のサービスとしてその普及を図っていかなければ、これからの超高齢社会の独居高齢者の激増の時代には対応できません。  

 先日も記事に書かせて頂きましたが、身元保証事業のビジネスモデルを早急に確立しなければなりません。下記を参考にして下さい。   

身元保証事業のビジネスモデル分析(上智大学栃本一三郎社会福祉学科教授) 【論文】
市場化する社会保障・社会福祉と身元保証制度からみる消費者保護の在り方についての覚書より】

 身元保証事業のビジネスモデルはかなり確立されつつあるが、フルパッケージ型の身元引受サービスは少なく、その中心核は金銭管理であるということがあまり知られていない。   

栃本教授の調査分析により、現状の身元引受サービスのビジネスモデルのあり様が示されています。 教授は4つのタイプに事業者を分類しています。1.独立型 2.身元保証+生活支援型 3.準包括パック型 4.包括パック型 となります。   

1.独立型・・・身元保証人になることのみを事業   
2.身元保証+生活支援型・・・転院等手続きのフォロー、緊急時の病院への駆けつけ、治療方針・ケアプラン等の説明への同席、病院等への外出の付き添い、日常的な見守り、金銭管理・支払い 、代行などの生活支援を別途用意している。   
3.準包括パック型・・・身元保証人になることとその他の生活支援がほぼパックとなっている   
4.包括パック型・・・すべてを包括している     
身元引受パッケージの特徴
この中で包括パック型は数が極端に少ないということが明らかになりました。それによって何が問題になるのか。問題はサービスが断片化してしまうということです。   

包括パック型のボトルネックとなっているのは、金銭管理を通帳やキャッシュカードをお預かりするレベルで委託されていないということに尽きるでしょう。 金銭管理を行わないサービスは結局、身元引受も死後事務委任も生活支援も相続も都度実費請求をして行うか預り金をいただいておくというというようなことが必要になるため、サービスとしての一体性がなくなってしまうのです。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

成年後見人制度の見直し














法制審に諮問して成年後見制度で検討する項目として、日経新聞によれば次の3点が挙げられている。  
1.利用期間…現行の終身制を改め、期間限定の利用を可能に   
2.利用範囲…現在は財産管理から日常の買い物まで包括的。後見人の同意などによって範囲を 
        絞る
3.交代…支援を必要とする状況に応じて成年後見人の交代を可能に
特に気になる点は次の部分である。   
 「後見人が支援する行為の範囲を限定することも論点となる。いまは日常的な買い物や旅行から財産管理まで包括的な活動が対象となる。必要とする支援の範囲を事前に定めたり、状況によって後見人を交代できたりする制度を導入する案がある。」 「例えば、日常的な行為は本人の決定に任せつつ、財産管理のときは弁護士、福祉施設へ入居する際は社会福祉士に依頼するといった形だ。」
イメージとしては、日常生活支援は社会福祉士等の福祉担当者にさせ、財産や金銭管理は弁護士にさあせる、施設に入院すれば介護士に任せるといったところか?   

よくよく考えれば、従来は全て家族が行ってきたことである。それをを機能別に分割して複数のチームで一人の人のお世話をするとなれば、一体どれだけの人材とコストがかかるというのか? それを誰が負担するというのか?  

その問題を飛ばして、終身制を改める、成年後見人業務は決して日常の買い物までの包括的なものではなないのに、後見人の同意によって範囲を絞るとか、交渉によって交代をさせるようにするといった制度的な部分がテーマになっているようだが、中身が伴わない的外れの感はぬぐえない。   

終身制を外して、必要に応じて必要な期間の後見をすることは可、交代も有り(選択も有り)も可であろう。問題は、「身元保証」「金銭管理」「死後事務委任」をどのように家族に代わり、包括的に、ローコストで行うのか。その包括的サービスをどのような機関、組織にリスクヘッジをさせながら負わせるのか?といった議論がなされなければ意味がない。   

どうも検討が必要だということは皆さんがお分かりであるが、いずれも自分たちがこれまで包括的な支援をしたことがないだけに、象の耳や足を触って全体像をつかもうとしているようにしか見えない。
現在の成年後見制度だけの議論では極めて部分的であり、本質的な解決にはつながらないのではないかと危惧する。 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
成年後見人の一時利用可能に、法制審に諮問 現在は終身
日経新聞2024.2.13  
小泉龍司法相は13日の記者会見で、認知症などの人に代わって財産管理を担う成年後見制度の見直しを15日の法制審議会(法相の諮問機関)総会へ諮問すると表明した。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

東京都孤独死4000人














東京都の23区内で年間高齢者の孤独死が4000人以上という事態に行政も本格的な対応を始めているようだ。東京都監察医務院の統計によると、単身世帯で自宅で亡くなる「孤独死」をした65歳以上の高齢者は、2020年に23区内だけで約4200人に達したという。5年前より1千人以上も増えたという。
その対策の一つとして取り組みが始まっているのが、自治体の終活情報登録事業である。
都内23区内の自治体も徐々にその取り組みを強化してきているが、その取り組みは途に就いたばかり。このレベルでは2025年問題、更に2040年問題はクリアーできない。
行政の限られた人的資源ではこれからおしかける多くの孤独死予備軍の高齢者を救うことはできない。東京都の令和2年の単身高齢者数は81万人、もう間もなく100万人を超えていくであろう。それに地域の自治体は耐えられるのか? 
・・・・・・・・・・・・・・・
高齢者の孤独死、23区だけで年間4千人以上…自治体による終活支援の取り組みとは?研究員「住む場所でサービスに差が出ないよう国にも動いてほしい」YAHOOニュース2024.2.14
 ◆東京都豊島区が23区で初の終活登録を開始しているがまだその数は少ないようだ。登録事業を利用したのは60~90代の18人(2022年10月末現在)。うち12人は女性という。 終活あんしんセンターの運営を受託している豊島区民社会福祉協議会(社協)の天羽瞬一チーフは「ひとり暮らしの高齢者で認知症など支援が必要なケースが最近、増えている。身寄りがなく、区が後見人を申し立てるケースが以前に比べ、増加している」と話す。
 ◆社協による終活支援の広がり 練馬区も同種の制度の検討を始めている。20年には286人の高齢者が「孤独死」したという。 青梅市はすでに、葬儀や納骨などを任せられる親族等がいない独居または高齢者のみの世帯で一定の条件を満たす人に、葬儀の生前契約をサポートする事業を行っている。
 社協による独自の終活支援も広がっている。2022年度から墨田区社協ではひとり暮らしの人を対象に、見守りから死後の手続きまでを有料でサポートする「すみだあんしんサービス」を開始した。契約時に契約支援料3万円と預かり金150万円を支払えば、3段階にわけて支援が受けられる。 
 足立区社協、中野区社協、品川区社協、文京区社協も同様に高齢者の見守り、入院時の対応、亡くなった後の事務手続きや遺言書作成などを有料で支援する事業を行っている。また、武蔵野市福祉公社、調布市社協も同様のサービスを提供している。
 終活支援に詳しい日本総合研究所の沢村香苗研究員によると、全国で30以上の自治体と社協が終活支援に独自で取り組んでいる。沢村さんは課題をこう語る。
「身寄りのないひとり暮らし高齢者の支援をどこの省庁が担当窓口になるかもまだ、決まっていない中、現場を持つ市区町村が国に先んじて対策に取り組んでいる。住む市区町村によって受けられる終活サービスに差が出ないよう国にも動いてほしい」
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

↑このページのトップヘ