無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

カテゴリ: 成年後見人制度

成年後見人に群がる士業














国内に認知症の患者は約600万人以上、知的・精神障害者は併せて520万人、それに対して成年後見人利用者は23万人。この数字が全てを物語っている。成年後見人制度に問題があるのである。制度ができて20年たつにも関わらず、世の中の流れに制度が追い付いていない。

欧米と異なり、親族後見から職業後見人へのシフトにより、本人と家族の意思が遠のき、更に、後見業務には福祉について見識が求められるも、福祉関係者を除いて職業後見人や家裁にはその見識が欠如している人達が選任されている。逆に福祉関係者は法律知識が欠如しているという背景があるにも関わらず、成年後見人に与えられている権限は極めて大きい。ここに多くの人が不安を覚えているのである。

制度的欠陥があるにも関わらず、ニーズは高まり市場は拡大している。このままでは被害は拡大するばかりである。
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認知症の親が増え跋扈する「成年後見ビジネス」家族を向こうに弁護士や司法書士たちが群がる
東洋経済オンライン2021.7.31  
  2000年4月から介護保険制度と同時に始まった「成年後見制度」。今や介護保険は在宅サービスで約400万人、施設サービスで約95万人の利用者がおり、すっかり社会に定着した。だがそれとは対照的に、成年後見の利用者はわずか23万人にすぎない。そればかりでなく、「こんなことなら利用しなければよかった」との声すら聞こえてくる。  

問題なのは、任意後見も法定後見も、どうしても本人の意思が反映されにくいことだ。それを利用した成年後見人による不正件数は、直近でピーク時の年800件台より減ったとはいえ、現在も年200件前後ある。  

そして最大の問題は、「親族以外の後見人」が増えている点だ。開始時こそ、日本らしい家族中心主義の伝統にのっとって、後見人には親族が選任されていた。ところが、「いずれ自分が使うお金だから」と、親族による財産の横領が頻発。監督責任が問われるのを恐れた最高裁判所は、以降、親族を後見人から外し、司法書士や弁護士などの法律専門職を選任する方向に舵を切ったのである。 

 とりわけ、本人の金融資産が一定額以上あると、家裁はプロフェッショナルの職業後見人を選ぶことが多い。かつて後見人の9割は親族だったが、今や「職業後見人」が約7割を占め、「親族後見人」は3割を切っている。職業後見人の上位は司法書士や弁護士。親族中心の欧米とは対照的だ。 

 「家裁や法律専門家、自治体の圧倒的な力を前に、ほとんどの親族が後見人となれず、泣き寝入りしている」と指摘するのは、成年後見制度の問題に取り組む団体「後見の杜」の宮内康二代表である。  

後見人の仕事は、限りなく福祉に近い内容で、片手間にできるものではない。行司役となる家裁にしても、人員は限られており、個々の案件を詳しく見られるわけではない。その結果が法律専門職に“丸投げ“。業際問題でしのぎを削り合い、業務範囲を拡大したい弁護士や司法書士、社会福祉士、行政書士などの士業が食いついていった、というのが実態だろう。  

実害を受けているのが、認知症の高齢者本人や家族である。財産を管理する職業後見人の許可がなければ、銀行から本人の預金を解約したり、消費したりすることができないからだ。  

むろん親族後見人と異なり、職業後見人には報酬が発生する。基本報酬は年24万円(本人の金融資産が1000万円以下の場合)、年36万~48万円(同1000万~5000万円以下の場合)、年60万~72万円(同5000万円以上)。とはいえ、やることといえば、本人の通帳を預かること、家裁に報告書を年1回提出することなど、あまり多くない。このほかに、収益不動産の複雑な管理なども行えば、付加報酬も発生する。  

家裁には後見人を解任する権限があるものの、よほどの理由がない限り解任することはない。いったん職業後見人をつけたら、認知症の高齢者は自分が死ぬまで、延々と報酬を払わされ続けるわけだ。  

ちなみに現在、国内に認知症の患者は約600万人以上いるとされ、65歳以上の6人に1人が該当する計算だ。ほかに知的・精神障害者は併せて520万人いる。ともに介護や福祉、医療と絡み、これからの日本社会には切り離せない大きな問題だ。

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認知症の親の預金凍結をどう防ぐか、色々と考えつくしているが、認知症を発症してしまってからは全ては後手になる。最終的には成年後見人をつけざるを得なくなるが、予防策は十分に考えておかねばならない。

口座凍結を未然に防ぐには次の3つに限られる。
①銀行のシステムの中での対策 
・ キャッシュカードの在りかと暗証番号を教えておいてもらう 
・代理人カードの利用 
・代理人指名システムの利用
②任意後見制度の利用
③家族信託制度の利用

しかし、司法書士の斎藤竜氏によれば、認知症になれば、この制限を解除するには、基本的には、法定(成年)後見制度を使う以外方法がない。

つまり、本人のために、本人の財産を管理する法定代理人として成年後見人の選任の申立てをするのであるが、最高裁判所事務総局家庭局の統計では、令和2年の成年後見人の選任の申立ての動機第一位は断トツで預貯金の管理・解約をするためとなっている。成年後見人申し立ての37.1%が預貯金の管理、解約理由なのである。結果として、当人が死亡するまで、管理報酬は支払われねばならないのであるが、この制度しか解除する術がないから、あえて制度を使わざるを得ないのである。
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認知症の親の預金口座を堂々と引き出し・管理する方法|今なら間に合う認知症での口座凍結に備えた仕組みづくり
司法書士・行政書士事務所リーガルエステート 代表司法書士 斎藤 竜氏 2021.4.21
近年、認知症による判断能力の低下によって、金融機関で払出等の取引ができなくなるケースが多くなっています。親の判断能力が著しく低下して引き出しができなくなった口座のために、成年後見人の選任申立てをせざるを得なくなってしまった事例は後を絶ちません。こうした口座凍結の事態を未然に防ぐ方法があります。

認知症の親の口座から、法定成年後見人を就けることなく堂々と現金を引き出せる仕組みづくりをしておくことです。仕組みづくりができるのは、親の判断能力が「著しく低下するまで」ですので、早めの対策をお勧めしますが、認知症と診断されたからと言ってあきらめるのはまだ早いかもしれません。

ポイントは下記のとおりです判断能力の著しい低下によって引き出しができなくなった口座(口座凍結)を解凍するには、法定成年後見制度を使うのが原則!!
成年後見人申し立て理由


























口座凍結を未然に防ぐ方法がある!
①銀行のシステムの中での対策 
・ キャッシュカードの在りかと暗証番号を教えておいてもらう 
・代理人カードの利用 
・代理人指名システムの利用
②任意後見制度の利用
③家族信託制度の利用

口座凍結を予防し、本人のために適切に使う仕組みづくりができるのは、本人の判断能力が「著しく低下していない」段階のみ。認知症だから・・・とあきらめるのはまだ早いかも!?

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認知症の親の自宅の処分成年後見人














親が認知症になった場合には成年後見人制度を使って、空き屋を売却する。確かに契約能力を失った認知症患者には自宅の売却契約を締結することはできません。成年後見制度をつかってスムーズに自宅を売却できる方法があるといいますが、そう簡単ではないように思います。「居住用不動産の処分の許可」を家庭裁判所に出してもらい、次の条件にはまれば売却可能です。
●本人が自宅に戻る余地がないこと(在宅生活の限界を迎えていること)
●自宅を売却すること以外に、本人の療養介護費用の捻出ができないこと
この条件にはまる方はおられると思いますが、問題はその費用です。
管理財産が1000万円を超える場合には毎月3万~4万円の報酬が死ぬまで発生することになります。家を売却する為に成年後見人を選定し、売却が終わればすべてが終わるわけではないのです。加えてその後見人が不動産の専門知識がなければ、必ずしも高く売れるという保証はありません。
それでもあなたは成年後見人を選びますか?そうなる前の対策が最大の対策だと思います。認知症の診断書が出されてしまっては全ては手遅れになります。
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親が認知症で施設入居…「空き家になった自宅」をラクに売却する方法は?【司法書士が解説】
幻冬舎ゴールドオンライン2021.7.4  
親が認知症などで施設に入居することになったら、自宅を売却したい。そう考える人が増えているようです。自宅を売る目的は、売却代金で療養介護費用を補うためだったり、固定資産税や維持管理費用をカットするためだったりなど様々です。親の認知症が進んでいる場合でもスムーズに自宅を売却するには、どうすれば良いのでしょうか。  

自宅を売らないと施設費用が捻出できない環境ではありませんが、「親が住まなくなった自宅は、固定資産税や維持管理費用のみがかかる『マイナス収支』の資産である」という考え方を知ってから、Aさんは、母が住まなくなったら自宅を売りたいと思うようになりました。  

ところで、母の在宅生活が難しくなるということは、そのときは母の判断能力の低下もかなり進んでいると思います。認知症が進行している場合、自宅はスムーズに売却できるのでしょうか。  

成年後見制度でもスムーズに自宅を売却できる条件「成年後見制度に対する誤解はこの機会に解消していただき、一度フラットな目で、成年後見制度と正しく向き合ってほしいと思います。ただし、自宅をスムーズに売却できるかどうかについては、成年後見制度の『居住用不動産の処分の許可』の基準をよく吟味する必要があります」   

まず、「居住用不動産の処分の許可」は、法定後見制度の「後見類型」のみに課されているものです。法定後見制度の「保佐類型」や「補助類型」にはありません。任意後見制度にもありません。   

判断能力が低下した高齢者は、居住環境が変わると、落ち着きがなくなったり、叫んで暴れたりするといった不穏状態になることがよくあります。施設に入居するとしても、施設での生活が合わなかった場合を考慮して、一時的であっても自宅に戻れる環境を残しておくことは大切です。そのため、「後見類型」の成年後見人が、本人の自宅を売却するときは、家庭裁判所の許可が必要とされています。   

「居住用不動産の処分の許可」が下りる条件は、およそ次のとおりです。
●本人が自宅に戻る余地がないこと(在宅生活の限界を迎えていること)
●自宅を売却すること以外に、本人の療養介護費用の捻出ができないこと   
したがって、上記の環境が見込まれる場合には、成年後見制度でも自宅の売却は十分に可能で、あえて家族信託を活用する必要はありません。

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毒をもって毒を制す














先週弁護士に相続問題と絡めて凍結金融資産の解除の方法について検討をしてきました。

被相続人A氏が死亡、相続人の2人の姉B氏、C氏が認知症で、その内、C氏の相続人の1人の娘さんが、相続の手続きに応じてくれないために、A氏の凍結財産が解除できず、債務支払いが滞ってしまっているケース。

相続人全員の同意が取れない以上、凍結された金融資産は凍結されたまま。我々は相続人B氏の身元引受をしており、A氏の債務支払いを相続人として要求される可能性もあります。何としても身元引受人としてB氏の財産は守らねばなりません。

我々がB氏の代理人として戸籍謄本等をとって、処理をしようとしてもC氏の娘様の協力がえられなければ対策の講じようがありません。

弁護士と協議して対策として考えられるのは、B氏の代理人からの依頼として弁護士が、C氏に対して成年後見人の申し立てを行い、裁判所から指名されたC氏の成年後見人として交渉をするという方法です。

言葉は悪いのですが、まさに毒を以て毒を制するということ。当然、双方の弁護士、後見人には費用が発生することになりますが、凍結された金融資産を解凍するには有効な手段の一つとして考えられるのではないでしょうか。
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後見制度支援信託














6月1日西日本新聞に成年後見はいま、「信託や預貯金 仕組みに困惑」という記事が出ていた。  

成年後見人制度を巡っては色々議論があるところであるが、今回テーマにしているのは「後見制度支援信託」の内容。これまで親族後見人を2回無報酬でやっていた男性が、3度目に実姉に認知症症状が出た為に制度を利用しようと申し出たところ、家裁からは弁護士を後見人にする意向と言われ、拒むと「後見制度支援信託」の利用を提案されたという。  

この制度は、本人の財産のうち、日常の支払いをする預貯金は後見人が管理し、普通使わないお金は別にして金融機関に信託しておく仕組みである。いったん専門家が後見人になるものの、手続き後に辞任して親族に貢献業務を引き継ぐのが一般的と言われる。但し、信託契約を手掛けた専門職後見人への報酬支払いも必要となる。加えて、契約後は引き出しや解約に家裁の許可が必要となる。更に、支援信託で預ける預金は金融機関破綻時に保障されるのは1000万円まで、おまけに手数料も発生する。  

後見制度支援信託のメリット・デメリットについて整理しておきたい。まずはどのような人に支援信託を進められるのでしょうか?被後見人がもっている預貯金や上場株式等の流動資産の総額が主な判断基準にされているようだ。基準額は家庭裁判所によって異なるが、東京家庭裁判所では、被後見人に500万円以上の流動資産がある場合に、後見制度支援信託の検討対象となっている。(2014年4月までは1000万円以上が対象であったが、2014年5月から対象範囲が拡大された)  

被後見人にとっては、自分の財産が後見人によって不正に使用されるリスクを低減させることができるというメリットがあり、後見人にとっても、主な管理対象が日常的に必要な金銭の絞られるため、後見人としての業務負担を軽減できるというメリットがある。  

しかし、後見制度支援信託を利用すると、後見人が手元で管理している金銭だけでは足りない場合等に、信託財産から払戻しを受けるための手続きが必要になり、後見人にとって、手続き上の負担が増えるというデメリットがある。  

後見人が手元で管理している金銭だけでは足りない場合には、家庭裁判所に、必要な金額とその理由を記載した報告書を裏付け資料とともに提出し、家庭裁判所が報告書の内容に問題がないと判断すれば、指示書が発行され、それを信託銀行等に提出して払戻しを受けるという手続きが必要になる。  

また、もう一つ、後見制度支援信託のデメリットとして、弁護士や司法書士等の専門職後見人や報酬が必要になる。専門職後見人に対する報酬額は、家庭裁判所が、専門職後見人の行った仕事の内容やご本人の資産状況等のいろいろな事情を考慮して決めるが、概ね10万~30万円になるようだ。報酬は被後見人の財産から支払われることになるので、結局は負担が大きくなる。  

結局、多額のお金の管理を成年後見人にゆだねるリスクを避けたければ、支援信託制度を使って一定金額以上は金融機関で守ってもらえ、但し、その手続きや金融機関への信託費用は自分で賄ってね、そういう制度である。要は富裕層を対象とした制度であり、実に使い勝手の悪い制度なのである。  

西日本新聞で取材された後見人候補の方も最終的にはこの制度を利用せず、専門後見人の選択をしたようだ。その結果は財産の状況から年間70万円もの報酬を専門後見人に支払うことになるようだ。到底、一般の人が使える制度ではない。
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