無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

カテゴリ: 政治・経済

首都圏の特養には空きが出ているにもかかわらず、入居できない状況が続いています。入居条件が介護度3以上と入居基準が厳しくなったことと、人手不足が原因です。ではお金のない高齢者はどこに行けばよいのでしょうか?特養は空きがあっても入れない、貯蓄が少ない年金暮らしの高齢者は民間施設にも入れない。病気になれば働けなくてアウト、生活保護で逃れようとしても2割しか対象にならない、一体その他の高齢者はどこに行けばよいのでしょうか?この6年間の国の無策のシワ寄せが高齢者が急増する首都圏を襲います。
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【老後】首都圏特養の10%はベッドが空いても入居できない
日刊ゲンダイ2019.7.20
 安倍政権は「介護離職ゼロ」を目標にするが、昨年7月に公表された「就業構造基本調査結果」(2017年版)によると、過去1年間に介護のために離職した人は約9万9000人。5年前の前回調査より約2000人減っているが、ほぼ横ばい。このペースでは、視野に入れる20年代初頭の「介護離職ゼロ」は絶望的だ。深刻な老老介護の現実を直視すると、介護離職ゼロどころか、老後は共倒れが現実味を帯びている。

日経新聞が昨年、首都圏1都3県の特養の入所状況を調査したところ、合計約13万8000床のうち約6000床が空いていた。対象エリアの待機者数は約6万6000人なので、実に10%はベッドが稼働していないことになる。都市部ほど、未稼働ベッドが少なくないという。

「特養から漏れた人たちは割高な民間の施設に頼るか、自宅で介護せざるを得ません。高齢者の金融資産の保有状況を考えると、見通しは暗い」(上原氏)

 金融広報中央委員会の調査によると、70歳以上の2人以上世帯は、3割が貯蓄ゼロだ。年金の受給額は、平均で国民年金が月額約5万5000円で、厚生年金が同14万7000円。貯蓄がなければ、この年金でベラボーな民間施設に老後を委ねることは不可能だ。

 全日本民主医療機関連合会は、生活に苦しんで医療機関を受診せず、手遅れで亡くなった人の状況を調べている。加盟636医療機関に調査したところ、昨年は手遅れ死亡が全国で77人。05年の調査開始以来、最多を記録した。

第1次安倍政権のスタートは06年だから、安倍政権の“延命”とともに、老後につらい思いをする貧困層が広がったことがうかがえる。

「大病したら終わり。保険はあっても、働けなくなるからアウトさ」

 
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病院と歯科診療所の減少と倒産件数が増加しているといいます。2018年の医療機関の倒産件数は40件程度ですが、実態はどうなのでしょうか?倒産に至る前段階での経営譲渡等M&A物件は増加の一途を辿っています。そこまで含めて厚労省は実態を把握する必要があります。
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病院と歯科診療所が減少、病院の倒産件数は20年間で4番目の高水準に
MONEYzine2019.7.20
 厚生労働省の調査によると病院と歯科診療所の減少が続いている。一般診療所の施設数は前年同月比で若干増加したものの、病床数は減少した。

厚生労働省が6月27日に発表した「医療施設動態調査 平成31年4月末概数」によると、4月の病院の施設数は8,327施設で、前月比で15施設減少した。平成30年4月は8,384施設だった。

病院の減少に伴って病院の病床数も前月比で3,731床減少し、153万5,358床となった。平成30年4月は155万3,015床だった。4月の一般診療所の施設数は10万2,298施設で、前月比で96施設増加したものの、病床数は669床減少した。

 4月の歯科診療所の施設数は6万8,485施設で、前月比で20施設減少し、平成30年4月の6万8,742施設から減少傾向が続いている。

一方、帝国データバンクは7月8日、「医療機関の倒産動向調査 2019年上半期」の結果を発表した。発表によると、2019年上半期(1月~6月)に医療機関の倒産(負債1,000万円以上・法的整理)は23件発生し、前年同期比で4件減少したものの、2000年以降の20年間では2009年上半期の33件、2007年上半期の31件、2018年上半期の27件に次いで4番目の高水準となった。内訳は「病院」が5件、「診療所」が13件、「歯科医院」が5件だった。倒産の主因別では、来院患者数の減少などによる「収入減少」が14件(構成比60.9%)で最も多く、以下、「経営者の病気・死亡」(3件)、「人材の不足」(2件)が続いた。

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一瞬にして34名の命が失われる、こんな悲惨な事件がなぜ起きるのでしょうか?川崎事件しかりで、頻発する悲惨な事件が起きる背景にあるものは一体何でしょうか?世の中の様々な仕組みが崩れつつあるのを感じざるを得ません。格差社会が広がり、強者を中心とした社会が形成される、その結果待っているものは社会不穏ではないでしょうか。ただ単なる精神疾患患者の対応強化による「人権と社会の安全の両立」といった問題だけではないと考えます。その背後にある社会の病巣に焦点をあてねばならないのではないでしょうか。
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京アニ事件 人権と社会の安全 法律改正含め社会の成熟が必要
BLOGOS2019.7.20
 警察が京アニ事件の犯人の名前を逮捕前に発表しました。と同時にメディアも全て名前を出すようになっています。

このような非人道的、常識でははかりしれない犯罪を犯す人間の精神的不安定性を考慮していましたが、やはりネットで精神疾患の可能性の情報が拡散されています。

今まで疾患等で心神喪失を犯した際その罪は問われません。それこそ終身刑のような入院はやめるべきという内容の記事も存在します。生活保護問題で有名なみわよしこさんはこのようなツイートをしています。
https://twitter.com/miwachan_info/status/1152218711505264643

また精神科医の片田珠美さんはこのような分析を出されています。そうみんな現在の難しさを発しています。

川崎事件を含めなぜこのような大きな被害が目立つのか。たまたまかもしれません。メディアが好んで発しているだけかもしれません。そんな中、医療者として今と昔の精神疾患患者のコントロールがどう変化しているのかに少し恐れがあります。

それこそ今まで長期入院が当たり前だった精神疾患患者。いわゆる隔離みたいな施策で人道的ではないものでした。それゆえ最近はなるだけ病院ではなく社会で治療、サポートをしていこうと流れができています。

ところが相模原の事件含めてこの日本社会のサポートが今ひとつになっているから、その疾患のコントロールが悪化する人間が出現し、爆発状態になってしまった時このような大きな個人テロのような事件が起きているのではないかと医療者として心配しています。ただ精神疾患のコントロールは本当に難しいのですが。

人権と社会の安全。この両立を行うためには罰則も含めてしっかりした社会を作っていく必要があります。もうタブーではなく危機管理として当たり前に行動する必要が出ています。

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新しい福祉国家の構築を目指して、領域を超えて集まった研究者・実践家のグループの福祉国家構想研究会が高齢者世帯の貧困をデータで訴えています。単身高齢者のおよそ3割が生活保護受給世帯の消費支出を下回ることが示され、また、高齢者だけで暮らす高齢者全体の20%(404万人)が、生活保護受給世帯の消費支出を下回っている。これらのデータからは、多くの高齢者が生活保護以下の水準にまで支出を抑えなければならない苦境が浮かび上がっています。
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参院選:統計データが示す高齢者世帯の貧困 老後と年金の知られざる「事実」とは
Yahoo!ニュース2019.7.20
 データが明かす不十分な貯蓄・年金と消費支出の抑制
 福祉国家構想研究会は、新しい福祉国家の構築を目指して、領域を超えて集まった研究者・実践家のグループだ。資料の詳細な説明については上記のリンクから引用元をご覧いただくとして、ここでは二点に絞ってポイントをご紹介したい。

 第一のポイントは、年金額が減っているにもかかわらず、その年金に依存して生活せざるを得ない高齢者世帯が多く、さらに、収入の低い世帯ほど年金への依存が強いという点である。

第二のポイントは、貯蓄が少ない高齢者世帯が多く、そうした世帯ではほとんど貯蓄を取り崩すことなく消費支出を削って生活しているということである。

十分な貯蓄がない場合には、将来への不安から、できるだけお金を使わずに、貯蓄に手をつけない努力がなされているようだ。このことが、高齢者が外に出るのを控え、家に引きこもって孤立してしまうことにつながっていないかが懸念される。



 

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「国難的事態に備えて制度設計をしないのか。理由はいくつか思いつきますけれど、一つは日本が主権国家じゃないからです」という『人口減少社会の未来学』 の編著者・内田樹さんの意見にはっとさせられます。果たしてこの流れを日本は食い止めることができるのでしょうか?今回の参院選はそれを占う選挙でもあります。
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日本の介護が「刑務所ビジネス」で破壊される日――内田樹×堤未果
エキサイトニュース2019.7.14
『人口減少社会の未来学』 の編著者・内田樹さんと、話題のベストセラー 『日本が売られる』 の堤未果さんの初対談が実現。2018年の出生数は過去最低を記録し、人口減少に拍車がかかる今、医療、介護、国民皆保険、教育などの日本が誇る貴重な資産は、“ハゲタカ”に食い荒らされようとしている。崩壊しつつある諸制度の問題点をあぶり出しつつ、日本の未来を守るために何ができるかを語り合った白熱対談。

ほんの20年前までだったら、日本は教育研究や医療の分野でもアジアではトップクラスだったんです。それがわずか10年ほどの間で急速に低下してしまった。でも、これだけ短期間に低下したというのは、国民の資質そのものが劣化したからではない。人間そのものはそんな短期間には変わりませんから。そうじゃなくて、資源の管理の仕方が悪かったからなんです。国民資源の本体が底をついたわけじゃなくて、それを管理し、制御する仕組みが破綻した。そのせいで、こんなことになった。だから、元に戻そうと思ったら戻せるはずなんです。

内田 いまの政官界には長期的なタイムスパンで国益を考えられる人がいなくなっていると思います。人口減少も、何十年も前から人口動態については正確な予測が立っていた。にもかかわらず、人口減対策をどうするかについて責任をもって対策を立てるセンターが政府内にはいまも存在しません。

どうして、国難的事態に備えて制度設計をしないのか。理由はいくつか思いつきますけれど、一つは日本が主権国家じゃないからですね。安全保障でも、エネルギーでも、食糧でも、教育でも、医療でも、学術でも、国家にとっての重要分野において、アメリカの「許諾」を得られない政策は日本国内では実現しない。だから、日本では「国益を最大化するためにはどうすればいいのか?」という問いが優先的な問いにならないのです。

いまの日本の政策は基本的に「アメリカの国益が最大化する」ことを目標に起案されているんです。

80年代にアメリカで新自由主義が出てきて、長い歴史のなかで見るとたった数十年しかないひとつのイデオロギーにこんなにも世界が食い荒らされてる。若い世代の人たちは一択しか選択肢がないように思い込まされているけど、右肩上がりに経済成長を続けなければダメだという作られた幻想から脱却し、日本のもつ有形無形の資産をいかに守るか、考えるべきときが来ているのではないでしょうか。
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