無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

カテゴリ: 医療型高齢者住宅

昨日はある西の地方都市で医療法人の高齢者住宅のご相談を受けました。私どもも西は沖縄を含む九州から中国地区と複数の高齢者住宅を運営をさせて頂いていますが、医療法人の介護に取り組むケースは非常に多くなっています。

昨日のブログにも書きましたが、「近い将来、地方部では医療・介護需要が減り始める」ことが予測されます。特に西日本では核家族化の進展が進んでおり、高齢化が一気に進んできたということもあり、医療分野の高齢者の囲い込みが進んでいるのが実態です。

恐らく医療だけではメシが食えなくなる時代がきつつあるのではないかと思われます。人口に対する病院の数も西の方が圧倒的に多いと云われます。今後は患者の奪い合いが激化してくることが予測されます。

本日ご相談を受けました病院も既にグループホームや社会福祉法人の経営も行っております。今後更にニーズが高まるでそう医療依存度の高い高齢者の受け皿づくりに乗り出しておられます。

ニーズのあるところにビジネスありで、民間の新しいノウハウを入れて医療連携型の高齢者住宅事業に乗り出そうとされています。

11月20日高齢者住宅新聞にナーシングホームJAPANの取り組み内容が出ていました。今後、看取りの場として更に重要性を増すサービス付高齢者向け住宅には独自のサービスが求められているといわれます。その内容について触れておきたいと思います。

このようなホスピス型の高齢者住宅が誕生し始めておりますことを大変心強く思います。是非、学びたいものです。
………………………………………・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
■在宅ターミナルケアとはがんを含む終末期の疾患をもった人が希望する居宅で楽に生きることを支援し、介護する家族が安心して一緒に暮らせる地域社会のシステムであり、病院の医療とは全く異なるもの。

■ナーシングホームJAPANが運営するサービス付高齢者向け住宅には在宅専門のクリニックや訪問看護ステーション、デイサービスなどが併設されている。

■難病者対応専用フロアや要介護者専用フロアなど、入居者の身体状況に応じ、居住するフロアが異なる。

■要介護フロアでは定期巡回・随時対応型訪問介護・看護を活用しており、入居者それぞれの生活に合わせたオーダーメイドプランを提供することが可能。

■JAPANでは訪問介護は他の事業所を利用している。自分たちで全てのサービスを賄ってしまうと、その施設には地域の人が入ってこないことになる。

■自社の強みを生かしながら他社の良さも活かしていくことで在宅医療を充実させることができる。他社が介入すれば第三者評価にもつながる。


■理想のターミナルケアのため、ペイントコントロール専門医を採用し、専門的なケアを提供している。

■研修や吸引技術の取得はスタッフ全員に実施し、看護と介護の垣根を無くすように努めている。

■看取る家族に対するグリーフケアの充実も大切。本人に意識が行きがちであるが、家族看護の視点を持ち合わせることも重要。

8月26日の下野新聞の朝刊に、県内初のホームホスピス開設 大田原の「かあさんの家」が誕生するという記事が出ていました。

これまで高齢者住宅のあり方として自立型、介護型、医療型、そして、究極はホスピス型と述べてきましたが、その動きが進んでいるようです。以前から注目をしておりました宮崎県の「かあさんの家」がこの度、大田原市で誕生するというニュースが出ていました。もっと、この動きを広げて行かねばなりません。注目したいと思います。
…………………………………………………………………………・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
がんや認知症、老衰が進んでも高齢者がその人らしく生きる。そんな最期を支えるホームホスピス「かあさんの家」が25日までに、大田原市本町2丁目に県内で初めて開設された。

宮崎市で生まれたホームホスピスの先駆け「かあさんの家」は、少人数の高齢者が患者でなく生活者として民家でともに過ごし、介護職らがサポート。「栃木かあさんの家大田原」はその理念、運営方法を共有する地元の訪問看護師らが超高齢社会を見据え運営する。

那須町の訪問看護ステーションの管理者で看護師黒田美知子さん(63)と、大田原市で訪問介護事業所を経営するケアマネジャー西村悦子さん(59)らが8月半ば、NPO法人として認証を受けた。理事長に就いた黒田さんは「病院の在院日数の短縮などに伴い行き場を失いかねない人の受け皿になりたい」と説明する。

近く、県北の認知症のある80代女性とがんを患う80代男性が病院から入居する。

今まで医療法人の高齢者住宅は中~大規模のものが多かったように思います。地域でも名だたる病院は何らかの介護施設を運営されてきました。老健施設は言うまでもなく、社会福祉法人の資格を得て、特別養護老人ホームを行うなど、療養型病床群と併せて、施設系の高齢者住宅が主流だったように思います。これが医療型高齢者住宅の第1世代でしょうか。

加えて、介護付き有料老人ホーム(特定施設)やグループホーム等のマルメ報酬型の高齢者住宅の展開がなされました。これが第2世代でしょうか。

最近はサ高住にて補助金がでることも促進材料となり病院が難易度の高い外付けモデルを建てるケースが増えてきています。当然、同じく外付けモデルである住宅型有料も同様に数を増やしてきています。これが第3世代でしょうか。

そして、今、新たに診療所やクリニック、歯科医院等圧倒的に数が多い小規模医院がこの分野に参入を始めています。小規模医療機関であるが故に、大規模な高齢者住宅はリスクが高く、参入障壁が高くなります。

そこで、小規模型高齢者住宅に関心を寄せてきています。大きな施設の代わりに小規模高齢者住宅を複数所有、又は連携をはかり、訪問診療分野にシフトするという形態です。そのモデルに小規模で低価格型のエルスリーは最適なのです。これが第4世代の医療型高齢者住宅となるでしょう。

もっと多くの診療所、クリニックがこの分野の取り組みを強化することで、高齢者住宅は大きく裾野を広げることになるでしょう。医療連携の取れた高齢者住宅こそ、今日の市場が求めるものです。

今後、医療機関とのコラボレーションを更に強化して参りたいと考えております。

(前回に続く)
国際基督教大学客員教授の八代 尚宏氏による「医療費膨張を防ぐには㊤」の続き、その5(最後)。

今後医療型高齢者住宅の必要性について言及されておられます。家庭医の育成と医療型高齢者住宅の果たす役割は大きいと思います。

■高コスト・低負担の特別養護老人ホームに需要が集中したため、介護保険者の市町村が介護施設を抑制し、在宅介護を強いるという逆行した状況になりつつある。

■そこで、寄付を前提に多額の補助金と税制上の優遇を受ける社会福祉法人中心の施設介護の見直しが必要だ。

■住居と介護を切り離し、診療所・介護ステーションを併設した高齢者住宅を政策的に推進する必要がある。又、低所得者には自治体から家賃補助をする仕組みが合理的だ。

■高齢化社会では、精神面も含めた多様な疾病を抱える高齢者に対応できる専門的知識を持つ家庭医の育成が急務となる。

■高度医療を担う拠点病院は、救急と家庭医からの紹介患者に専念すれば、質の高い医療を少ない費用で実現できる。

■介護保険の機能は、要介護者への所得移転に限定し、利用者が質を判断できる介護サービスの需給調整には介入せず、市場での価格機能を活用すべきである。


このページのトップヘ