無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

カテゴリ: 介護・自立型高齢者住宅

多店舗展開をしていく上で、重要なことは資金の供給体制と人材の供給体制が挙げられます。教訓その4は成長スピードに併せた、人材育成が出来なかったことです。

 

我々は小規模施設(1施設16室)を展開しました。我々の戦略は小規模施設の同一モデルを全国展開することでした。決して、様々な種類、規模の施設を作るのではなく、一貫して16人~18人までのモデルを一定の地域に多店舗展開することにより、存在感を高めていく戦略でした。その方が、地域に与えるインパクトが強いと判断した為です。案の定、その戦略は当たりました。

 

加えて、このモデルを展開するもう一つの意味がありました。それは、この規模を多店舗展開することによる人材育成の場と考えたことです。施設の経営と品質の差は管理者の差と言えます。多店舗展開するには施設管理者を大勢排出し続けねばなりません。

3050人定員規模の施設を運営するのは簡単なことではありません。当然、そこに働くスタッフの数は20人~40人に及び、その人材を確保し、マネジメントしていくことは容易ではありません。

 

それに対して1618人定員の施設であれば、必要とするスタッフは10人前後で良いのです。この人数は居酒屋で一番盛り上がる人数と言われます。10人前後であれば目が行き届き、コミュニケーションを取りやすい人数なのです。比較的マネジメントしやすい人数でもあります。

 

我々は、小規模施設を人材育成、とりわけ管理者育成の為のインキュベーター(孵卵器)と考えたのです。

この小規模施設でヒト、モノ、カネをマネジメントする技術を学び、経営者として育って頂くことを主眼としたのです。

 

この目論見は半ば成功しました。非常に優秀な管理者達が育って参りました。又彼らにマネジメントツールを与え、日々の数字をしっかり追いかける仕組み(レビューシステム)も構築したのです。

 

我々は数字で経営をとらえる訓練をして参りました。毎月、前月の成果を振り返り、入居者一人一人に対して、どのように対応すべきか、目標管理、計画管理の手法を管理者会議を通して、学ばせたのです。

 

当然、この日々のマネジメントが出来ない管理者は淘汰されるということになるのですが、経営者的発想をする管理者群を育てることができました。しかし、一方において、数字についていけない管理者も多数出て参りました。管理者の育成とそのバックアップ体制が不完全だったのです。


サ高住について追加記事です。年次別に廃業、転業理由毎にデータが載っていましたのでご報告をさせて頂きます。入居前段階の廃業が一番多いようですが、計画に無理があったとしか言いようがありません。又、実際にサ高住の運営が難しくて、後に有料老人ホームへの転換も見られます。サ高住の開発、計画が不十分だったのではないでしょうか?
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官庁通信社2019年7月9日
サ高住の廃業、徐々に増加 5年で125件 転居を余儀なくされる人も 国交省調査

2011年から2015年の5年間で、運営を諦めて廃業の届け出を行ったサービス付き高齢者向け住宅が125件にのぼっていたことが、国土交通省の調べで明らかになった。まだオープンに至る前の計画変更だったり、有料老人ホームなどへ転用されたりしたところが多くを占めているが、入居者が住み替えを余儀なくされたケースもある。サ高住の普及とともに廃業も多くなっており、今後さらに増えていけば問題はより深刻になっていく。

 
調査は今年2月までに行われたもの。都道府県が受けた廃業の届け出を国交省が初めて集計した。
 

それによると、実際に入居が始まる前の届け出が51.2%にあたる64件。事業者が変わって存続したり有料老人ホームになったりしたのが34件で、それ以外が27件となっている。この27件の中に、入居者が別の住まいへ移らなければいけなくなったケースが含まれているが、その人数など詳しい全体像は把握できていないという。

 

 

 
サ高住の制度では、事業者の倒産などで入居者が暮らし続けられなくなってしまった場合について、移転先の確保を支援するよう都道府県などに求めている。国交省の担当者は、「あくまでも民間の事業者が運営する賃貸住宅なので、計画の変更や経営難、淘汰などで一部が廃業している現状にはやむを得ない側面もある。都道府県から情報を集めているが、入居者の移転先が見つからず大きなトラブルになったケースがあるとは聞いていない」と説明。「廃業した事業者がいるかどうかより、高齢者の居住の安定や安全を確保していくことが重要。都道府県や厚生労働省と連携しつつ、今後ともきめ細かく対応していきたい」と話している。
 

「いったん立ち止まって考える時期」

 
サ高住は2011年に「高齢者住まい法」の改正で創設された。必須のサービスは安否確認と生活相談。食事の提供や清掃・洗濯などを実施しているところもある。施設数は右肩上がりだ。今年の5月までに全国で6644棟、21万7108戸が整備された。居室の床面積やバリアフリー構造などに基準があり、それを満たしていれば国から工事費の補助を受けられる。
 
サ高住としての登録を10年以上続けるルールもあり、これを破れば補助金は原則として国へ返還しなければいけない。具体的な金額は、運営していた期間などそれぞれの事情を踏まえて個別に決定される。国交省の担当者は、「事業者が破産している場合などは返してもらうのが難しいこともあり得る」と話す。
 
淑徳大学・総合福祉学部の結城康博教授は、「このまま廃業が増えていけば税金のムダ使いが膨らんでしまう懸念がある。今の届け出制を許認可制に改め、補助金を出す対象ももっと厳しく選定していくべきではないか。それが高齢者を守ることにもつながる」と指摘。「地方を中心として特養に空きベッドが生じているなど、高齢者の施設・住まいを取り巻く環境も変わってきた。サ高住を急ピッチにどんどん作っていく施策も、いったん立ち止まって考える時期に来ているのではないか。より効率的・機能的に受け皿を整備する道がないか改めて検討すべき」と促している。

サ高住の多様化が進んでいる状況が報告されています。これまで自立系と言われてきたサ高住ですが、介護型の施設が不足するだけに、その代替手段としてサ高住において介護型~更に医療型へと進化を遂げているようです。
しかし、先般も報告をしましたように廃業するサ高住も多くなってきています。モデルが多様化すれば当然、その収支モデルも多様化してきます。継続的に存続できるモデルの開発が求められます。
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介護離職に備えよ】医師常駐、終末ケアも多様化進む「サ高住」  

 シニア向けの「賃貸住宅」であるサービス付き高齢者向け住宅(以下サ高住)については、これまでも何度か触れてきた。サ高住は賃貸住宅というところがキモで、老人ホームとは似て非なるものである。

 安否確認と生活相談のサービスが受けられる点が特徴ではあるものの、あくまでも賃貸住宅なので、入居には敷金・礼金が必要。入居後も賃料や管理費、光熱費、食事代などのほかに、サービス提供料がかかるのが一般的だ。

 一方、介護付有料老人ホームは利用権を買うもので、不動産でもなければ賃貸でもない。入居一時金は数百万円から数千万円と高額だが、介護状態になっても同じホーム内の介護棟に移るなどして、最期の看取りまで面倒をみてもらえる。

 とはいえ、サ高住は高額な初期費用がかからず、利用のハードルが低いため、最近は人気があるようだ。ここにきて、多様化も進んでいる。

 これまでサ高住は、ある程度の自立した生活が可能な高齢者を対象にしたものというのが原則だった。だが、現実には介護サービスの提供が必然とならざるを得ない対象者も多くなっている。そのため、認知症が進んだ高齢者や胃ろうや吸引が必要な人を受け入れるサ高住も増えているようだ。

 サ高住と在宅介護事業所が一体化した施設も珍しくなくなっている。医師が常駐するサ高住やリハビリ施設を併設したものもある。なかには、サ高住に併設された訪問診療や訪問介護のステーションが、入居者だけでなく地域一帯にサービスを提供する例も少なくない。

私の知っているサ高住では、終末期のターミナルケアを行っているところもあり、多様化の流れはますます進んでいくように思う。

 さらに、アクティブな高齢者に健康的なライフスタイルを提案するサ高住も出てきた。利用者が健康維持のためのさまざまなプログラムに参加できたり、図書館や音楽室などの共有スペースを利用できるところもあるようだ。
 「そろそろ親を呼び寄せたい」と考えている人も多いだろう。その際、「高齢期の住まいの種類やメリット、デメリット」についての知識をきちんと持ち、最適な選択ができるよう備えておきたいものだ。
 ■大澤尚宏(おおさわ・たかひろ)
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<前回に続く>

シェアハウスの課題

 シェアハウスのメリットは、一軒にかかる家賃を利用者で分担しているため、サービス付き高齢者向け住宅への入居や独り暮らしに比べて費用が安いということ。キッチンやバス・トイレは共同で使うため、共益費や食費など含めても国民年金で暮らせる場合もあると言います。

ただし生活サービスは内包されていないので、家事や身の回りのことは自分で行え、共用部分の手入れを分担できることが必要です。

 もう一つ最大の未解決事項としては、今のところ認知症や介護が必要になったら退去というところが多いことでしょう。

老後について一番不安である介護が組み入れられていないというのでは、高齢者対応の住宅としてはあまり役に立ちません。サ高住との違いである『料金が安い』というメリットを、よく見直す必要があります。

 シェアハウス内で介護保険サービスを使うことができなければ、老後の不安を解消することはできません。そして、分担して行っていたハウス内での仕事、例えばトイレ掃除当番やゴミ捨てなどができなくなった場合、それを誰がフォローするのか。これは介護保険のサービスの適用外です。代わりに他の居住者の負担が増えることに対して、同居人がどこまで受け入れてくれるのか。

 介護保険のプランでは、同居している人たちの協力を前提としたプランを立てないように配慮することが必須です。しかし、普段の生活で要介護者への手助けは必要になります。これに対して、少しずつ負担感が増していくかもしれません。

 もっとも考えるべき課題は、介護が必要になったとき、どのようにして介護保険サービスにつなげていけるかでしょう。

自分たちで立ち上げたシェアハウスの住人は、介護保険を使っていないことも多いようです。要支援1でも良いから介護認定をしてもらい、介護が必要になったときの対応をするために、ケアマネジャーがかかわっていくことも必要ではないでしょうか。

 「年をとったら友だちと一緒に暮らす」という夢を実現し、安心して暮らすために管理者を決める。さらに、その管理が適切か監査する機関を決めること。権利や自由を守るために、最低限の暮らしを守る核として、地域包括支援センターやケアマネジャーが協力していくことが必要です。

高齢者シエアハウスが取り上げられておりました。これからの高齢者住宅の在り方を考えるときに空き家対策と併せて一つの方法として注目されますが、シエアハウス的発想を持ち、高齢者の為のサポート体制がノウハウとして蓄積されねばなりません。試行錯誤が続きます。

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高齢者住宅としてのシェアハウスのメリットとデメリット

(けあZine 2017-07-14 )

なぜシェアハウスが注目されているのか

 シェアハウスが注目されている理由はいくつかあります。特に不動産関係者にとっては空き家の問題や、高齢者が敬遠されるもっとも大きい理由である孤独死の心配がないなどの理由から歓迎しているようです。また、空き家を再利用できる、事故物件を減らすというメリットもあります。

 シェアハウスを成功させるためには、「オーナーが誰か」というのが必要なポイントです。賃貸住宅で資産運用している人がシェアハウスを運営することもありますが、住人がオーナーとして運営していくこともあるでしょう。

 自分と配偶者、そして子どもに合わせて暮らした家で、今はもう部屋が余っている。あるいは手入れが行き届かなかったり、動けるけれど自分の一人暮らしが不安だったりという人は、自宅をシェアハウスにすることもできます。

 空いている部屋をシェアして収入を得ながら、一人暮らしの寂しさや孤独死に対する不安から解放されるのです。また、リバースモーゲージが注目されていますが、これも運営によっては新しい老後の資金として使えるかもしれません。

 しかし自分がオーナーとしてシェアハウスを運営していくことは、予想以上に大変です。管理会社を見つけることから始まり、入居者の募集や退出準備、家の補修、オーナーが亡くなった際の管理も決めなければいけません。また、管理会社が適切な仕事をしているのかは、外部が監査する必要があります。

<次回に続く>


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