無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
豊かな高齢者社会の構築に向けて、日々尽きることの無い気付き、出会いを綴って参ります。

カテゴリ: 介護・自立型高齢者住宅

老人ホームの破綻に伴う事業承継又は、転居については行政を含めて、関係者のスムーズな対応が求められます。基本的には前の施設の契約条件が踏襲されるのが前提となりますが、問題は、前の施設の条件があまりに一般施設の基準を逸脱しているようなケースです。そのようなケースでも地域で何とか入居者を守るために、受け入れざるを得ないという場合もあります。
何よりも大事なのは行政との連携のもと、ご入居者並びにご家族との協議でどれだけ一般的な基準に合わせられるかという努力です。何としてもご利用者を守らねばなりません。介護事業者はそんな思いで運営を行っています。
・・・・・・・・・・・・
老人ホーム破綻 事業継承者が不利益変更契約を強いてきたら?

11月5日(日) NEWSポストセブン

介護業界では、近年、倒産や休廃業が急増している。東京商工リサーチによれば、2016年には老人福祉・介護事業の倒産件数は108件にのぼり、過去最多を更新した。

 倒産の原因には、介護報酬のマイナス改定や、資金調達力に劣る新規事業者の参入などが挙げられている。倒産の業種では訪問介護がもっとも多いが、有料老人ホームも例外ではない。


 今年7月14日には、札幌市を中心にグループホームや有料老人ホームなど23施設(居室数1600以上)を運営していた介護事業者「ほくおうサービス」(札幌)などグループ5社が、札幌地裁へ自己破産を申請した。


 同社の全23施設は、福岡に本社を置く創生事業団が運営を引き継ぐとしていたが、8施設に関しては家賃交渉がまとまらなかったため、事業を継承しない方針を発表した。


 一方、ホームが倒産しても、別の事業者が運営を継承して、入居者がそのままの施設に居続けられることは少なくない。介護事業への新規参入を望む事業者は多く、そうしたケースのほうが一般的だとされる。


 しかし、経営主体が変わると、利用者が受けられるサービスも変わってしまうことがあるという。介護雑誌『あいらいふ』の佐藤恒伯編集長はこう話す。


「別の法人が事業承継する場合、利用者がもともとの事業者と結んでいた契約から不利益変更がないよう、厚労省による指導がなされています。ただし、もとの事業者がパンフレットなどに記載して約束していた以上のサービスを提供していた場合、それが受けられなくなることはあります。


 これは実際にあった事例ですが、入居時の契約書に『職員1人に対し入居者2.5人という人員配置を維持する』と明記していた施設が、実際にはそれよりも手厚い1人に対し1.7人という配置で運営していた。そこが倒産に追い込まれ、事業主体が変わった時に、契約書通りの1人に対し2.5人という比率へサービスが引き下げられたのです。


 こうした変更により、夜中にナースコールを押してもなかなか来てくれなくなったり、当直の人数が減らされたりするわけです」


 通院の付き添いも、倒産前は送迎だけでなく、院内の付き添いまでやってくれていたのが院内の付き添いは別料金になるといったことがあるという。


 さらには、入居時に交わした契約内容自体の変更を求められるケースもある。高齢者住宅コンサルタントの田村明孝氏は言う。


「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は『住宅』であり、『賃貸借契約』をしているので居住者の権利が守られ、前の事業者との契約が保全されますが、介護付き有料老人ホームの契約では、“ここを利用できます”という『利用権』で住んでいることがほとんど。


 だから、利用権は保障されますが、“介護スタッフの数を減らす”といった経営方針の変更に従わざるをえない面もあります。厚労省がやっているのは、不利益変更で落差が大きくなりすぎるのは社会通念上好ましくない、という意味での指導に過ぎないのです」


 施設運営を引き継いだ事業者が契約条件の不利益変更を強いてきた場合、どうすればいいのか。前出・佐藤氏はこうアドバイスする。


「まずは担当のケアマネージャーに苦情を申し入れる。そうするとケアマネが施設長に相談し、改善策を講じてもらえる可能性があります。


 その次は、重要事項説明書の後ろの方に記載された事業者の本社の相談窓口に連絡する。それでもダメなら施設を認可した自治体の窓口に、苦情を申し立てる。そうすると自治体の担当者は必ず施設に問い合わせをするので、施設側は敏感に反応するはずです」


“良さそうな老人ホームに入れたから老後は安心”という時代では、もはやない。


※週刊ポスト2017年11月10日号

<前回に続く>

業界適正化目指す

 囲い込みや過剰介護への対策として、厚労省は、サ高住などを対象にした介護報酬の減算制度を設けている。併設事業所が訪問介護を提供する場合、報酬が1割カットされる。

 9月に行われた社会保障審議会分科会で、サ高住などの団体で作る「高齢者住まい事業者団体連合会」は、「不適正なビジネスモデルの存在は極めて遺憾」との考えを示した。その上で、防止策として、入居者の訪問介護や通所介護の利用回数に上限を設けることを提案。連合会の市原俊男代表幹事は「業界として適正化に向け努力していきたい」と話した。

 もちろん、入居者を第一に考えるサ高住も多い。宇都宮市の「サンフレンズ宇都宮」は、介護事業所を併設していない。スタッフの一人は「入居者が介護サービスを自由に選択できることが大切」と話す。

  <サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)>  2011年に施行された改正高齢者住まい法に基づく賃貸住宅。入居対象は原則60歳以上。バリアフリーで、部屋の広さは原則25平方メートル以上と定められている。スタッフによる見守りサービスがある。入居費は全国平均で月約10万円。介護事業者や医療法人などが運営し、国が建設費などを補助している。16年度末で全国に約21万戸ある。

 (板垣茂良)

介護・シニア

入居者囲い過剰介護…サービス付き住宅に批判も

 年をとり自宅での一人暮らしが難しくなった人にとって、賃貸のサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は、住み替えの有力な選択肢だ。サ高住の多くは、敷地内や近隣に訪問介護などの事業所があり、入居者の安心感は高い。

だが、一部のサ高住が、過剰な介護を提供しているという批判もある。介護保険の費用増大が課題となる中、厚生労働省の社会保障審議会分科会では、是正に向けた議論が進められている。

 「併設の介護事業所を必ず利用するよう求められた」「一人で着替えられるのに、介助サービスを使わされた」――。サ高住の事業者団体「一般財団法人サービス付き高齢者向け住宅協会」(東京)には、入居者や家族から、こうした相談が寄せられている。

 サ高住では、介護が必要な入居者は、個別に介護事業所を選んで契約し、ヘルパーに来てもらう訪問介護や、デイサービス(通所介護)などを利用する。

 だが、サ高住の敷地内や近隣で、関連会社などが介護事業所や診療所を運営しているケースも多い。介護サービスの計画書を作るケアマネジャーの事業所を併設しているサ高住もある。そのため、入居者は併設事業所を選択しがちで、入居者の囲い込みにつながりかねない。

 併設事業所の中には、過剰な介護を提供するケースもあるとされる。

 介護サービスには介護保険が適用され、事業所には報酬が支払われる。報酬は原則、1割を高齢者本人が負担し、9割は介護保険財政が支出する。

 毎月10万円を支払えるサ高住の入居者を例に挙げる。家賃は9万円、介護サービスの自己負担が1万円で、計10万円。これとは別に保険財政から事業所に9万円が支払われている。

 一方、家賃を月1万円値下げして8万円、介護サービスの自己負担を2万円に増やして、計10万円にするとどうなるだろうか。介護事業所は、利用者の自己負担に加え、保険から18万円を得ることができる。

 同協会の向井幸一副会長は、「一部のサ高住が安い家賃で入居者を集め、介護サービスを過剰に提供してもうけている」と認める。

 こうした実態をうかがわせる調査もある。大阪府が2016年末に公表した報告書では、サ高住の入居者(要介護1~5)は、介護保険の支給限度額の平均7~9割程度を使っていた。

 支給限度額は、原則1割の自己負担で介護を受けられる1か月あたりの上限額だ。要介護3なら月約27万円などと、要介護度別に介護保険法に基づき定められている。

厚労省によると、普通のアパートや一戸建てなどで暮らす高齢者(要介護1~5)の場合、支給限度額の4~6割ほどを使うケースが一般的だ。

 限度額いっぱいまで介護サービスを利用しても、違法ではない。しかし、必要性の低いサービスを使うことは、主に保険料と税金で運営されている介護保険の財政に、大きな影響を与える。

<次回に続く>


高齢者施設へシルバー向け洋服の出張販売です。これは喜ばれますね。訪問診療、訪問調剤といった医療面だけではなく、様々な訪問販売のニーズがあります。
・・・・・・・・・・・
朱洸 高齢者施設で出張販売

ニュース和歌山2017/11/04

洋服選ぶ目 いきいきと

 シルバー世代向けの衣料品店、朱洸(和歌山市中ノ店南ノ丁)は10月24日、同市六十谷のサービス付き高齢者向け住宅「たいようの花」に出向いて衣料品販売を行った。辻節子社長は「さまざまな服を持っていき、気に入ってもらえました。今後もシーズンの変わり目に続けて行いたい」と話していた。

 ホールに並んだのは肌着や靴のほか、コーラスでステージに立つ人用の、ラインストーンをちりばめたドレスやネックレス。「七分丈がほしい」などの要望に、朱洸スタッフは持参した商品からサイズ、生地の種類を提案していた。

 買い物を楽しんだのは、入居者22人と地域住民。商品を手に取り、鏡の前で体に合わせ、買い物かごがいっぱいになる人もいた。岩橋陽子さん(76)は「上着がほしいと思っていた。明るい色が好きなので、気に入るものを探します」。携帯電話を取り出し、「いっぱいあるで、買いにけえへん?」と知人を誘う人や、友人のかごを見て「あれー、ぬくいの買うちゃあらよー」と買い物を楽しむ声が響いた。

 近所に住む岡鈴代さん(69)は「夫の肌着を買いました。近くに店が来てくれるのはうれしい。定期的にあればありがたいですね」。

 たいようの花の西林郁裕社長は「普段買い物に行かない人も楽しめる。喜んでもらえてよかった」と笑顔を見せた。

写真=並んだ商品を品定めする入居者ら

(ニュース和歌山/2017年11月4日更新)

介護事業の倒産が増える中で、更に、来年度改正で報酬減額が予測されています。当然、介護事業者としては介護保険以外の収入の道を探らねばなりません。そこで追加料金(自己負担)の検討が行われるのは当然だと思います。自己負担増を求めるのは国だけではありません。事業も存続する為には、新たな収入を得なければなりません。人手不足により人件費が上がる中で追加料金の検討は当たり前ということになります。問題は、その内容が事前にきちんと説明をし、入居者は理解しているかどうかということになります。その意味でも重要事項説明書の説明にしっかりと時間をかける必要があります。想定外といわれないようにする責任は説明する側の施設にあります。
・・・・・・・・・・・
老人ホームに追加料金の罠 館内移動介助やシーツ交換にも

2017年11月03日    NEWSポストセブン

介護業界では、近年、倒産や休廃業が急増している。東京商工リサーチによれば、2016年には老人福祉・介護事業の倒産件数は108件にのぼり、過去最多を更新した。倒産の原因には、介護報酬のマイナス改定や、資金調達力に劣る新規事業者の参入などが挙げられている。倒産の業種では訪問介護がもっとも多いが、有料老人ホームも例外ではない。

 突然の倒産以外にも、老人ホームに入った後に待ち受ける“想定外”が存在する。それが「追加料金」である。

「特にトラブルが多いのはサ高住(サービス付き高齢者向け住宅)や住居型有料老人ホームです。必要な介護サービスを選べる従量制になっていて、利用した分だけ料金も加算されます。

 はじめは要介護1でも、時間の経過とともに身体レベルは落ちていくので区分変更申請をかけて(介護保険の)要介護度を上げていきますが、要介護3以上になってくると、さらに自己負担額が増えていきます」(介護雑誌『あいらいふ』の佐藤恒伯編集長)

 たとえば、老人ホームなどの施設では「週に2回以上の入浴機会の提供」が法律で定められているが、その入浴の介助や、朝の起床介助、夜の就寝介助、朝昼晩の食事の介助で介護保険はだいたい使い切ってしまう。それ以降は自己負担になるのだ。

「車椅子生活だからたまには散歩に連れて行ってほしい、というのも別料金。お風呂の回数を増やすのも追加料金になることがあります」(同前)

 経営コンサルタントの濱田孝一氏も、こう続ける。

「1階にクリニック、2、3階に居室、4、5階に食堂という作りのサ高住の場合、食事介助は介護保険で賄われますが、2階の居室から4階の食堂に連れていくほんの10分ほどの介助は『別料金』ということが起こります。

食事介助の付随行為としてカバーされることもありますが、細かい部分は施設によって“解釈”が違うのが現状です」

 一方、介護付き有料老人ホームの場合は、基本的には要介護5までの介護サービスがパッケージ料金になっているが、それでも追加料金が発生すると前出・佐藤氏は言う。

「病院の送り迎えはパッケージ料金に含まれていますが、病院に入ってからの付き添いは30分単位でお金がかかります。介護度が高まれば、排泄の失敗も頻繁になり、洗濯やベッドのシーツ交換も増えますが、それらも一定の回数を超えると追加料金が発生する施設もあります。

 さらに紙おむつ代は実費負担なので、使う回数が増えればそれだけ費用はかさむ。

『食べる』『排泄』といったことは削ることはできません。将来の体の状態によって、毎月数万円は別途料金がかかる可能性があるのです」

“追加料金破産”しないよう、追加負担の具体例が細かく記されたホームの「重要事項説明書」を確認しておこう。

※週刊ポスト2017年11月10日号

↑このページのトップヘ