無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

終活情報登録事業













自治体による終活情報登録事業が拡大中、これは大変素晴らしいことです。西日本新聞の調査では厚労省は25年2月時点で、少なくとも全国の15自治体が手がけていることを把握しているという。横須賀市をはじめ青森市、東京都大田区や豊島区、岐阜市、愛媛県今治市、山口県周南市などで、全て九州外。うち8自治体は開始時期が24年度中だといいます。

2024年(令和6年)10月1日時点の日本の市町村数は、東京都の23特別区を含めて合計1,741ですので実施している市町村の割合は0.86%とまだ1%にも満たない数ですが、今後伸びていくことが予測されます。

このようなサービスこそ、自治体が行うべき事業ではないでしょか。 国は現在、身寄りのない高齢者の支援事業を新たに制度化しようとしていますが、これまで進めてきました日常生活支援事業も頭打ちの状態で、新しい制度を構築しても屋上屋を重ねることになりわしないかと思う時に、このような自治体の終活情報登録事業を全自治体で標準装備すべきです。国家レベルで推進していくべきです。
横須賀市の状況をみても1人の嘱託職員の設置で可能になるのではないでしょうか。

下記内容を参照。
【独自】身寄りのない高齢者を支援へ 新制度創設、報告書案が判明
47NEWS 2025.12.11  

「全国で増え続ける身寄りのない高齢者への支援を巡り、対策を検討してきた厚生労働省の審議会部会の報告書案が11日、判明した。日常生活に加え、入院時や葬儀の手続きを支えるため、新たな制度を創設する。社会福祉協議会などが実施主体になることが想定され、市町村にも取り組みを促す。」

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身寄りない高齢者…死後の希望叶えるには 無料で利用可能、自治体による終活情報登録事業が拡大
西日本新聞2026,2,21
 全国15自治体が導入  横須賀市の「わたしの終活登録」のような終活情報登録事業について、厚生労働省は25年2月時点で、少なくとも全国の15自治体が手がけていることを把握。横須賀市をはじめ青森市、東京都大田区や豊島区、岐阜市、愛媛県今治市、山口県周南市などで、全て九州外。うち8自治体は開始時期が24年度中だという。

全国的には、25年度に入って神戸市や横浜市が乗り出すなど、拡大傾向にある。横浜市は導入理由について「人生のエンディング期に対する市民の関心が高まっており、横須賀のようなことができないか、との声が上がってきたから」と語る。  

身寄りのないお年寄りを支えるために各自治体はどう対応していくのか。新たに施策を取り入れる場合、終活情報登録事業は有力候補の一つと言えそうだ。

横須賀市は「わたしの終活登録」と名付けて2018年5月、全国に先駆けて導入。全市民が対象で、希望すれば無料で利用できる。市に登録できる情報は11項目で緊急連絡先、墓の所在地、かかりつけ医やアレルギー、葬儀や遺品整理の契約先、エンディングノート・遺言書・リビングウイルの保管先などだ。 警察、消防、医療機関、福祉事務所の4機関と、本人が指定した人らから照会があれば、項目に応じて開示していく仕組み。  

これまでに登録した市民は26年1月26日現在、累計で1280人。 身寄りのない高齢者の問題について、深刻さをうかがわせる数値がある。  

内閣府が25年4月に初めて参考データとして公表した「孤立死者数」。自宅で死亡した1人暮らしの人のうち、死後8日以上経過して発見されたケースを「生前に社会的に孤立状態だったことが強く推認される」とみて、警察庁の統計を基に推計。24年は2万1856人(うち高齢者は1万5630人)と見積もった。

 こんな調査結果もある。火葬を執り行う身寄りがなければ、墓地埋葬法などに基づき、自治体が火葬を担うのが一般的だが、総務省の調査によると、21年10月末時点で延べ822市区町村が保管する「引き取り手のない遺骨」は約6万柱で、うち9割の約5万4千柱は身元判明分だったことが明らかになっている。
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安楽死を求める声多数














夫婦ともに最期を迎える「デュオ安楽死」 欧州で広がっていると言います。

夫婦ともに最期を迎える「デュオ安楽死」 欧州で広がる
Feb 20 2026
 「デュオ安楽死」とは、高齢夫婦のどちらかが末期状態になった際、双方がそれぞれの要件を満たしたうえで、ともに安楽死を選択することを指す。オランダでは、デュオ安楽死の事例が増えている。

 オランダでは全死亡数の約5%にあたる9068人が安楽死で死亡し、そのうちデュオ安楽死は33件(66人)だった(BBC)。

 安楽死というテーマは、倫理や生命の尊厳について深く考えさせられる。しかし、語ることがタブー視されていた時代は去り、少なくともヨーロッパにおいては、「安楽死」という言葉に、いまや悲哀はない。夫婦ともにその選択をする日がくるかもしれない、身近な社会問題と捉えられるようになってきた。
 日本でも、急速な高齢化や孤独死の増加が現代の問題となっている。安楽死についての議論も遅かれ早かれ進めていかなくてはならないのではないだろうか。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
現在、世界では「個人の自己決定権」を重視する考え方から、安楽死(医師による薬物投与)や医師幇助自殺(医師が処方した薬を患者本人が服用)を容認する国が増えています。

日本も遅かれ早かれ、この議論が高まるのではないかと考えられます。 近年の意識調査では、日本人の約7割以上が条件付きで安楽死の法制化に賛成・容認する傾向にあります。しかし、国会レベルでの具体的な法案化には至っていません。

<背景>
孤独死(孤立死)急増と深刻化 孤独死には長らく明確な定義がありませんでしたが、近年、警察庁が統計の公表を始めて実態が明らかになってきました。

 現状(2024年推計)、自宅で亡くなった一人暮らしの高齢者は年間約6万8,000人に上ると推計されています。 10年間の推移では東京23区などの地域統計では、ここ10年で約1.5倍に増加しています。2011年頃は2,000人台だった都内の孤独死数が、直近では5,000人規模に達しています。 孤独死の約8割が高齢者です。特に男性は地域社会とのつながりが薄い傾向にあり、発見が遅れるケースが目立ちます。

今後の予測(2030年〜2040年に向けて) 多死社会のピーク: 団塊の世代が85歳以上となる2030年代後半、日本の年間死亡者数はピークを迎えます。 単身世帯の増加: 2040年には高齢世帯の約4割が「一人暮らし」になると予測されており、孤独死は現在の1.5倍〜2倍以上に増えるという試算もあります。

「孤立」の加速: 未婚率の上昇や親族間の付き合いの希薄化により、単なる「一人暮らし」ではなく、周囲との接触が一切ない「孤立」状態での死が社会問題化していく見込みです。 安楽死を巡る議論は、日本でも非常に切実なものになりつつあります。

欧米での法制化の動きや、日本国内の高齢化・多死社会への突入を背景に、将来的に「安楽死」を選択肢として求める声はさらに増えていくと予想されます。

現状の国際的な動向と、日本における予測について整理しました。
1. 欧米における安楽死・医師幇助自殺の広がり
現在、世界では「個人の自己決定権」を重視する考え方から、安楽死(医師による薬物投与)や医師幇助自殺(医師が処方した薬を患者本人が服用)を容認する国が増えています。 その背景としては、医療技術の進歩により「生かされる」期間が延びた一方で、耐え難い苦痛や尊厳の喪失を回避したいという、個人の「死に方の自由」を尊重する意識が高まっています。

2. 日本で「安楽死を求める高齢者」が増えると考えられる理由
日本において、今後安楽死を希望する声が強まると予測されるのには、以下の3つの社会的要因があります。
①「迷惑をかけたくない」という心理: 日本では「子供や社会に介護の負担をかけたくない」という意識が非常に強く、これが安楽死を望む動機になりやすい傾向があります。
②独居高齢者の急増: 頼れる家族がいない一人暮らしの高齢者が増える中で、病気や認知症への不安から「動けなくなる前に自ら幕を引きたい」と考える人が増えています。
③多死社会と緩和ケアの限界: 年間死亡者数が160万人(2024年)を超える多死社会において、すべての人が希望するような質の高い緩和ケアを受けられるとは限らないという懸念があります。

3. 日本における議論の現状と課題 日本では現在、安楽死は法的に認められておらず、実施した医師が殺人罪に問われるリスクがあります。

意識調査の結果: 近年の調査では、日本人の約7割以上が条件付きで安楽死の法制化に賛成・容認する傾向にあります。しかし、国会レベルでの具体的な法案化には至っていません。

懸念される「滑りやすい坂」論: 安楽死が認められると、周囲の視線や経済的な理由から「死ななければならない」という無言の圧力が生じる(社会的圧力による自殺の強制)ことを危惧する声も根強くあります。

まとめと展望
今後、日本でも「尊厳死(延命治療の停止)」と「安楽死(積極的な死の付与)」の線引きを含め、公的な場での議論を避けて通れない状況になるでしょう。特に、2030年代以降の「超多死社会」に向けて、死生観のアップデートが迫られています。

ポイント
欧米では「個人の権利」として議論されますが、日本では「周囲への配慮(迷惑)」として議論されやすいという文化的な違いがあります。独居高齢者の急増並びに無縁社会の一層の広がりにより、安楽死を求める高齢者が増えてくるのではないかと懸念されます。独居高齢者を支える社会インフラの整備を急がねばなりません。
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成年後見制度見直しスケジュール













成年後見人制度の見直しには相当の時間がかかるように思いますが、どのようなスケジュールで進められ、その見通しについて考察をしてみます。

 

成年後見制度の見直しについて 現時点で明らかな「法定のスケジュール」 は次のとおりです(20262月時点の公開情報に基づくまとめです):

 

1. 20252026年度にかけた法制審議会での審議

  • 法務省は 成年後見制度の根本的な見直し(民法改正)を法制審議会への諮問事項 として提示し、
    その審議が 2025年度(令和7年度)を中心に進められている段階です。
  • 20256月に 「中間試案」 が取りまとめられ、
    パブリック・コメント(国民からの意見公募)が 2025825日まで実施されました。
  • 20261月〜2月には、法制審の部会が 要綱案を取りまとめ、法務省に提出 しています。

 

 つまり、2025年度のうちに要点部分の整理を終え、
 2026年度(令和8年度)に向けて最終答申・法案化 という流れで進んでいます。

 

 2. 今後の想定されるスケジュール(概略)

現時点の報道や法務省発表から整理すると、次のような流れが見込まれています:

  1. 2026年前半
     ・要綱案をもとに民法改正案の最終調整
     ・政務・省内調整
  2. 20262027年(令和8年度)
     ・国会提出(法案として国会に上程)
     ・審議〜成立
  3. 成立後の施行時期
     ・公布後、施行まで数か月〜1年程度を見込む必要がある 

2026年度中に結論を出す(法案成立まで)」ことが政府・法務省の目標として示されている軸 になっています。

 3. なぜこのスケジュールなのか?

政府側がこの時期を目標にしている背景には次が挙げられます:

  • 高齢化と認知症増加の社会的ニーズ
    制度の見直しと利用促進が求められている事情。
  • 第二期成年後見制度利用促進基本計画(令和8年度まで)
    この計画の対象期間に合わせて制度見直しの方向性をまとめるという位置づけがある。 

 4. ただし注意すべき点

  「答申・法案成立が確定した」という段階にはまだ達していません。
 法制審の要綱案は法務省に提出されましたが、国会審議に入るまでには、政府内の調整・与党間調整・国会議論が必要です。

 

 法案化〜成立〜施行までには時間差が生じるケースが多い制度改正です。
 法務制度に関わる改正は国会審議が長期化する可能性があるため、
 実際の施行は 2027年以降までずれ込むこともあり得ます。


 まとめ(スケジュール感)

項目

進行状況・時期

中間試案・パブリックコメント

2025年(実施済)

法制審での要綱案まとまる

2026年初頭

国会提出・審議

2026年度(令和8年度)以降 見込み

法案成立

20262027年のいずれか

施行

成立後、準備期間を経て開始予定


 

 補足

制度見直しは、単なる条文化だけでなく

  • 家庭裁判所での運用フロー
  • 任意後見との連携
  • 本人意思尊重の原則
    など、現場での実務ルールまで整理する必要があり、
    最終の制度設計や実施時期まで決まるには数年を要する可能性が高いです。
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