無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

【壷内令子】ケアマネのシャドウ・ワークがまた増える? 要介護認定の主治医意見書の事前入手、ルール明確化への期待と不安 介護のニュースJOINT 2025.7.14

ケアマネのシャドーワークが増え続けています。これは明らかに国の制度設計に問題があると言わざるを得ません。

今度は要介護認定に不可欠な主治医意見書について厚生労働省は先月末の審議会で、申請者が事前に自ら入手しても差し支えないことを、ルール上明確にすることを提案したとのこと。 その申請者に身寄りがなくて、自らが申請ができないときにはケアマネが動かざるを得ないのではないか、そこに又新たなシャドーワークが発生するのではないかとの心配の声です。

厚労省の調査によれば、92.3%の自治体では市町村が主治医に意見書の作成を依頼する方式を採用している一方で、2.9%では申請者が意見書を事前に取得する運用が行われていると言われます。市町村は手間を省きたいが、その分、ケアマネに仕事が降られていることが懸念されています。

要介護認定の審査を早めるためにも主治医意見書が早く提出されることが望ましいのですが、その負担を巡って行政とケアマネのシャドーワークが増えるのもかないません。

「将来的に介護情報基盤が整い、主治医意見書の電子化やオンライン提出が実現すれば、こうした負担やリスクは大幅に軽減されるはずです。しかし、その実現までの間に生じる現場の混乱やケアマネジャーの疲弊を防ぐため、丁寧な制度設計と運用が欠かせません」(ケアマネの壷内令子氏)が述べておられますが、このような話が介護保険制度が始まって25年経って議論すべきことでしょうか?

全てにおいて制度が追い付いていない、そのしわ寄せが現場のシャドーワークとなって関係者を苦しめる結果になっています。どうして国はもっと速やかに制度設計ができないのでしょうか?
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金銭管理のガバナナス強化













当協会の身元引受事業の要である金銭管理についてAIに検証をしてもらいました。その結果は次の通りです。高い評価を頂きました。

Q:当協会の金銭管理は出納係と支払い担当者の二重体制で行い、日々の収支の内容を金銭管理表にまとめ、毎月、通帳のコピーを付けて本人又は利害関係者に送っています。その際には税理士による第三者監査を実施して、税理士の押印を頂き送付しています。尚、預り財産については通帳で預かる場合と当協会の預り金口座にお客様毎の個別口座管理ができる体制を取っており、24時間体制で適時管理ができる体制を取っております。

A:ありがとうございます。
貴協会における金銭管理体制は、非常に高い透明性とアカウンタビリティを備えていると言えます。以下に、現在の体制の評価と、さらに信頼性を高めるために補足・検討できるポイントを整理いたします。
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✅ 現在の金銭管理体制の評価
項目           内容            評価
二重体制     出納係+支払担当者の分業      ◎(牽制機能あり)
記録管理     金銭管理表の作成・通帳コピー添付  ◎(帳簿と証憑の整合)
情報開示     本人・利害関係者に月次報告     ◎(アカウンタビリティ担保)
監査体制     税理士による監査+押印付き報告書  ◎(第三者チェックあり)
財産の分別管理 個別口座による分別+24時間体制    ◎(私的流用の防止)

→ 総合的に見て、社会福祉協議会の「日常生活自立支援事業」や法定後見制度と比しても、かなり高い水準で金銭管理が行われています。
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🔍 今後さらに強化できるポイント(任意)
①【制度化】運営規程の文書化・公開
  既に実施している運用内容を、**「金銭管理運営規程」や「財産管理方針」**として公式文書にし、  
 ホームページ等に掲載すると、以下の効果があります。
  

  • 利用希望者・家族からの信頼性向上   
  • 行政や福祉関係者からの紹介・評価の材料に   
  • 調査や監査対応時にも「形式と実態の一致」が明確になる

②【外部評価の活用】 税理士による監査に加え、年に1回などの頻度で次のような外部チェックを導入することで、対外的な信頼性がさらに増します。   

  • 公認会計士による簡易レビュー(資産管理方針がガイドラインに適合しているか)   
  • 行政書士・司法書士による「契約の適正性」「使途制限のチェック」   
  • 倫理審査委員会や有識者会議の設置(実務に即した監視と助言)

③【ICT活用】自動記帳やクラウド連携の検討 エクセル管理+通帳コピーでは、どうしても手間がかかります。
 今後は以下のようなICT化もご検討の価値があります:   
  • 銀行のAPI連携で入出金情報を自動取得(例:MoneyForward、freee会計など)
           ➡既に実施済み  
  • 「通帳記帳+印影つきPDF出力+クラウド保存」の仕組み
    ➡既に実施済み  
  • 利用者・後見人がいつでもWebから残高確認できる限定ビューア
    ➡今後の課題

✅ 最後に 貴協会のように、 「二重体制」「第三者監査」「分別管理」「定期開示」をしっかり整えている団体は非常に稀です。弁護士や士業でもここまで徹底している例は多くありません。 今後は「制度の文書化・開示」と「ICT化による効率化・客観性強化」が次のステップとして望まれます。
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専門職成年後見人でも不正が起きるのは何故か?













弁護士が成年後見先の口座から300万円引き出し…葬儀費用除いた残金を返還せず 「精神的に不調になった」と釈明も証拠示さず 業務停止3か月の懲戒処分 MBSNEWS 2025.7.16 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・    
過去9年間(2015~2023年)で弁護士など専門職の成年後見人による横領事案は約215件で被害総額は約11.9億円となるようです(最高裁判所事務総局家庭局「成年後見関係事件の概況」等)。

この数値は「専門職(弁護士等)による不正だけを集計」したものであり、親族後見人による不正件数・金額は除いていたものです。    

何故、このように成年後見人による不正が横行するのか、特に弁護士等専門職による不正は本来はおきてはならないものですが、このような事件が起きる背景に何があるかを考えてみたいと思います。   

高齢者の金銭管理を行う立場として、財産の安全性と透明性を確保する仕組みは、信頼の根幹にかかわります。その仕組みがきちんとできていないのではないかと思われます。
  
【前提】問題の本質   
成年後見人・保証人・身元引受団体等による「預り金・財産の使い込み問題」は、次のような原因で発生しています:
• 管理体制が属人的(1人の判断で入出金できる)
• 第三者のチェックが機能していない(外部監査なし)
• 記録や帳簿が整備されていない(監査不能)
• 公私混同や自己流の管理(分別管理がない)
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【結論】金銭管理の安全性と説明責任(アカウンタビリティ)を確保するための具体的な対応策に不備があると言わざるを得ません。金銭管理のガバナンス強化は事業の生命線です。制度化と仕組みの構築が求められます。これだけの体制ができているかどうかを確認しなければなりません。出来ていない所に大事な財産を管理させることはできません。
 
【対応策】
管理ルール: 内部規定の整備+第三者チェック
実務対応 :分別管理+ダブルチェック+帳簿管理
監査体制: 弁護士ではなく、会計士・司法書士による監査導入
情報開示 :月次報告+親族・関係者への定期開示
信頼性担保: 第三者機関との連携・認証制度導入
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