無尽灯

医療&介護のコンサルティング会社・一般社団法人ロングライフサポート協会代表理事 清原 晃のブログ
高齢社会、貧困、子育て支援などの様々な社会課題が顕在化しつつあります。このような地域社会の課題解決に向けて家族に代わる「新しい身寄り社会」を創造する取り組みとして、2011年から①身元引受サービス②高齢者住宅低価格モデルの開発③中小零細高齢者住宅事業支援サービスを掲げた「ソーシャルビジネス」にチャレンジしています。

紹介会社の成功戦略












「施設紹介会社」から「高齢者生活支援会社」へ──これからの紹介会社が生き残るための成功戦略

高齢者施設紹介事業は、この20年間で急速に発展してきました。

高齢者人口の増加、有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅の増加を背景に、多くの紹介会社が誕生し、「施設探しの専門家」として重要な役割を果たしてきました。

しかし、今後10年を見据えたとき、この市場は大きな転換期を迎えようとしています。

これまで紹介会社の役割は、「施設へ入居したい高齢者」と「受け入れ施設」を結び付けることでした。しかし、これからは「施設へ入居するまでの支援」だけではなく、「できるだけ住み慣れた自宅で暮らし続けたい」という高齢者を支えることが、社会全体の大きなテーマになります。

つまり、紹介会社もまた、新しい時代への進化が求められているのです。

紹介会社を取り巻く環境は大きく変化する

現在でも建築費の高騰や介護人材不足の影響により、高齢者施設の新設は以前ほど進んでいません。一方で、高齢者人口は今後も増加し続け、特に身寄りのない高齢者や独居高齢者は大幅に増えることが予測されています。

こうした状況では、「施設に入る」という選択肢だけではすべての課題を解決できません。

病院への付き添い、入退院支援、金銭管理、緊急時対応、生活相談、死後事務など、施設入居前から必要となる支援が急速に増えていきます。

相談内容そのものが変化する以上、紹介会社も「施設紹介だけ」の会社では、将来的に競争力を維持することは難しくなるでしょう。

成功する紹介会社は「相談会社」へ進化する

これから成功する紹介会社は、「施設紹介会社」ではなく、「高齢者生活相談会社」へ進化する会社だと考えています。

利用者やご家族が最初に相談したいことは、必ずしも「施設を探したい」ではありません。

「一人暮らしを続けられるだろうか。」

「身元保証人がいない。」

「病院から退院を求められている。」

「財産管理が心配だ。」

「将来のことを誰に相談すればよいのかわからない。」

こうした相談を最初に受け止める地域の相談窓口になることこそが、これからの紹介会社の大きな価値になります。

施設紹介は、その相談に対する一つの解決策に過ぎません。

生活支援をすべて自社で行う必要はない

ここで誤解してはならないのは、「生活支援市場が拡大するから紹介会社もすべて自社で行うべきだ」という考え方です。

私は必ずしもそうは思いません。

施設紹介は営業力が求められる仕事ですが、生活支援は24時間対応や緊急対応、人材育成、品質管理など、まったく異なるノウハウが必要になります。

営業会社がサービス会社へ転換することは、想像以上に大きな経営改革を伴います。

そのため、多くの紹介会社が生活支援を全面的に内製化することは容易ではありません。

だからこそ、専門機関との連携が重要になります。

分業こそが最大の競争力になる

これからの成功モデルは、「何でも自社で抱え込む」ことではなく、「専門家と連携する」ことです。

紹介会社は地域で相談を受け、利用者との信頼関係を築きます。

その後、身元引受、金銭管理、生活支援、緊急対応、死後事務など専門性が必要な業務は、それぞれの専門機関へつなぐ。

紹介会社は地域のフロントエンド(相談窓口)となり、専門機関がバックエンド(実務支援)を担う。

この役割分担ができれば、紹介会社は営業力という強みを維持しながら、高齢者支援全体を提案できる存在へと進化できます。

一時収入から継続収入へ

現在の紹介会社の収益は、施設紹介料が中心です。

契約が成立すれば収益となりますが、その後は関係が終わるケースも少なくありません。

しかし、生活支援と連携することで収益構造は変わります。

施設紹介に加え、身元引受サービスの紹介、生活支援業務への参画、地域相談窓口としての役割など、継続的な関係が生まれます。

さらに、生活支援の一部を業務委託として担うことで、地域に根差した安定収入を得ることも可能になります。

一件ごとの成果報酬だけではなく、「地域で支え続けること」が収益につながる時代へ変わっていくのです。

紹介会社の役割そのものが変わる

2035年頃には、「高齢者施設紹介会社」という名称自体が時代に合わなくなるかもしれません。

利用者が求めるものは、「施設紹介」ではなく、「安心して暮らし続ける方法」です。

紹介会社は施設を紹介する会社ではなく、地域高齢者生活相談センターのような存在へ進化していく可能性があります。

紹介会社の成功戦略施設、病院、地域包括支援センター、居宅介護支援事業所、行政、そして生活支援事業者をつなぐハブとして機能することが、これからの大きな価値になります。

これから最も重要になるのは「地域で最初に相談される会社」であること

高齢者支援市場は今後さらに拡大します。

しかし、その中心になるのは施設ではありません。

「困ったら、まずあの会社へ相談しよう。」

地域からそう思われる存在になれるかどうかが、紹介会社の未来を決めます。

施設紹介というサービスは、その信頼関係の中から生まれる一つの選択肢になります。

営業力だけではなく、相談力、提案力、そして地域とのつながりが、最大の競争力になる時代です。

おわりに

私はこれからの紹介会社は、「施設を紹介する会社」ではなく、「地域の高齢者支援をデザインする会社」へ進化していくべきだと考えています。

そして、その実現には、一社だけですべてを抱え込むのではなく、専門機関との連携による分業体制が欠かせません。

高齢者が安心して暮らせる社会を実現するためには、紹介会社、医療機関、介護事業者、行政、そして包括型身元引受を担う専門機関が、それぞれの強みを生かしながら一つの支援ネットワークを築くことが重要です。

これからの時代に選ばれる紹介会社とは、「施設を紹介できる会社」ではありません。

「地域で最初に相談される会社」であること。

それこそが、2030年代の紹介会社に求められる最大の成功要因ではないでしょうか。

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houkatugata












在宅包括型身元引受サービス市場は2035年に1兆円市場になるのか ― 市場規模予測とビジネスモデル

高齢者支援の現場で仕事をしていると、ここ一年ほどで相談内容が大きく変わってきたことを実感します。

これまでは「施設へ入居するための身元引受」が中心でした。しかし現在増えているのは、「自宅で最後まで暮らしたい」という在宅高齢者からの相談です。

しかも、その内容は単なる緊急連絡先ではありません。

「金銭管理もお願いしたい。」
「病院とのやり取りも頼みたい。」
「死後のことまで準備しておきたい。」

つまり、在宅生活全体を支える包括型身元引受サービスへのニーズが急速に高まっているのです。

私は、この市場は2035年には1兆円規模に成長する可能性を十分秘めていると考えています。

もちろん、これは公的統計として示されている数字ではなく、高齢化の進展、在宅志向の高まり、支援単価、利用率などを踏まえた一つの市場シナリオです。しかし、その前提条件を整理すると、決して非現実的な数字ではありません。

なぜ市場は急拡大するのか

日本はこれから20年間で世界でも例を見ない高齢化を迎えます。

さらに増加するのが、

・身寄りのない高齢者
・子どもがいない世帯
・子どもが遠方に住む高齢者
・高齢夫婦のみ世帯
・認知機能が低下した在宅高齢者

です。

これまでは家族が担っていた役割が、社会全体で担わなければならない時代に入っています。

一方で政府は、「施設から地域へ」「病院から在宅へ」という地域包括ケアシステムを推進しています。

つまり、高齢者は在宅で生活することが基本となり、その生活を支える新しいサービス市場が生まれているのです。

「介護市場」と「生活支援市場」は別の市場である

ここで重要なのは、包括型身元引受サービスは介護保険市場とは異なるということです。

介護保険が提供するのは身体介護や生活援助です。

しかし実際の在宅生活では、それだけでは生活は成り立ちません。

例えば、

・金融機関との手続き
・公共料金の管理
・医療費の支払い
・施設との契約
・行政手続き
・病院への同行
・見守り
・緊急対応
・死後事務

こうした支援は介護保険の対象外であり、今後さらに需要が高まる保険外サービスです。

つまり、包括型身元引受サービスは「介護」ではなく、「生活を経営するサービス」と言えるでしょう。

市場規模を試算してみる

仮に2035年時点で、

・利用対象となる高齢者が300万人
・そのうち10%が包括型サービスを利用
・利用者数30万人
・年間利用額30万円~40万円

と仮定すると、

30万人 × 年間35万円=約1兆500億円

という市場規模になります。

もちろん地域差や所得差はありますが、この程度の利用率であれば十分現実的な水準と考えられます。

しかも、この数字には相続支援、財産管理、成年後見支援、葬送支援などの関連サービスは含まれていません。

周辺市場まで含めれば、さらに大きな市場へ発展する可能性があります。

成功するビジネスモデルとは

これから成功する事業者は、「身元保証会社」ではありません。

地域の高齢者支援プラットフォームを構築できる事業者です。

その中心となるサービスは次のようなものです。

第一層 安心の提供

・緊急連絡先
・24時間対応
・見守り
・病院対応

これは「安心」を提供する基盤サービスです。

第二層 生活支援

・金銭管理
・契約支援
・買い物支援
・行政手続き
・生活相談

ここが継続収益を生む中核サービスになります。

第三層 終活支援

・任意後見契約
・死後事務委任
・葬儀
・納骨
・相続相談

人生の最終段階を支えるサービスです。

第四層 地域ネットワーク

さらに重要なのが、

・病院
・地域包括支援センター
・ケアマネジャー
・訪問介護
・金融機関
・士業
・葬儀社
・不動産会社

などをつなぐ地域ネットワークです。

一社ですべてを行う時代ではありません。

地域全体で支えるプラットフォームを構築した企業が競争優位を持つようになります。

DXが市場を大きく変える

もう一つ重要なのがDXです。

これまで身元引受業務は担当者個人の経験に依存していました。

しかし今後は、

・クラウド型金銭管理
・電子契約
・見守りシステム
・AI相談
・代理店ネットワーク
・電子カルテとの連携
・活動履歴の自動記録

などが進み、サービス品質は大きく向上するでしょう。

「人が行う支援」と「テクノロジー」が融合したモデルが、業界の新たな標準になると考えられます。

これから必要なのは全国ネットワーク

私は、この市場は一企業だけで支えることはできないと考えています。

全国各地に地域パートナーが存在し、共通のルール、共通の品質、共通の教育のもとでサービスを提供するネットワークが必要です。

それはフランチャイズでも単なる代理店でもありません。

「高齢者支援の社会インフラ」を地域ごとに担うパートナーシップです。

2035年には、こうしたネットワークを持つ組織が、日本の在宅高齢者支援を支える重要な存在になっているかもしれません。

2035年を見据えて

高齢化は、日本にとって避けることのできない社会課題です。

しかし見方を変えれば、それは新しい社会インフラを創る機会でもあります。

在宅包括型身元引受サービスは、単なる民間サービスではありません。

介護、医療、行政、地域、そして家族をつなぎ、高齢者が住み慣れた地域で安心して暮らし続けるための「社会の基盤」となる可能性を秘めています。

2035年に市場が本当に1兆円へ到達するかどうかは誰にも断言できません。

しかし確かなことがあります。

これからの10年間で、「高齢者を支える仕組み」を持つ組織と、「個別のサービス提供」にとどまる組織との差は、ますます大きくなるでしょう。

私たちが目指すべきものは、身元保証会社ではありません。

「誰一人、身寄りがないことを理由に取り残されない社会」を支える全国規模の社会インフラです。

在宅包括型身元引受サービスは、その未来を支える重要な柱になると私は確信しています。

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身元引受は在宅へシフト













在宅高齢者の時代が始まる――包括型身元引受サービスは次の社会インフラになる

近年、身元引受サービスに関する相談内容が大きく変化しています。

これまでは老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅への入居時に必要となる「施設入居型」の身元引受が中心でした。しかし、ここ一年ほどで明らかに増えているのが、「自宅で暮らし続けたい」という高齢者からの相談です。

その背景には、団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となり、日本社会が本格的な超高齢社会の新たな局面に入ったことがあります。

在宅生活の最大の課題は「生活」ではなく「管理」

多くの人は、「在宅生活を支えるには介護サービスがあれば十分」と考えがちです。

しかし実際には、介護保険だけでは解決できない問題が数多く存在します。

例えば、

・預貯金の管理が難しくなる
・公共料金の支払いができなくなる
・病院への支払いや入退院手続きができない
・郵便物や契約書の内容が理解できない
・緊急時に連絡を取る家族がいない

このような問題は介護サービスでは対応できず、日常生活全体を支える仕組みが必要になります。

つまり、在宅生活において本当に不足しているのは介護ではなく、「生活管理」と「権利擁護」の支援なのです。

金銭管理に対する意識が変わり始めた

これまで高齢者は、

「お金だけは他人に任せたくない」

という考えを持つ方が大半でした。

そのため、身元引受サービスを利用しても、金銭管理だけは自分で行うケースが一般的でした。

しかし最近は状況が変わりつつあります。

認知機能の低下や身体機能の衰えにより、

・ATMまで行けない
・通帳を紛失する
・公共料金を払い忘れる
・詐欺被害に遭う
・複数の口座を管理できない

といった相談が急増しています。

高齢者本人だけでなく、地域包括支援センターやケアマネジャー、病院の医療ソーシャルワーカーからも「金銭管理まで含めてお願いできないか」という相談が増えてきました。

つまり、「財産を守るために専門家へ任せる」という考え方が少しずつ社会に浸透し始めているのです。

在宅でも求められる「包括型身元引受サービス」

これからの身元引受サービスは、施設入居だけを前提としたものではなくなります。

むしろ在宅生活そのものを支える包括型サービスへ進化していくでしょう。

例えば、

・緊急連絡先の提供
・病院への付き添い
・入退院支援
・金銭管理
・日常生活支援
・行政手続き支援
・見守り
・24時間緊急対応
・死後事務委任
・相続相談との連携

これらを一つのパッケージとして提供することが、これからの標準になっていくと考えられます。

高齢者が安心して住み慣れた地域で暮らし続けるためには、介護・医療だけではなく、生活全体を支える仕組みが不可欠だからです。

市場は施設から在宅へ広がる

日本では「住み慣れた地域で暮らし続ける」という地域包括ケアシステムが推進されています。

その結果、今後は施設だけでなく、在宅高齢者への支援市場が大きく拡大すると考えられます。

特に身寄りのない高齢者や、子どもが遠方に住んでいる高齢者、未婚・子どものいない世帯の増加は、この流れをさらに加速させるでしょう。

在宅生活を希望していても、支援体制がないために施設へ入居せざるを得ないケースは少なくありません。

もし包括型の身元引受サービスが地域に整備されれば、多くの方が住み慣れた自宅での生活を継続できる可能性があります。

成功する事業者の条件

今後、市場が拡大する一方で、すべての事業者が成功するわけではありません。

成功するためには、次の五つの要素が重要になるでしょう。

第一に「信頼性」。

金銭管理を任される以上、透明性の高い管理体制や定期的な報告、適切な内部統制が欠かせません。

第二に「地域ネットワーク」。

地域包括支援センター、病院、ケアマネジャー、訪問介護事業所、行政、金融機関などとの連携が利用者の安心につながります。

第三に「DX(デジタルトランスフォーメーション)の活用」。

見守りシステムやクラウドによる記録・金銭管理、オンラインでの情報共有などを取り入れることで、サービスの品質と効率を高めることができます。

第四に「標準化」。

サービス内容や手順、契約、記録、対応方法を標準化することで、地域や担当者による品質のばらつきを防ぐことができます。

第五に「人材育成」。

身元引受業務は法律、福祉、医療、生活支援など幅広い知識が求められます。専門教育を受けた人材の育成が、今後の競争力を左右するでしょう。

2030年に向けて

2030年までの高齢者支援は、「施設中心」から「地域・在宅中心」へと大きくシフトしていくと考えられます。

その中で包括型身元引受サービスは、単なる身元保証ではなく、高齢者の暮らし全体を支える社会インフラとしての役割を担うようになるでしょう。

これから求められるのは、「困った時だけ支援するサービス」ではありません。

元気なうちから契約し、生活を支え、必要に応じて医療や介護につなぎ、最期まで本人の意思を尊重しながら伴走する仕組みです。

在宅で安心して暮らし続けられる社会を実現するためには、包括型身元引受サービスの普及が欠かせません。

私たちは、「誰一人、身寄りがないことを理由に取り残されない社会」の実現を目指し、在宅高齢者を支える新たな社会インフラの構築に挑戦していきます。

今後10年間は、在宅高齢者支援が日本の福祉を大きく変える時代になると考えています。そして、その変化の中心にあるのが、生活・権利・財産を一体的に支える包括型身元引受サービスなのです。

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